《試合結果》
福島ユナイテッッドFC 2-3 SC相模原
【得点】
10' 塩浜遼(福島ユナイテッッドFC)
14' 橋本陸(SC相模原)
28' 武藤雄樹(SC相模原)
40' 武藤雄樹(SC相模原)
61' 大関友翔(福島ユナイテッッドFC)
■Jリーグ公式ホームページ試合結果
https://www.jleague.jp/match/j3/2024/102710/live/#live
シュタルフ悠紀リヒャルト監督
--試合の総括をお願いします。
後半は寿命が縮むような思いで見ていましたけど、最後に勝ち点3をしっかりと握って相模原へ帰れることを非常に嬉しく思います。前半はスコア上は非常に良く、やろうとしていたプランもすごくハマっていたと思います。最初の失点シーンも自分たちのロストからで、(攻撃面も)強いて言えば、もっと勇気を出していれば得点チャンスをもっと作れたと思いますし、決め切れる部分もありました。100点ではないですけど、非常にいい前半でした。
後半は苦しい時間が長かったですけど、途中出場の選手たちが入って少し盛り返し、守備ラインをしっかりと上げることができました。(判定によって決まらなかった田代真一選手の)4点目も僕のところからはクリーンなボールに見えましたし、取れて良かったなと思います。厳しい戦いが毎週続くので、今日はしっかり喜んで、帰って映像を見て振り返って、次はホームで戦えるのでサガミスタと共に今季初の3連勝を取れるよういい準備をしたいなと思います。
--前半10分に先制されながらも、すぐに追いつき、逆転へと至りました。用意していたプランと攻撃面の手応えを教えてください。
失点はここ最近続いている我々の良くない部分からで、非常にイージーな失点だったと思います。崩されていなくてもああやってゴールを割られてしまうと、非常に苦しい入りになってしまいます。福島さんはいい入りができていたとは思わないですけど、自分たちで自分たちの首を絞めるような失点だったのかなと思います。2失点目も、遮断しないといけない失点でした。
そこは置いておいて、プランについては詳細に語ると福島さんに申し訳ないので話せないですけど、中央を使って攻めてくる特長がある福島さんに対して守備の形を少し変えて、前半は高い位置からの守備がかなり効果的になっていました。得点シーンも、1点はセットプレーからでしたけど今週何度も練習してきた形からでした。相手の守備の穴を突いて、最後にヒットして、という準備してきたものを選手たちはよく出してくれたなと思います。
--ハーフタイムに選手を一人代えた理由と、吉武莉央選手がここに来て抜擢されましたが彼に期待したことをそれぞれ教えてください。
選手を交代する時はチームをより良くしたい時なので、前半を終えて3-1で勝っていましたけど、先ほども言ったようにもっと痛いところを突けたかなという印象もあります。
交代したのは福井和樹で、特に悪かったわけではありませんけど、少しゲームに入れていなかったというか、周りとのコンビネーションで福井の良さが全部出し切れていなかったかなと思ったので、同じようなタスクを吉武に与えて後半はいこうと考えていました。福井は左利きで、吉武は右利きで、相手の守備の盲点を突く右サイドのポジションチェンジも前半の45分で相手は多少慣れてくるかなと思い、開始から違う選手を入れて、つかみづらさを求めて吉武を起用しました。
抜擢とおっしゃりますけど、みなさんの見えないところで選手は毎週毎週ふるいにかけられて、いい競争が生まれています。監督は勝つために一番いい18人を毎週選ばないといけない難しい判断を強いられる職業なんですけど、その中で吉武は悪かったから選ばれていなかったわけではありません。より勝利のために必要だと思われる18人がいただけであって、今週に関してはその18人に名前が入ったので、こうして帯同しました。
パフォーマンスも非常に落ち着いていて良かったと思いますし、本人も久々のゲームでもっと出たい気持ちになったと思います。また次に向けて1週間、競争を頑張ってほしいなと思います。
--前節、中央を割らせて失点を喫してしまいましたが今節は真ん中を使わせず粘り切ることも大きな収穫だったように感じます。次に試合に向けてもポジティブな勝ち点3だったのでは?
2失点しているので、すべてがよかったわけではないですけども、ゴールチャンスをたくさん作れるというのはある程度想定できた中で、ちゃんと3点を取ることができて勝ちに繋がりました。私はシーズン途中からの就任ですけど、相模原は守備に定評のあるチームだったと思います。
やはりゲームを勝ち切るには攻撃のパンチ力も必要になります。3点を取ったゲームは久しぶりですし、選手は自信にしてほしい。田代のゴールが決まっていれば4回ゴールネットを揺らせています。そういったところも含めて、攻撃は自信を持って、守備に関しては課題に向き合って富山戦に向かいたい。攻撃ばかりやると守備が悪くなって、守備ばかりやると攻撃が悪くなるので難しいところではありますけど(笑)、そこのバランスを微調整しつつ、いい状態で次のゲームを迎えられるよう、また1週間準備したいなと思います。
シュタルフ悠紀リヒャルト監督記者会見のコメント全編はYouTubeで公開中!
https://www.youtube.com/watch?v=rq6t624frF0
FW/11 武藤雄樹
--前節は2アシスト、今節は2ゴールで勝利に貢献しました。
ここに来て早く結果がほしいと思っていました。前節2アシストをして勝利に貢献できたことで、今日は自信を持ってピッチに入れたと思います。ゴールが生まれてさらにノっていけるんじゃないかと感じています。
--前節と同じ配置での出場でしたが、手応えはどうでしたか?
個人的に今日はゴールを決められたことはすごく良かったですけど、プレーの内容は良くなかった。もっともっとボールを引き出したり、ボールを落ち着かせることもできたと思いますし、少しミスが多かったかなと思っています。ただ、チームとしては前からプレッシャーをかけることで福島のポゼッションを特に前半はやらせなかったし、それが今日の前半の3点に繋がったと思います。
後半は少し前からいけなくなってしまったので難しくなりましたけど、交代して入った選手がまたもう一度前からいくことでチームが再び力を取り戻したと思います。全員が一体となって勝てた試合でした。
--相模原での初ゴールとなった1点目をまずは振り返ってください。
瀬沼(優司)がボールをかっさらうような感じで奪い、カウンター気味に攻撃が始まったと思いますけど、僕も狙って(ゴール前まで)走り出していました。そんな中で相手にボールが当たったり、ちょっとラッキーなところはありましたけど、強引にでもシュートを打っていきたいと思っていたので、その姿勢がゴールに繋がったのかなと思います。
--一瞬入らなかったかなと思いましたが、なんとか決まったというゴールでしたね。
はい(笑)。相手に当たってポストに当たって、GKに当たって入るというキレイなゴールではなかったですけど、ゴールはゴールなので。相模原での初ゴールということで、僕にとってはすごく嬉しい、思い出に残るものになりました。
--40分にはCKからでもゴールを決めました。
練習からニアのボールを逸らすというのを狙っていて、うまくボールが来てかすったような形からでした。かすったことでなにか起きたらいいなと思っていたら、ああやってゴールに入ってくれました。2点ともラッキーな形でしたけど、結果に繋がって本当に良かったと思います。質の高いボールを上げてくれた(植田)啓太には感謝したいですね。
--加入からしばらくはシュートもなく、もどかしい思いをしていた中で今日は強引にシュートを打つ場面もあり、ポジティブな試合になったのでは?
今はチームが前向きにプレーすることが増えてきていると思います。ディフェンスも前からいけていることで前でボールを取れていると思いますし、ボールを握る試合も僕が来た当初より増えてきたと思います。僕自身も前でボールを受ける機会は増えてきましたし、その機会を増やして、そこからのクオリティを出せたらいいなと思っています。今は結果も出せてきているので、すごくいい感じになってきています。
--終盤はヒヤヒヤする中でも守り切ることができ、次節のカターレ富山戦に向けても勢いが増すのでは?
僕が入ってきてからは、あそこで守り切れない試合が多かったので、今日守り切れたことがみんなの自信になると思います。僕が出ていた時間帯はどんどん押し込まれ「ずるずる下がってしまって、ずっと守り切るのはキツイな」と思っていましたけど、交代選手がもう一度前に力を出して、勇気を持ってプレッシャーをかけにいってくれました。それが一番の勝因だと思います。みんなが一体となって戦えました。
一戦一戦落とせないので、すごく難しいですけど、この雰囲気を楽しみたいと思っています。僕自身、いろんな経験をしてきたと思っているので、そういった試合でこそより落ち着いてチームに力を与えたいなと思っています。
DF/8 橋本陸
--出場停止明けで古巣・福島とのシックスポイントマッチにどんな気持ちで臨みましたか?
古巣ということもあって、いつも以上にモチベーションは高かったですけど、練習でやってきたことを出す、やることをしっかりやるということを徹底して試合に臨みました。
--開始10分に先制点を許してしまったものの、14分に橋本選手のゴールで流れをリセットすることができました。
あのゴールは練習通りの形で、相手は4バックなのでウイングとウイングの関係性が大事になってくると言われていて、それがイメージ通りになったなと思います。
--前々節のFC琉球戦は橋本陸→田中陸でゴールが生まれました。
あれは試合前からウイングバック同士お互いでコミュニケーションを取っていて、「絶対に内側に入ってこいよ」という共通認識を持っていたので。琉球戦でのお返しのクロスをもらえたかなと思います。
--ただゴール後は喜びを表すことはありませんでしたね。
そうですね。福島には3年間お世話になって、大好きなクラブですし、自分の成長した姿を見せることができたかなと思います。
--その後、さらに2点を追加して3-1で試合を折り返しました。前半戦をどのように振り返りますか?
1失点目は自分たちのミスからですけど、左サイドは武藤さんと僕でいい関係性も作れていました。裏のボールもどんどん入れられていたので、いい手応えもありました。それがCKや武藤さんのゴールに繋がって逆転できたかなと思います。
--後半は守勢に回る時間が長かったですが、振り返っていかがですか?
相手のうまさや攻撃の怖さに対して、自分たちが引いてしまう時間が多くなり追加点を取られてしまいました。そこからスタッフも含めチーム全体で話して、もう一度前半のようにプレスをかけ直すことができて、そうすると相手も(大きく)蹴ってくれますし、粘り強く守るというのも自分たちの強みではあるので、それを発揮することができました。
--押し込まれながらも、同点弾を許さなかった粘り強さも発揮できたように見えましたが。
練習から球際や身体を張ることは徹底しようと話していて、何シーンかはゆるいシーンが出てしまいましたけど、守るところは守れていたので、良かったかなと思います。
--終盤に相手にゴールを許してしまう試合が続いたこともありましたが、相模原にまた堅守が戻ってきた感触は?
夏の悪い時期だったら、2点目を取られた後に3点目、4点目と取られてしまっていたと思います。その意味では改善できたかなと思います。
--シックスポイントマッチを制して、順位をまた上げることができましたが、今後に向けてはいかがですか?
まだまだ昇格プレーオフを狙える順位ではあるけど、周りを見ても混戦状態なので1試合でも落としてしまうと厳しい戦いになってしまいます。この2連勝した流れを継続して3連勝、4連勝としていい形でシーズンを終えられるよう頑張りたいと思います。
MF/13 吉武莉央
--後半の頭から、6月16日の第17節・FC今治戦以来の出場になりました。試合に出る際の気持ちと与えられた役割を教えてください。
後半の頭から出るとは正直思っていなくて、ちょっとびっくりはしましたけど、いつ呼ばれてもいいように普段の練習からずっと準備をしてきたので自信を持って試合に入りました。役割は、守備のところを監督からメインに言われていて、攻撃はゴール前で自分のアイデアをどんどん出してほしいと言われていました。それは自分の特長でもあるので、どんどん出していこうと思ってプレーしていました。
--相手を剥がしてクサビをつけようとしたシーンもありました。感触はどうでしたか?
でも、自分みたいな選手はああいうパスを通さないといけません。失ってカウンターを受けて、また守備の時間に回るというのは今後の自分の課題ではあるかなと思います。
--ディフェンス面については、いかがですか?
福島はパスワークやドリブルで中央から侵入してこようとする相手だったので、誰にマークをつくのか、誰にプレスにいくのかという迷いが少しありました。ただ、そこは中の選手で声をかけながらできたので、そこはすごく助かりました。
--4カ月以上公式戦から遠ざかり、その間に監督交代もありました。どんな気持ちで毎日を過ごしていましたか?
今までのサッカー人生でここまで試合に出られないことがなかったので、最初はメンタル的に難しい部分がありました。練習中もちょっと気が抜けているような時期もありましたけど、(長谷川)雄志くんや周りの選手、スタッフがよく声をかけてくれたので腐らずやれていました。
--言われて印象に残っている言葉とかはありますか?
特にはないですけど、家族は自分が試合に出ていなくてもすごく応援してくれているのが伝わってきました。そこが一番ですね。活躍しているところを見せたいという気持ちでいました。
--吉武選手のような存在がチームに活気をもたらすように感じますが、今後に向けてはいかがですか?
今日がラストチャンスだと思って試合に臨みました。結果を残せれば良かったですけど、それは次の試合に向けて来週の練習からまた競争していければなと思います。順位も順位ですし、点を取って、いいとこどりしていきたいですね。これからも、雑草魂でやっていきます。