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06-18-2017
試合結果06/J3第13節藤枝戦安永聡太郎監督試合後会見
SC相模原の安永聡太郎監督、藤枝MYFCの大石篤人監督が同時に試合後の記者会見を行った。
ーー本日の試合を振り返って感想をお願いします。
大石監督「すべてはゲームの入りだったなと思います。どちらかが優勢を保つところの時間帯で、うちの弱さである失点をまたしてしまったところで、相模原さんが今日やってくるであろうというイメージは、ある程度、選手たちにも伝えていた。自分たちがそれをはがす作業というのが今日の大きなポイントだったと思います。その部分の精度が正直、今日は低かったと思いますし、その精度を上げていかなければいけない。良いクロスも上がっていましたけど、最後のところのシュートというのも少なかったので、そこに関しては選手たちもたぶん悔しい思いでいっぱいだったと思います。そこは1年間掛けて成長する部分だとも思いますので、1年間掛けてやっていきたいなと思います」
安永監督「大石監督には負けたくなかったので、個人的には本当に何度も言いますが、尊敬していますし、経験値でも勝てないので、選手にがんばってもらうというところの中で、ジョン(ガブリエル)と(久保)裕一と、保﨑(淳)の3枚のところは、淳が入ることで関係が良く、うまくリンクして、後ろともつながれるようになっていた。そこで藤枝さんを相手にどの時間帯まで優位性を保って、驚かすことができるか、というのを思って試合に入りました。その中で、ジョンのアシストから早い時間帯に(徳永)裕大が決めてくれたというのが非常に大きかったです。藤枝さんは長いボールをそれほど入れてこないで、しっかりとボールをつないで、ワイドに一旦預けて斜めのコースを作ってくるということを、丁寧にやってくるので、僕らとしてはそこをどのようにスライドして、斜めのコースを消しながら守っていくか。このピッチの中でも、(藤枝が)それをやってくるかどうかをやりながらも判断していこうと考えていて、それをやってくるようだったら、しっかりと狙いを持って奪いに行こうというのは、何度かできていたと思いますが、それが(追加点という)ゴールにつながらなかったというのは、今後への課題だとも思います。
うちのフォーメーションからすれば、ワイドが空いてきて、そこで時間を作られる可能性があることは選手たちにも話していました。だから、そこは問題ないと。最終的にはクロス、もしくは最終ラインの前にあるスペースへの速いボールなどは、しっかりケアしようという話もしていて、そこもある程度はできたと思います。ただ、やはり何度かは決定的なシーンも作られていたので、スライドだったり、ポジショニングというところは、修正していかなければと思います」
ーー相模原の前線の3枚のうち、保﨑選手がかなり自由に動いていましたが、そこに対してはどういう指示を与えていたのか。また藤枝はそこに対してどうケアしていたのでしょうか。
安永監督「うちが2トップを組んだときに困るのが、2トップなのに1トップ、1トップになってしまうことが多いということ。いろいろと話はしていたんですが、どうしても組ましたときに2トップではなくて1トップ、1トップになってしまう。ただ、前節(YS横浜戦)のラスト、得点を取りにいこうとしたときに、淳を上げたら、何度か面白い関係性が、終盤ですけど、YS横浜戦でできていた。だから、これは面白いなということで、淳を後ろに置いて、とにかく淳には、『前2枚を動かしてくれ、距離感を整えてくれ』という話をしていました。あとは藤枝さんのボランチの背後、3バックでボールを動かしていてボランチが降りて行ったときに、淳が守備のリーダーとして3枚でしっかり動いて、帰る立ち位置を決める。そこは、テンポよく(ボールを)回されると、どうしてもはがされてしまっていた。最終ラインと中盤のラインが1回吸収されてしまうのは、ある程度、仕方がないのですが、今一度、2ラインを形成するのが遅かったかなと。それでも前線の3枚、特に淳が良いリンクマンになってくれていたので、飛び出しの部分など、今までのうちの中では、少なかった同サイドに気の利いた飛び出しという動きができていた。今後も良いコミュニケーションを取ってもらえればなと思いますし、この3枚で(相手を)はがして点が取れるようになれば、中盤から(菊岡)拓朗、裕大という技術のある選手がより活きてくるとも思います。今日は藤枝のワイドからの攻撃が怖かったので、そんなに(辻尾)真二が出ていけなかったんですが、真二がタイミング良く出ていく局面を煮詰めていければなと。本当に初めてやった中では、いろいろなものを感じることができた、そういうゲームでした」
大石監督「保﨑くんが(相模原では)一番得点を取っているというところで、最後のところに神出鬼没に入ってくる選手ということは分かっていた。ただ、そこはすべて辻尾くんからのスタートなので、そこへの対応はしっかりできたかなと思っています。保﨑くんに加えて、徳永くん、菊岡くんの守備意識というのが、今回うちにとってはかなりネックだったので、前半のうちにボランチをシャドーの人間と変えたりだとか、途中から選手も替えて対応した。少しボランチが食われる部分があったので、そこは保﨑くんからのプレッシャーがあったのかなと。今、ヤス(安永監督)も言ったように、テンポよく(ボールを)回せば、はがせるというのは分かっていたんですが、ただ、うちの選手たちの距離感が悪かった。もう少し深みを取ったり、バランスを取れれば良かったのですが、ちょっと横一線になってしまったりして何度か引っ掛けられる形が、でてきたと思います。そこの深みとポジションを変えたことで、(その後)ボールは動いたんですけど、ただ、その分、カウンターを何度も食らってしまった。それは点を取りに行く上でも、このサッカーをやっていく上でも起こることなので、ボランチを含めたリスク管理というのが後半は多少、ルーズになったかなとも思います。
1試合平均13本というシュート数が、だいたい2年くらい前に町田などが勝っているときの平均値なので、チームとしては1試合平均13本のシュートを目標に掲げています。今日はその本数まで打てているので、ある程度は押し込めていたのかなと。ただ、やっぱり、最後の決めきるところに関しては、このサッカーをしている上で、質を上げていかなければ変わっていかない。今日はヤスがやってくることはだいたいイメージとしてはついていたんですが、システムに関してはちょっと違っていましたね。今回、うちのチームがそれでも(相手を)はがせなかったということで、技術の部分をもう1つ上げていかなければならないですね」
ーー藤枝側から見ると、サイドからかなり良い攻撃を作っていたと思うのですが、崩しきれなかった要因は?
大石監督「良い攻撃というのは、最終的に得点が入って結論がつくと思うんですよね。だから、あれは決して良い攻撃とは言わないというイメージですね、僕の中では。しっかり点が入ってはじめて完成形になるので、選手たちも得点が入らなかったというところを考えていると思います。確かに、良いというか、そのシーンまでは作っている。でも、やっぱり強いチームというのは、そこでしっかり点を取る選手がいたりだとか、誰が出てきても取ったりというところがある。今日は本当に選手たちは悔しいと思いますし、前半はがせなかったところを後半はがせるようになったところで、得点が入らなかった。来週に向けてやらなければいけないところかなと思います」
ーー相模原側からすると、ハイボールを弾き返す自信はある一方で、足もとに入ってくるボールは怖かったのではないかと思います。
安永監督「だから、裕大と拓朗にはずっとケアをするように言い続けていました。ただ、前線の足が止まりはじめてから、このメンバーでどうしようかと考え、、寄特(直人)を入れたのですが、彼がまたちょっと重くて、千明(聖典)を(先に)入れたほうが良かったのかもしれません。そこは彼ら(寄特と千明)の経験値という問題もありますし、サイドのところのケアは、もう少しうまくできたかなとも思います。ただ、そこで助かったのは、篤人も何度か「ん!」という感じのジェスチャーをしていたと思うのですが、(藤枝が)スピードアップしてくれて、逆に助かったところもありましたよね。こっちから見ていると、藤枝さんがスピードアップしなくていいところ、うちからしたら1回落とされたら嫌だなというところで、パンとスピードアップしてくれ、ミスしてくれたりというシーンがあった。だから、うちの守備がすべて良かったというわけでは決してない。ミスに助けられているところがありました。あとは(縦にボールが)入って、前を向かれたら嫌だなというところで、落としてくれたところもあった。そこはJ1のチームでも100%うまくいっているかといったら、決してそうじゃない。そこは、藤枝であり、篤人が取り組んでいる段階だと思います。我々も今のこのメンバーで、カラーを作っていこうとしているところで、1点取ったら負けないチームになろうということは選手たちにも言っています。サイドから(クロスを)入れられても、マイナスにパスを入れられたとしても、寄せていれば、最後はGKが止められたよね、という自信づけになったゲームだったかなとは思います。ただし、できれば、その1つ前で防ぎたいですし、しっかりと前には立ちたいので、そこは確認していきたいと思いますね。あと、2トップ……裕一はケガ明けなので仕方がないところもあるのですが、もう少し体力をつけてもらわないとですね(苦笑)」
ーーもしよければ、お互いに、なぜ、あそこはこうしたのかという意見をぶつけてもらえると。
大石監督「なんで、このシステムにしたの? 3バックは……」
安永監督「だから、お前がいうとおり、1回、3バックは考えたよ。でも、急造で作っても、うちの3バックのスライドと……」
大石監督「でも、基本的には3バックで辻尾くんが上がってさ」
安永監督「でも、急造の3バックで、そっちの3バックと戦ったら、絶対にうちのほうがはがされると思ったんだよね。だったら、あえてミスマッチを作って、サイドは(攻められても)OKにして、(クロスを)入れさせたのを弾いてカウンター」
大石監督「だから、うち的には辻尾くんが上がってくれたほうが助かったかもしれない。結果的に平石(直人)が何もできなかったので。(辻尾が)下がってきて、左で選手たちがボールをつないでいたけど、これがまた徳永くんが気が利く。うちのコーチも21番は嫌ですねって言っていたら、案の定そこでやられたんだよね。まあ、あの4−1−3−2的なシステムで対応するってところで、うちは本当は3−4−1−2でやろうとしていた。岡根(直哉)くんが出るかどうかも、この前の試合は出ていなかったので、状況的には分からない。千明くんなのか、菊岡くんなのか。そこがもうちょっとつないでくるのかなって思っていたら、はっきりしてきたというところですよね」
安永監督「今日のうちの平均身長180cmはあったよね?」
大石監督「だから、(相模原は)180cmという意識がうちも高すぎて、相手のヘディングに付き合ってしまった。うちもまたヘディングして、またヘディングしてっというところで……」
安永監督「あれ、もうじき、相模原名物になるよ(笑)。観客がヘディングするたびに『ウェーイ』『ウェーイ』ってなってたからね」
大石監督「それは勝手に名物になってくれればいいけど(笑)。こっちには関係ないし(笑)」
安永監督「決めた。あれを相模原名物にしよう。(記者に向かって)良かったよね? ヘディングをするたびに観客が『ウェーイ』って言ってくれてさ」
大石監督「いつからバレーボールの競技になったんですか(笑)。途中から、うちもそこに気づいて、ボールを(足もとに)収めたんですけど、スリッピーだったので、浮いているボールの処理に時間が掛かってしまったところがありました。まあ、うちとやるときは、多くのチームがああやって戦ってくるので、そこを跳ね返さないといけない。今日はちょっと左サイドが機能しなかったかなと思います。得点を取られる前に、右サイドでぽんぽんぽんっとつながって崩したシーンがあったんですけど、あの数をもうちょっと増やせればと思います。相模原の経験豊かな選手たちはやっぱり、1点取られたらやっかいだなって思いました。うちも良い選手たちが集まってきていますけれど、J1経験者たちがいる中で最後の守り方とか体を張らなきゃいけないところは分かっているなって思います。うちが失点した場面にしても、あそこで飛び込まずに対応できると思うので、そこは帰って、まだまだ成長しろと。そんなに簡単には勝たせてくれないと、改めて思いましたね」
