

第46回全国社会人サッカー選手権大会準決勝に敗れたS.C.相模原は、3位決定戦を福島ユナイテッドFCと戦った。準決勝で富井英司、吉岡航平が退場となり、さらに累積警告により船越雄蔵も出場停止。S.C.相模原のベンチには、GKも含めると4人しかいない苦しい状況だった。
4-4-2にシステムを戻し、GKには今大会初出場となる榎本が起用された。DFは出場停止明けの金澤をはじめ、CBに工藤、奥山、左SBに井上と、これまでと変わらぬメンバーが並んだ。MFは右から森谷、鈴木健、坂井、鈴木隼。前線は、齋藤とジエゴが務めた。
幸先良く開始6分に先制する。カマタマーレ讃岐戦ではCK10本、FK16本を得ながら一度も生かすことのできなかったセットプレーから、ゴールを決めた。金澤がドリブルで勝負すると、右サイドの深い位置で直接FKを獲得。一度やり直しを命じられるが、それが結果的に得点に結びついた。坂井がファーを狙いクロスを挙げると、これに齋藤が飛び込む。準々決勝まで3試合連続でゴールを決めていたエースは、相手DFのマークをかいくぐり、ヘディングシュートを決めた。
S.C.相模原は、これまでの試合同様、ワンタッチ、ツータッチでパスをつなぎ、試合を支配していた。ただ、連戦による疲労からイージーミスも多く、縦へ入れたパスを相手にカットされる場面も目立った。相手も同様に疲労は濃く、互いに決定機を作れず、時間は過ぎていった。
そうした膠着状態を破ったのは、金澤の個人技だった。前半終了間際の39分、金澤が勝負に出る。ジエゴとのワンツーを成功させ、右サイドから中央にドリブルで切れ込むと、左足を一閃。ゴール左上に鮮やかなミドルシュートが決まり、2-0で試合を折り返した。
57分に自陣ゴール前で工藤が警告を受け、間接FKを与えてしまう。その流れから59分にCKから失点。チームには嫌な雰囲気が漂うが、この日の選手たちは、そうした流れをゴールという結果で断ち切った。
62分、こぼれ球を拾った鈴木隼は、左サイドをドリブルで駆け上がり、ゴール前を目視。そして、ふわりとしたクロスを挙げた。これが絶妙のタイミングで齋藤に合う。まさに突き刺すと表現したくなるような、豪快なボレーを決め、スコアを3-1とした。
65分には坂井に代え、木下を投入。66分にジエゴが加点し、さらにリードを広げると、最後は木下が今大会初ゴールを記録して締めくくった。
79分、左サイドから中央へドリブル突破し、ゴール前に抜け出ると左足を振り抜く。これはGKに防がれたが、自らこぼれ球に素早く反応すると、今度は右足でシュートし、ゴールネットを揺らした。大会初ゴールに、木下は思わずガッツポーズ。
S.C.相模原は5-1で福島ユナイテッドに勝利し、全国社会人サッカー選手権大会を3位で終えた。
最後に、S.C.相模原にとって、5日で5連戦を戦ったこの大会を通して、新たなる収穫と課題を得た。負傷者や退場者、勝利や敗戦と、様々なことがあったが、この大会は今後へ向け、大きな経験となった。
5日間にわたり、多くのサポーターの方々に遠方まで足を運んでいただき、クラブ、選手一同、感謝しております。サポーターの声援が力となり、3位という成績を収めることができました。引き続き、温かく、熱いご声援をよろしくお願い致します。
下関市営下関陸上競技場 10:00キックオフ(40分×2本) |
1st (40分) |
2-0 |
得点者:S.C.相模原-齋藤-金澤 |
2nd (40分) |
3-1 |
得点者:S.C.相模原-齋藤-ジエゴ-木下 |
結果 |
S.C.相模原 5-1 福島ユナイテッドFC |