《試合結果》
SC相模原 0-3 ギラヴァンツ北九州
【得点】
47'高昇辰(ギラヴァンツ北九州)
72'永井龍(ギラヴァンツ北九州)
80'井澤春輝(ギラヴァンツ北九州)
■Jリーグ公式ホームページ試合結果
https://www.jleague.jp/match/j3/2024/100608/live/#live
シュタルフ悠紀リヒャルト監督
--試合の総括をお願いします。
J2昇格に向けて非常に大事な一戦だったので、多くの言葉をここで言う必要はないと思います。僕らはもう大きな大きな、大事な大事な北九州戦に0-3というかなりハッキリとしたスコアで敗れてしまったので、このままのパフォーマンスではダメだということを突きつけられたゲームだったと思いますし、応援してくれたサガミスタには非常に申し訳ないゲームになってしまったなというところです。
ただ、今季のJ3はまだまだこういった決勝戦が続くので、脱落しないように1週間、士気を高めて競争を促して、また次に復活を遂げられるよう良い準備をして、次は期待に応えられるように頑張っていきたいなと思います。
--今日の試合は田代真一選手が累積警告で出場できず、3バックの中央に加藤大育選手、右WBに綿引康選手を起用しましたが、北九州を相手にどのようなゲームプランを考えていましたか?
ホームですし、勝つためにしっかりとアグレッシブに相手のパスの出し所を抑えていって、ボール保持時はスピード感を持った攻撃で、両サイドや中央を突破してチャンスを作ることを目指していたゲームでした。
前半を見れば、それほど悪いゲームではなかったと思います。ジャッジのところで、三浦(基瑛)の接触のところはラッキーなのかどうかはまだ映像を見ていないのでわからないです。接触はあったと思うのですが、しっかりと副審がそれを見ててくれて、そこでコミュニケーションが取られてという光景は今までJ3であまり見られませんでした。一度命拾いした前半で、惜しいシーンも作ることができたオープンな上位争いにふさわしい前半だったのかなと思います。ただ結果としては、PKや綿引の退場があり、昇格をするチームはこういった大一番でそういうゲームをしないと思います。
そこは僕らの若さというのか、経験のなさなのかわからないですが、1失点目も全く失点するようなシチュエーションではなかったと思いますし、ロングボールに対してヘディングで3回ぐらい突いて、2人の選手がどちらもいききれず、最後に押し込まれる、1対4ぐらいのシチュエーションだと思うのですが、ああいう失点はやっぱり絶対あってはならない失点です。
2失点目も、(PKを与える前のシーンでは)死角から相手が入ってきたとはいえ、ペナルティエリア内でああやって相手を蹴ってしまうのは本当にもったいなかった。その後、イエローをもらっている選手が退場してしまい、自分たちの首をどんどん絞めていきました。
今日は北九州さんに負けましたが、サガミスタの期待に応えたいという気持ちで本当にいい準備もしたし、選手たちも本当に気持ちは高ぶっていたと思うので、それが少し裏目に出たというのか、から回ってしまったというのか。冷静な判断を欠いてしまうシーンだったり、そういったことになってしまったので。最後は10人でも頑張って走ってはいましたけれども、せっかく奪ったボールの後の簡単なパスミスだったり焦りだったりは、 もう少し冷静にできればよかった。10人でも1点を返して、もう1回コンパクトに守って、時間は短かったですけど、もう1点を返してみたいなところに持っていかないといけない。それが現状、僕らにはできなかった。そういう学びをたくさん与えてくれるゲームでした。
シュタルフ悠紀リヒャルト監督記者会見のコメント全編はYouTubeで公開中!
https://youtu.be/nCap6lPPgO0?feature=shared
DF/2 加藤大育
--試合を振り返って、どんな心境でしょうか?
前半は無失点で抑えられて、後半も入りから集中していこうという中での立ち上がりの失点でした。自分たちで試合を難しくしてしまったなという感じです。
--前半、前からのプレスがそこまで強くいけてませんでしたが、後半の頭から修正を施したように見えました。
そうですね。FWが前に出て、そこからズレていったところで逆サイドに展開されてというところだったので。でも、最後の際のところやゴール前のところで自分にもっとできるところはあったんじゃないかとは思います。
--前節は右CBで久しぶりに復帰して、今節は田代真一選手が累積警告による出場停止で出られずCBの中央を務めました。ディフェンスラインをコントロールするという役割に関してはいかがでしたか?
いつもマサさんがやっているポジションを自分がやるということで、大きな責任を感じながらやっていました。前から(プレスに)いく分、裏のケアが自分の特長でもあるので、そういうところは出せていましたけど、ディフェンスとしては無失点で終えられないと自分の価値も上げられません。ラインコントロールやプレスへいくところといかないところの声かけは、もっとリーダーシップを取っていかないといけないなと思います。
--前半は前からいけている感触があったのか、後ろで構える時間が長くなっていたのか。どのように感じていますか?
後ろで構える時間が長くなったのはありますけど、そこまで相手にチャンスはできていなかったと思いました。そこは全然自分のペースでできていたところではあったので、後半も続けていこうという話でしたけど、前からいくことも重要なので、点を取るためにも後ろで構えていては前に前進できません。そこは修正をしたところでちょっとしたズレができてしまったなと思います。
--ビルドアップの面では、加藤選手から岩上祐三選手へ縦パスが入って左サイドに繋がるというシーンもありましたが。
自分は真ん中でボールを持って縦パスを入れることができました。監督が交代していろんなポジションをやる中で、ビルドアップ能力も自分の中で徐々に身についた感覚はあります。そこでもっともっと中盤の選手もFWの選手への縦パスを入れられたらと思っています。
--ただ3失点目は、加藤選手の縦パスが相手にカットされて受けた攻撃からでした。あの場面は前にいこうとした結果、起きてしまったのでしょうか?
相手が前がかりになっているのが見えて、間に(植田)啓太がいたのが見えて、啓太も相手が死角になってボールが見えなかったと話していて、ボールが見えていればあそこで3枚か4枚を一気に置き去りにできたシーンではありましたけど、自分の技術ミスと啓太との連係がまだまだ足りなかったというか……。もっともっと練習で合わせていかないといけないなと思います。
FW/66 栗原イブラヒムジュニア
--約3カ月ぶりの出場となりました。80分に、0-2という状況でどんなことを考えてピッチに立ちましたか?
自分が出る時は得点がほしい時。負けていようが勝っていようが、得点を奪いにいくことは変わらずやっていこうと。チームとしても前からいかないといけないので、パワーを持って入っていこうとベンチから気持ちを作っていました。でも、終わってみれば0-3ということで非常に悔しい結果になってしまいました。
自分が入った直後に3点目が入ってしまって、セヌくん(瀬沼優司)も隣にいて「もう一度前からいくぞ」と声をかけて、その後に退場者も出てさらに苦しくなってしまいましたけど、そこからも死に物狂いでなにがなんでもこの状況を打開するというところで、10人だけどまったく引かず前からいきました。(プレスを)外されることはありましたけど、それでも走り続けてゴールに迫るチャンスも1、2回作ることができました。小さいことかもしれないですけど、全部がネガティブではなかったと思います。
--栗原選手自身のプレーの感触はいかがですか?
10人になってからは後ろもボールを取ったら前へ、アバウトなボールをたくさん蹴って、それをなんとか自分でマイボールにしたり味方に繋げたりヘディングを逸らしたりというところでは、半分くらい味方に繋ぐことができました。いつも練習や練習試合でやっているような鋭いクサビや、背後へのアクションを起こしてそこにピッタリとボールが合うという状況はなかなか作れなかったんですけど、自分として「これは頼む!」という(決定機の手前になるような)プレーを何個か出せたんじゃないかという印象はあります。
--夏に同じポジションの武藤雄樹選手や棚橋尭士選手が加わって、瀬沼選手が調子を上げる一方で、栗原選手も負けじと良いアピールをして今回の出場機会を勝ち取りました。
FWが調子良かったり、チームが勝ち続けている時は控えのFWは自信を失いがちですけど、自分の考え方は違って「やるしかない」という思いだけでした。それが練習試合という自分を表現する機会ではここ3試合で3得点を取れていますし、そこで自分の存在意義を見せ続けた結果、こうやってチャンスが訪れて、今日はなかなか結果を出せませんでしたけど、自分としてはやり続けるだけ。今日、結果が出たか、出ないかは関係なく次の試合はまた来ます。次のFC琉球戦では、チームとしても歯を食いしばって結果を手にしたいところだし、自分も結果がものすごくほしいと思っています。試合に出られる保証はないですけど、それを必ずつかみ取るために、自分たちは練習から100%を出していきたいですね。
--厳しい競争がチーム力を上げて、昇格へ向けて前進させていくと思います。
相模原は昇格を目指している中で今日の黒星は本当に痛かったですけど、まだ7試合あって昇格プレーオフ圏内のチームとの直接対決もまだ残されています。自分もポジションを奪うつもりで残りの試合を戦い抜かなければいけないですし、自分にとってもチームにとっても、これからの未来を変えるチャンスだとも思っています。自分たちの手でそういったものをつかみたいですし、後悔のないように残りのシーズンを終えたい気持ちが強いです。
MF/27 西山拓実
--2カ月ぶりにピッチに立ちましたが、どんな思いだったのでしょうか?
久しぶりの試合で、しかもチームの状況としてもすごく大一番でした。個人としても残りのシーズンの自分の立ち位置も今日の試合で決まるし、ここで自分がやらなかったら、もう出番はないと思っていました。出番がなくなってしまったら、本当に自分のサッカー人生が変わってしまうので、今日は自分のすべてを懸けていました。
--そういう中、どういう思いで日々の練習やトレーニングマッチに取り組んできましたか?
ベクトルを外に向けないことは自分の中で意識していて、(コーチングスタッフの高橋)健二さん、ミズさん(水本裕貴)、(長谷川)友己さんとは喋る機会が多かったです。コミュニケーションを取ってもらっている中でも自分を見失うようなことがありましたけど、「自分の良さに対して自信を持ってやり続けろ」というのをすごく言われていました。前向きにずっと取り組めていたわけじゃないですけど、個人的には自分を信じてやり続けようと思ってやっていました。
--前監督の時はゲームキャプテンを務めることもありましたが、試合に出られなくなり、1人の選手としては難しい状況だったと思います。
自分自身はプロ2年目で、今季は絶対にステップアップをしたいと思った中で、前半戦はうまく試合にも絡めていたんですけど、この世界ではそういうことはよくあることだと思います。言い訳する材料としてはすごくあったと思いますけど、そこには目を向けないようにと思ってやっていました。
--なかなか試合に絡めなかった福井和樹選手が今は試合に出るようになりました。立ち位置が変わっても、もう一度また盛り返していく選手の存在は刺激になっているのかなと思いますが。
もちろんです。(前田)泰良もこの前に試合に出て、自分にも絶対にチャンスが回ってくると、そういう選手を見ていて思っていました。前半戦からずっと一緒にやってきたメンバーの活躍は悔しいけど、うれしさもあったし、最後にこのチームを救うのはずっとこのチームでいろいろな経験をしてきた選手だと思っています。自分もやってやろうと思っています。
--そんな思いを持った試合で、岩上選手と代わってアンカーに入りました。どういうプレーをしようと思っていましたか?
負けていたので点は取りにいきたかったんですけど、監督ともコミュニケーションを取っているなかで、「相手の攻撃を全部潰してほしい、スペースも全部自分がカバーして、走れない選手の分も走ってほしい」というのは、この2日前くらいに少し話した時にもすごくプレッシャーのある言葉で言われました。
--難しい展開になりましたが、自分のプレーを表現できましたか?
チームの結果がすべてなので良かったとは言えないですけど、自分の良さが出たシーンもあったと思います。見え方はあまり良くなかったと思うんですけど、イエローカードをもらったシーンは、あそこで自分が止めていなかったら、さらに失点をしてゲームはそこで終わっていたと思うし、そうなったら自分の責任です。そういうところで自分の思いじゃないですけど、プロとしての仕事はできていたかなと思います。
--次に出る確率を考えたら、あそこで引っ掛けなかった方が良かったかもしれないけど、西山選手はこの試合で結果を残さなきゃいけないという思いがあったからこそ、あそこで止めたのですね。
後先を考えるのではなく、本当にこの試合しか自分はないと思っていたんで、ああいうプレーを選びました。
--チームがうまくいっていない状況は苦しいですけど、今まで出場機会のなかった選手にとってチャンスになると思います。ここからどういうふうに試合に絡んでいきたいですか?
今日はピッチに立てたんですけど、毎試合ピッチに立つために、まずは練習から表現しないといけないし、それでピッチに立てるなら、その自分の良さをプレーで表現したい。あとはチームが勝つことが全てなので、そこにどれだけ自分が貢献できるかということが大事だと思います。
--エネルギーを持ってやっている選手がラストは大事になっていると思いますし、相模原のエンブレムにプライドを持っている選手の存在が大事になってくると思います。
そうですね。自分はあまりサッカー中に仲いいとか、情がまったくないので、別に誰が出ていなくてもあまりなんとも思わないけど、積み上げてきたものに意味がなかったというのは、すごく嫌なので。勝てなかった時期にも積み上げてやってきたものが正しかったというか、間違っていなかったというのを証明したい。だからこそ、自分もそうですけど、昨季から苦しい経験をしたメンバーが最後はピッチに立って、このチームを助けたいっていうのはすごくあります。
----入場ゲートでマッチデープログラムを配っていることもありました。悔しい気持ちもあったのでは?
もちろん、それをやっている時は悔しさはありましたけど、今までそういうことをする機会もなかったし、(サポーターと)触れ合う機会は、公開練習での限られた人とだけなので。
すごく自分を応援してくれている人がいて、「待っているね」とか「試合に出てね」と言われるのはやっぱりうれしかったし、「ピッチに立ちたいな」という思いを強くしていました。
本当にありがたかったですし、(入場ゲートでマッチデープログラムを配布することは)しない方がいいかもしれないですけど、そうやって応援してくれてる人がいるんだなというのは、試合出ている時より感じられる瞬間ではありました。個人、個人で声を掛けてくれることはすごくうれしかったです。