SC相模原

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09-27-2015

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第16回9月27日「J3第31節vs富山戦マッチレポート」

2015明治安田生命J3リーグ第31節 2015年9月27日 13:00KICK OFF@相模原ギオンスタジアム SC相模原5−1カターレ富山 [得点] 相模原:4分タレス、23分井上平、32分曽我部慶太、85分成田恭輔、88分安藝正俊 富 山:77分村松知輝 201500927_MR_J331_01 |高原直泰、森勇介ら大黒柱が先発に復帰 敵将であるカターレ富山の澤入重雄監督は「眠っている間に」と言い表し、SC相模原の辛島啓珠監督は「エンジンが掛かる前に」と表現した。両指揮官が言及したのは、いずれも試合の立ち上がりのことである。すべては4分の先制点が勝敗を分けたと言えるだろう。 ミッドウィークに行われたJ3リーグ第30節のアウェイ、ガイナーレ鳥取戦でSC相模原は2−6の大敗を喫していた。今シーズン最多失点による敗戦は猛省すべき要素ではあるが、指揮官の辛島啓珠監督は、「前節は前がかりになった結果の大敗で、試合内容はそれほど悪くなかった」と話し、「この試合は全くの別物」と、中3日で迎えたホームでのカターレ富山戦に選手たちを送り出した。スタメンを4人入れ替えたSC相模原は、前線では第21節以来となるFW高原直泰が、右SBには第22節以来となる森勇介が起用された。 201500927_MR_J331_02 |試合を優位にしたタレスの先制点 試合は両指揮官がコメントしたキックオフ直後に動く。中央で前を向いたMF曽我部慶太がドリブルで仕掛けていく。DFを引きつけると、右に開いていたFWタレスへラストパスを送る。「トラップがうまくいった」とタレス本人もコメントしたように、ファーストタッチですべてが決まった。「フェイントでDFを交わしたときにシュートを打とうと決めた」と言うタレスは、GKの位置を冷静に見ると、右足を振り向く。それは開始4分での先制だった。 「富山がリトリートしてくるというのは分かっていたので、相手のエンジンが掛からないうちに得点できたことは良かった」と試合後に話した辛島監督は、攻撃に関しては「優先順位としては縦パスを入れていこうと。縦パスを入れて何かが起こることによって、相手が中央を締めてくると思うので、そうしたらサイドに展開していこう」との指示を与えていた。 先制点はまさにその縦パスから生まれたゴールであり、その後もSC相模原はタレスと高原の2トップに縦パスを入れることで、相手の守備網を突いた。前線でキープできる高原や最終ラインを安定させられる森が戻ってきたことで、SC相模原はテンポよくパスをつないでいく。そこには開始早々に失点したことでプランの狂った富山が前への意識を強めた背景もあった。前線からの連動した守備が緩くなり、結果的にSC相模原は間、間でパスを受けられるようになったのだ。トロとともに中盤の底を務めるMF北原毅之も「相手がプレッシャーを掛けてくるときと、掛けてこないときがあって、バラバラな感じは確かにあった。逆にそれが怖くもありましたけど、自分もフリーになれたり、DFもフリーになれたので、ボールを動かせている感覚はありました」と試合を振り返る。 201500927_MR_J331_03 |井上、曽我部が追加点を決めて3−0で折り返す チームとして、まず縦を意識してからの横を考えていたように、追加点はサイドから生まれた。23分、左サイドからのファーに上がったクロスに高原が懸命に走って追いつくと、ゴールラインぎりぎりで折り返す。これを中央でフリーになっていたMF井上平が右足でボレーシュートを決めた。 攻撃の手を緩めることのないSC相模原は32分にも3点目をたたき出す。トロから縦パスが入ると、前線でタレスが身体を張り、ポストプレーを成功させる。走り込んだ曽我部が受けると、そのままゴール前に侵入してゴールを決めた。1点目に続き、3点目をお膳立てしたタレスは「日本のサッカーは縦に速い。その中で自分の能力を活かすのであれば、くさびやポストプレーをしっかりこなすこと。まだミスはあるが、どんどんよくなってきている」と、自分のプレーにも手応えを示した。 201500927_MR_J331_04 |後半1失点も成田と安藝のゴールで5−1の大勝 前半のうちに3点をリードしたSC相模原は、後半に入ると、さすがに守備に回る時間帯も増えたが、それは追いつこうとする相手の状況を考えれば、想定できる展開でもあった。富山は、1トップを務めるFW苔口卓也へ縦パスやロングボールを狙い、DFラインの背後を突こうと狙ってきたが、先発復帰を果たしたDF安藝正俊と小谷祐喜を中心に防いだ。77分には、その苔口に右サイドからクロスを入れられると、途中出場した村松知輝に1点を返されたが、この失点で再びチームは緊張感を取り戻したとも言えるだろう。 試合終盤の85分には、井上に代わって途中出場した成田恭輔がグルージャ盛岡戦のゴールを彷彿とさせる豪快なミドルシュートを突き刺してリードを広げると、88分にはCKから安藝がJ3リーグ初ゴールとなるヘディングシュートを決めて5−1。大敗した後の大勝を飾り、嫌な流れを払拭した。 201500927_MR_J331_05 |チームの真価は首位・山口との試合で問われる 振り返れば、先制点と3点目は中央からで、2点目はサイドからだった。4点目はエリア外からで、ダメを推す5点目はセットプレーからだった。富山戦では、ありとあらゆる形から得点を決め、まさに快勝と言い表すにふさわしい勝利だった。 しかし、前述したように相手のプレッシャーが連動していなかったこともあり、前節、自分たちが大量失点を喫したように、相手が前がかりになった結果の大量得点でもある。それだけに手放しで喜ぶわけにはいかない。大事なのはこの試合内容を継続していくことにある。 第27節の途中出場以来、トロとともに中盤の底を務め、獅子奮迅の働きをしている北原も気を引き締める。 「相手うんぬんではなく、自分たちが勝つことが大事。立ち上がりの失点をなくせたというのはよかったと思いますが、次の試合が大事だと思います」 次節は首位・レノファ山口とアウェイで対戦する。この大勝が1試合だけのものなのか、それとも高原や森が復帰してメンバーが揃ったチームの実力なのかは、次節、分かることになる。今シーズンは連勝もあったが、7試合未勝利の時期が続くなど、チームは安定感に欠けている。シーズン終盤に来て、チームは真の強さを見せるのか。自分たちより上位のチームに勝つという使命は、まだ山口に対して完遂できていない。大勝の余韻に浸りつつも、次節が楽しみである。