
第34回全国地域サッカーリーグ決勝大会1次ラウンドが始まった。ひたちなかを舞台に3試合を戦うS.C.相模原は、11月21日、九州のHOYO Atletico ELANと対戦した。
GK佐藤に、DFは工藤、奥山、金澤、井上の4人。中盤では底に富井と鈴木健が並び、両サイドを水野と坂井が務めた。FWは森谷と負傷明けの齋藤という11人が先発した。
開始2分、富井から左サイドの水野へとつなぎ、縦のスペースへ走り込む齋藤にパスを供給したように、この日のS.C.相模原は、前線の2人をDFの裏へ走らせ、そこに縦パスを合わせていった。そうした流れから11分には、坂井が左サイドに展開すると、井上がドリブルで切り込み配球したクロスのこぼれ球を富井がミドルで狙った。
「相手もしっかりうちを研究してきていた」とCB工藤が語るように17分、18分には、サイドのスペースで起点を作られ中に折り返されたが、鈴木健ら中盤の選手が戻って対応することでピンチを逃れた。
相手の時間帯になっていた26分、左SBの井上が中盤で相手選手と接触し、左肩を負傷。井上は試合続行不可能となり、27分には鈴木隼人が投入される。
その1分後、S.C.相模原は多くの選手が攻撃に参加することで厚みのある攻撃を見せると、徐々に主導権を取り返していった。
そして前半終了間際の46分、待望の先制点が生まれる。左サイドから富井が中に入れたボールがこぼれると、ペナルティーエリア内で坂井が拾う。坂井は密集地帯の中、冷静にボールをコントロール。そのままシュートするのではなく、タックルに来た相手を冷静にフェイントで交わし、左足で流し込んだ。
前半を1-0で折り返したS.C.相模原は、後半立ち上がりに追加点を決める。右サイドからドリブルで再三チャンスメークしていた金澤がいきなり仕掛ける。「前半は風もあって様子を見ていた。相手に長身DFもいたので、低いクロスを入れていた。でも、齋藤さんなら競り勝てると思った」(金澤)
47分、金澤は相手陣内深くまで進入すると中央に際どいクロス。相手DFに当たりクリアされそうになったが、素早く齋藤が詰めると、飛び出してくるGKの下を抜くシュートを決め、追加点を挙げた。
スコアは2-0となり、相手はロングボールを入れる回数が増えてきた。S.C.相模原は守備意識を高めながらも、さらにゴールを奪おうと攻撃を仕掛けていく。66分には鈴木健のサイドチェンジから坂井がクロス。水野が頭で合わせるがシュートはバーに嫌われた……。
決めきれずにいると、70分、ゴールから見て右のスペースに縦パスを入れられ折り返されると、走り込んできた相手にシュートを決められ1点差に詰め寄られてしまう。
直後の73分には、途中出場したジエゴがドリブルで相手を引きつけ作ったチャンスから、最後は齋藤がシュートしたが、これもバーに当たりゴールならず。78分にも金澤が右サイドからドリブルで中央へ進入し、ミドルシュートを放ったが、これもわずかにゴールの上を越えていった。
89分、運動量の多かった金澤を下げ、S.C.相模原は秋葉を投入する。経験豊富なベテランを入れ、試合を終わらせようとした。
しかし91分、左サイドから中央に展開されたロングボールに頭で合わされ、同点に追いつかれてしまう。
90分を終え、スコアは2-2。決着はPK戦によってつけることになった。
HOYOが先攻、S.C.相模原が後攻で始まったPK戦。S.C.相模原は秋葉、坂井、富井、鈴木健、齋藤と、5人全員が成功した。
相手も5人ともにシュートを決めたため6人目に突入。そうして迎えた6人目。相手が放たったシュートがゴールポストに当たり失敗する。その後にキッカーを務めた鈴木隼がゴール右に沈めると、6-5で貴重な勝ち点2を上げた。
第2戦となる22日は、同県のY.S.C.Cとの一戦。決勝ラウンド進出を懸け、勝ち点3獲得を目指すとともに、天皇杯県予選決勝で敗れた雪辱を果たすチャンスでもある。
舞台は整った。
クラブのため、相模原から駆けつけてくれたサポーターのため、負傷欠場しているチームメートのため、そして何より自分たち自身のため、選手たちは第2戦に挑む。
原田大輔
ひたちなか市総合運動公園陸上競技場 10:45キックオフ(45分×2本) |
1st (45分) |
1-0 |
得点者:S.C.相模原-坂井 |
2nd (45分) |
1-2 |
得点者:S.C.相模原-齋藤 |
PK |
6-5 |
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結果 |
S.C.相模原 2-2 HOYO Atletico ELAN |