《試合結果》
SC相模原 1-0 アスルクラロ沼津
【得点】
76' 植田啓太(SC相模原)
■Jリーグ公式ホームページ試合結果
https://www.jleague.jp/match/j3/2024/071307/live/#live
シュタルフ悠紀監督
--試合を振り返って。
夢中だったので細かいことを覚えていないんですけど、ホームで勝ててよかったと思います。前期で負けている2位のチームが相手で、試合前のインタビューでは「今季ホームでは負けていないんですよ」とプレッシャーをしっかりとかけられましたけど、選手たちは粘り強い守備を見せてGKを含めた守備陣の頑張りと、運もちょっとあってクリーンシートに抑えて勝つために必要な最低限の1点をもぎ取って勝てたことは本当に素晴らしかった。
サガミスタの応援もすごく聞こえてくるし、すごくポジティブな雰囲気を作ってくれた。押し込まれていた時間も後ろにはサガミスタがついてくれていたので、みんなの声でなんとか守ってくれたんじゃないかと思いますし、いい勝利だったと思います。課題はたくさんありますけど、それを洗い出して、次までにまた強くなれるようみんなでやっていきたいです。
--アスルクラロ沼津に対して、どんな対策をして今日の試合に臨みましたか?
全部は明かせないですけど、ポゼッションが非常に得意なチームで流動的にポジションを取ってくるチームでアタッカーも流動的に動いて個人技に長けて1on1のスキルも高いチームなので、守備に関してはそこをやらせないようにしていました。中盤の配置も少し変えて、プレッシングの形も整理して臨んだのですが、ポゼッション型のチームは失った時の形によってはカウンターを打ちやすいので、そういったところで仕留めるプランではありました。幾度か良いカウンターを打てたと思いますけど、なかなか得点につながらなかった。ゴールは、(植田)啓太がよくやってくれましたけど、奪いどころで奪って素早くたたみ込むような攻撃を見せられたんじゃないかと思います。
--沼津は持井響太選手を起点に攻撃をしてきましたが、そこの管理がとてもうまくいってたように見えました。
特に前半はいい守備ができていたんじゃないかと思います。後半に入って僕も攻撃的なカードを切って攻撃的な選手が入ると守備的な選手と比べればスペースを相手にも与えるような状況になりますし、そこは賭けの部分でもありましたけど、攻撃的な選手を入れた後に彼のところを起点に何本かチャンスを作られたり、間のスペースを使われたりクロスがすり抜けて危なかったシーンや田代(真一)が“スーパーセーブ”をしてくれた場面など、いろいろありました。基本的にスタートの段階では、全員でいい守備をまとまって助け合いながらやってくれたと思います。
--植田啓太選手が移籍後初出場で初ゴールと、見事監督の期待に応えたと思います。彼に与えたタスクや送り出す前にかけた言葉はどんなものがありましたか?
後から言ってるだけだろと思われそうですけど、練習の最終日の調整の日にすごくゴールを取ってくれそうな感覚を僕は感じて、送り出す時も「今日、ここでお前が点を取ってサポーターの心をつかむんだ」と伝えました。たくさん喋る性格の子じゃないので、ここで結果を一つもたらすことで一気にチームに溶け込めるし、みんなの輪に入っていけるとも思うし、今後出場機会をそうやってつかんでいかないといけないというところで、攻撃のセンスをしっかり発揮してほしかった。課題として本人ともコミュニケーションを取っている部分に関してはしっかり自分で修正していけるようにしてほしいですけど、いい活躍をしてくれて最高に嬉しいです。
--シュタルフ監督が就任して以降、守備の堅さがより増しているようにも見えますが、なにか変化を加えた部分はあるのでしょうか?
守備の連動性に着眼しています。最後まで粘るとか、足を出す、体を張るといった個の部分は元々あったと思いますけど、誰かが(プレスに)出た時の空いたスペースの埋め方だったり次の選手のスライドという、組織の部分では我々はJ3なので伸び代は当然たくさんあります。すべてが100点満点ではないので、そこを少し練習でもアプローチをかけていたのがある程度の成果にもなっていると思います。この3ゲーム、田代の存在も大きいと思いますし、声を出して後ろでまとめてくれて、ああやって自分で体を張って守ってくれる。
あとは練習からすごくいい競争が生まれています。新しい監督が来るとみんなギラつくので、それでいい競争が生まれていい練習ができていることがゲームにも表れていると思います。みんなのギラつきを消さずに競争を続けながら最後までかけ抜けたいと思っています。
--試合後のファミリアはいかがでしたか?
最高でしたね。アウェイでも初めてそれを見ましたけど、ホームはサポーターも多いですし、一体感を持ってやれました。ファミリアは「家族」という意味だと思いますけど、家族のように温かいゴール裏がすごく好きなので、これからもたくさんできるように頑張りたいなと思います。
シュタルフ悠紀監督記者会見のコメント全編はYouTubeで公開中!
https://www.youtube.com/watch?v=jvHSckLPhJA
MF/16 高野遼
--2位・アスルクラロ沼津との大事な試合で勝ち切ることができましたが、振り返っていかがですか?
沼津は前期での試合は結構ボールを持たれて苦しいイメージがあった相手で、相手のボールを持つ力もわかっていましたけど、前期より自分たちは粘って何個かチャンスを作って(植田)啓太のゴールが入って勝てたので本当に良かったなと思います。
--ある程度ボールを持たせるプランだったのか?
そうですね。どうしてもああいう展開になるのは予想していたことで、そのなかでもある程度自分たちが形を作って構えて出ていくということは練習でもやっていました。前の選手は特にキツかったと思いますけど、そこが頑張ってくれたおかげでゼロに抑えられました。カウンターが何本かあって、ああやって一本を仕留められたので良かったんじゃないかと思います。
--前半から高野選手が左サイドでタメを作ったりチャンスメイクをする場面が目立っていました。ボールを全然失うこともなかったですし、際立っていたと思うのですが。
体の調子も上がってきて、今日(ボールを)取った時に相手のサイドバックが内側に入って自分のスペースが空くという情報もありました。奪ったらとにかく自分のところで前を向いて時間を作ることもそうですし、カウンターで刺すことも意識していました。そこは前半の入りから結構よかったと思います。
--クロスからゴールまであと一歩だったシーンも何度かありました。練習から髙木彰人選手や伊藤恵亮選手とよくコミュニケーションは取っているのでしょうか?
そうですね。あのタイミングで入ってくれているので、僕ももっといいタイミングでボールを上げないといけないし、あの形はいくらでも練習できるので次に向けてやっていきたいです。
--ドリブルで抜き切らないで半歩ズラしてからクロスを上げるパターンが多かったですが、あれは高野選手が得意としている形なのでしょうか?
そうですね。場合によりますけど、あのタイミングの方が相手のCBは嫌だと思うので、抜き切ることもいいですけど、タイミング的に抜かなくても上げられるなら全然上げることを意識しています。
--植田選手のゴールも、高野選手のパスからでした。
啓太がさばいて裏に出ていく流れを見て、そこにスペースがあるのもわかっていたので、とにかく丁寧に、次のプレーがやりやすいようなGKに取られないボールを意識して、いいボールを出しました。
--横浜F・マリノスの後輩でもある、植田選手のゴールはいかがでしたか?
すごく嬉しいですね。マリノス育ちという同じ境遇でもありますし、チームの輪にスッと入ってきている姿を見てすごく嬉しく思います。
--逆サイドには、長期の怪我から戻ってきた新加入の三鬼海選手が相模原でデビューを果たしました。
苦しい思いをしてきて、ここまで来るのは本当に大変だったと思います。ただ町田(FC町田ゼルビア)でやることをやって自分と向き合っていたからこそ、あの時間がありますし、大変さは僕も経験したことがあるのですごくわかります。これからまだまだやっていけると思うし、クオリティのある僕たちで自分たちを磨いて、高め合っていけたらなと思います。
--中断期間に入る前に、カマタマーレ讃岐、ツエーゲン金沢との試合が続きますが意気込みを聞かせてください。
監督も言ってますけどあと18試合、突っ走るしかないと思っています。自分たちのやるべきことをやれば、必ずいい試合になるし勝ち点は取れると思います。毎週毎週、最高の準備をして一試合一試合に臨むだけだと思うので、上を見すぎず一つひとつ今日の試合のように粘り強く戦えば、昇格というものが自ずと見えてくると思います。
MF/48 植田啓太
--横浜FMから期限付き移籍で加入して、今日が初の出場になりました。
いいデビュー戦になったと思います。沼津さんがポゼッションをするのはわかっていて、守備が非常に大事になるゲームで、監督は自分の攻撃に良さを見出してくれて自信を持って送り出してくれました。そこは臆することなく前を向いてゴール前に入っていくことが自分の良さなので、それがうまく結果に表れてよかったです。
--監督からベンチに呼ばれて、長い時間どんなことを確認していましたか?
チームに入って間もないですし、まだまだ守備の整理ができていない自覚があったので、最初に出ていた(橋本)陸くんを見ながら監督と整理させてもらって、あとは攻撃では自由にやっていいと自信を持って送り出してくれたので、ミスを恐れずやれました。
--決勝ゴールの場面を振り返ってください。
3CBの選手からうまくボールを引き出して、真ん中でボールを受けないと前進できないと思っていました。そこは練習から3枚の人には言い続けていて、それでうまく入れてもらってつながったシーンだったと思います。僕が入れば安心して前につけられるよというのを今日は見せられたと思うので、そこは今後もっと良くなっていく点だと思います。
--シュートだったのかクロスだったのか、どちらのつもりで蹴りましたか?
あれは……クロスなんですけど、シュートってことにしておいてください(笑)。でも、あそこでボールを下げてしまうことは簡単で、ああやって前につけていくプレーを今回は示せたと思うので、よかったと思います。
--好スタートを切ることができましたが、ここからの意気込みをお願いします。
この勝ち点差の中で勝てたことはすごく大きいですし、次の試合もすごく大事な試合になるので中断期間まで突っ走りたいと思っています。自分としては、栃木SCで2年半経験を積んでマリノスに戻ってきましたけど、なかなか試合に絡めずもどかしい思いをして、もっと成長するためにこの相模原に来ました。このチームをJ2昇格に引っ張っていきたいし、自分もここで大きく成長していきたいと思っているので今後とも応援をしてもらえると嬉しいです。