MF/10 中山陸

--前節・FC琉球戦は、4-1での大勝になりましたが、振り返って。
1−0の試合が続いていた中で、前節は4点取れました。相手がそこまでいい状態じゃなかったというのもありますけど、自分たちがやってきたことを本当に全部出せた試合だったかなと思います。ただ序盤に危ない場面もあったし、正直スコアほど内容に差があったわけじゃない。だからこそ、どの試合もしっかり準備しないといけないです。
--1点目は中山選手がサイドに流れ、相手のCBを引きつけてできたスペースに、西山拓実選手が走り込み、PKを誘発していました。
サイドのローテーションや連動は、監督にずっと求められているところで、それをやらなければ試合には出られないと思っています。チームとして求められることをやりつつ、自分の良さも出していく。それがサッカー選手として当然やるべきことなので、その部分が得点チャンスにもつながったので、いい崩しができました。
--そして、自らも絡んだチャンスから得たPKを決め切りました。緊張はしましたか。
そうですね、久々だったんで。でも練習では何回かやってましたし、チームでも一番手として指名してもらっていたので、蹴る覚悟はできていました。それなのにラファが『俺が蹴る』とボールを取りに来たんですけど(笑)。そこは譲れなかったです。
可能性がある限りは目指したいというのが一番にあります。相手の奈良については、富山時代の監督のヘッドコーチだった方なので、なんとなく“つなぐサッカー”をしてくるのかなと予想しています。ただ、相手がどうこうというより、自分たちが練習してきたことをしっかり出せればいいと思っています。
--琉球戦は、ミラーゲームとなりプレスの強度やスピードで上回ったところから、後半はズレをつくられて失点しました。次の奈良クラブもフォーメーションが[4-4-2]の可能性があり、パスワークも上手い相手だと思いますが、どう対応していきたいですか。
ちょうど今日の練習でも、ズレをつくられた時の守備のトレーニングをしました。実際どうなるかは試合が始まってみないと分からないですけど、守備のイメージはつかめていると思います。あとは試合になったときに、練習でやってきたことをしっかり出したいなと思っています。
FW/11 武藤雄樹

--4勝1分で5戦負けなしの今のチーム状況をどう見ていますか。
もともと、前への狙いやシュートの意識は年間を通しての課題としてあって、そこに対して取り組んではいました。ただ今は、監督からその部分をより強く意識付けされていて、“前へ、前へ。チャンスがあればシュート”というのをすごく言われています。その分、選手自身も迷いなくプレーできるようになってきたと思いますし、中途半端な失い方もほとんどなくなってきた。前でプレーする、相手の嫌がる場所にボールを運ぶというところは、かなりはっきりしてきたと感じています。
--松本山雅FC戦から、前向きな守備で奪ってどんどん縦に速く攻め込む形が増えていますよね。
シーズンのスタートは、ボールを大事にしたいという意識が強かったんですけど、なかなかうまくいかなくて。この5試合より前から監督も“もっと前へ”という話はしていたんですが、どうしてもボールをつなぎたがってしまうところがあって、そこでリズムを失う場面もありました。でも今はそういう部分がほとんどなくて、より前に運ぶ意識が出せていると思います。その意識がある分、セカンドボールへの反応も早くなりますし、ポジショニングも変わってくる。そういった統一感が出てきたことで、チームとして迷いなくプレーできるようになってきたように感じます。
--迷いがなくなって「これで勝つんだ」という方向づけができている?
そうですね。チームの目的はやっぱり“勝つこと”なので、今勝つためにはこうした方がいいという監督の考えがあると思います。選手としては、ようやくそこにうまく反応できるようになってきたというのが正直なところですし、その適応がこの5試合の結果につながっていると感じます。監督が今しっかり道を示してくれているので、その方向に選手がうまく合わせてプレーできていることが、結果につながっている要因だと思います。
--武藤選手としては、やり方が以前とは変わった中で、どんなプレーを意識していきたいですか。
前へ、前へという意識は強い中で、前線で言えば今、杉本(蓮)が中心になってチームを引っ張ってくれていると思います。僕自身も、ボールを持った時に相手が嫌がるような怖さを出すプレーをしていきたいです。ボールを前に運べば運ぶほどゴール前のシーンは増えてくるので、その勝負どころでは負けたくない。高知戦のように、一発のチャンスをしっかり沈められるように、チャンスが来た時に備えて準備していきたいです。
--次の奈良クラブは、前節の琉球のようにボールをつなぐ意識の強いチームです。同じようにプレス強度などで押し込みたいという狙いもあると思いますが、より気をつけたいことは?
この間の琉球戦は、外から見ていても相手がボールを持つ中で、僕たちのプレッシャーやセカンドボールの球際でほとんど勝てていたと思います。前に圧をかけて上回れたことで、ああいう結果につながりましたし、シュートもかなり多かったので、あれだけチャンスを作れればゴールは決められると証明できたと思います。あとは、どれだけ自分たちでゴール前にボールを運ぶ回数を増やせるか。次の相手は、もう少し精度高くつないでくる可能性もあるので、より高い守備意識を持って前からプレッシャーをかけ、ショートカウンターから多くチャンスを作れれば、また同じように良い結果が出るんじゃないかなと思います。
--J2プレーオフ出場は、数字上可能性が残っています。残り2試合をどう戦いたいですか。
すごく難しい状況ではありますけど、数字上可能性が残っている以上、結果を求めて自信を持って戦いたいですし、今やれていることを続けていけば、1試合ごとの結果にもつながると思います。もしかしたら何か奇跡が起こるかもしれないという可能性を信じながら、最大限のパフォーマンスを見せたいです。
プレーオフどうこうは、この1、2試合ではなく年間の結果で決まるものなので、“あの試合を勝っていれば”とここ数試合を振り返っても仕方がない。年間で足りなかったからこそ今の順位にいるという悔しさはありますが、サポーターも同じ思いを抱えている分、残り2試合をいい気持ちで終えてもらえるように、最高のパフォーマンスをチーム全員で見せたいと思います。



