《試合結果》
ガイナーレ鳥取 0-3 SC相模原
【得点】
35' 加藤大育(SC相模原)
57' 牧山晃政(SC相模原)
66' 伊藤恵亮(SC相模原)
■Jリーグ公式ホームページ試合結果
https://www.jleague.jp/match/j3/2024/051912/live#live/
戸田和幸監督
--試合を振り返って。
いいゲームだったなと思います。準備から試合の最後のホイッスルが鳴るまでの間で、これまで続けてきたことと、今週取り組んできたことを全ての選手が体現してくれました。アウェイで鳥取と試合をする難しさをスカウティングをしながら感じていましたが、それでもこの試合で勝ち点3を取るために一生懸命考えて、トレーニングしてきたことを90分間続けてくれたので、選手たちには「素晴らしい内容と結果をありがとう」と伝えました。
引き分けが多かったり、点が取れないということを言われてきましたが、セットプレーも含めて努力してきたことは天皇杯の試合からも出ていました。たとえ相手が大学生だったとしても能力の高い選手が揃うチームを相手に、自分たちのパフォーマンスを発揮して5点取って勝ったので、そこも含めてこの試合につなげていくというところを意識していたんですが、本当に全員がよくやってくれたな、と。
続けてきたことが、いつ現象として現れるかは見えないところではありますが、僕も自分を信じるし、みんなのことも信じる。その上で、続けてきたことが形になって現れてきているので、「俺たちはここからだぞ」と話をしましたが、そういう気持ちになれる試合だったんじゃないかなと思いますし、本当にうれしく思います。
--天皇杯予選での勝利が、自信につながるという意味でも大きなきっかけだったのでしょうか。
間違いなく、それはありますね。フットボールにおいて点を取る方法はいろいろあって、たとえばセットプレーやロングスロー、ショートカウンターもあればロングカウンターもあります。それぞれのチームにおいて「これを中心に」というものがあると思うんですが、僕らでいうとボールを持つ部分と侵入の回数と質について、これまでずっと課題として取り組んでいた点ではありました。
一方で失点をしないということが土台としてありますが、我々はゴールを守るためにピッチに立っているわけではなく、前にも出て相手のプレーを制限してボールを奪いにいっている。それがどれだけ、攻撃に移行できるかのトランジションも含めてずっと取り組んできたことが、前節も今節も、いい形で出せたように思います。前進するプレーに関してもできるようになったなと感じる部分が多いです。
実は今日、勝ったら話をしようと決めていたことがあります。アンカーでプレーした徳永(裕大)と出場停止で来られなかった西山(拓実)についてですけど、前節、西山がイエローカードをもらって出場停止が決まった瞬間に次のこの試合について考えて、徳永をあのポジションで起用しようと決めました。もともと彼はアタッキングの中盤の選手なので、今日のポジションには馴染みがないのですが、僕の中では彼がそこでもプレーできるという確信があったので、本人にはオフの間にその意向と理由を伝えました。Y.S.C.C.横浜戦から天皇杯、そしてこの試合までの2週間のプロジェクトを考えて実行しましたが、この短期間でしっかりと理解をして、実践もできるようになったなと感じました。
監督がいて、いろんなプレースタイルやプランがあって、「ここをやってくれないか」という要望に対して、なんの躊躇もなく受け入れてくれたこと、彼の努力、そしてパフォーマンスに関しては感謝しかないです。
一方で西山については、徳永を試合の中で学習させたいという意図もあって天皇杯でも出場させませんでした。練習でも左サイドバックに入ってもらって、昨季一緒に戦った温井(駿斗)の左足からの攻撃をイメージできるような役割を担ってもらいました。
そういう意味で拓実にもいろいろなことを助けてもらったので、今日勝ったら絶対にこの2人の話をしようと思っていました。
勝ててなおかつすごくいいものを出してくれたので、この2週間準備してきたことが正当なものだったという証にもなりました。こうやってチームもバージョンアップして、新しいアンカーのいい競争も生まれる。チームは生き物で、パフォーマンスも内容も伴って勝てたことは大きいです。
前線も顔ぶれがそろってきたり、競争が激化するなかで、この勝利が勢いを与えてくれるはずです。
今日に関しては、2人の協力があってこそだったので名前を出せてもらいますが、それ以外の選手も含めてチーム全員でしっかり努力してきてたことがピッチで出たなと感じました。
あとは風もあったので後半は難しい部分もあったかと思いますが、もっとプレーができるという話はおまけで伝えました。ずっと相手のプレーを受けるだけじゃなくて持たせた上で奪いに行く、奪ったあとはゴールを目指してプレーすることをもっと高いレベルでできるように、また練習したいと思います。
■戸田監督記者会見のコメント全編はYouTubeで公開中!
https://www.youtube.com/watch?v=dm2vPX7IrKQ
MF/24 牧山晃政
--プロ初ゴールを決めた感想は?
いやあ、もうめちゃくちゃ嬉しいですね。CKからのこぼれで、狙った形だったわけではなかったですが、目の前にボールが落ちてきたので振り抜くしかないっていう気持ちでした。とりあえずあそこで押し込めて良かったです。
--プロ2年目で、ようやくという気持ちですか?
そうですね。昨季の後半ぐらいからあのポジションを任されていますが、自分は守備的な選手ではありつつもゴールが求められるポジションなので、早く取らなきゃとはずっと思っていたのでホッとしています。
--今日は勝てば3位以上の可能性がありながら、負ければ12位という、重要かつ難しい試合で自分たちの良さを発揮できた要因は?
この1週間この試合のために準備をして、全員が役割をしっかり全うできたことが勝利につながったのかなと思います。試合中も「あ、今日いいな」という感覚でサッカーをやれていたので、結果を出せてよかったです。
--ここ数節、牧山選手は先発での出場が続いてますが、今日、自分の中でうまくいったプレーは?
守備でいうと、今日は(温井)駿斗くんがサイドバックにいたんですが、そこからのいいボールが配球されていることが相手の強みでした。それをうまく消すために何回も左右に振られないように(プレスをかけて)方向づけをして、後ろの選手がいい形で奪える体制を整えるためのパスとディフェンスをすることを意識していたので、それが狙いどおりうまくできたことは手応えの一つです。
--チームとしては、日々練習からいい競争ができてるんじゃないかなと思うんですが、どう感じていますか?
自分はここ最近連続で出させてもらっていますが、常に「いつメンバーを外されてもおかしくない」という危機感を持ってやっているので、それがいい練習につながっているのかなと思います。
--伊藤選手が自由に動き回るプレーをして、チームの攻撃が活性化しているように見えるのですが、彼の近くにいる牧山選手としてはどういう意識でプレーしていますか?
自分が抜けた場所に、恵亮が入ってくるという連係もできています。恵亮は前向きにドリブルできることが特徴ですけど、タメを作ってくれるおかげでその間に自分が背後を抜けたり、いろいろできることが増えるので、とても助かっています。
--リーグ戦では、FC大阪戦やY.S.C.C.横浜戦でこうなかなか点が取れず苦労した部分もありましたが、先週の天皇杯予選からゴールラッシュが続いています。その要因は、選手間の連係がうまく噛み合ってきているからでしょうか?
最近は相手の背後にどんどん出ていく動きができていて、相手のディフェンスラインも対応しづらくなって、どんどん押し込むことができているのかなと思っています。
FW/17 伊藤恵亮
--ゴールシーンを振り返っていただきたいのですが、どこで決めたのでしょうか?
頭ですね(笑)。どこに当たったかわからないですけど、とりあえず相手に体を当ててゴール前にという気持ちでヘディングしました。
--髙木彰人選手がシュートして、その跳ね返りを詰める形になりました。
キーパーに触られたとしてもこぼれてくることはわかっていたので、今日の試合はそこはずっと狙っていました。それが運よくこぼれてきてゴールにつながったのかなと思います。
--もう少しシーンをさかのぼると、伊藤選手がライン間のいい位置でボールを引き出して前を向いてカウンターが始まり、最後も自分で決めるという形になりました。
前半だったら(藤沼)拓夢くん、後半だったら彰人くんと、フォワードとつながることを意識していていましたが、うまく彰人につなげて、カウンター気味で攻め込むことができました。自分はもう全速力でゴール前にということしか考えていませんでしたし、練習からそういう意識を持てていたことがよかったのかなと思います。
--先週の桐蔭横浜大学戦でも、ボール受けて前向く意識が高くなっているように感じます。どんな感覚で今プレーしてますか?
常に相手のポジションを探しながらやっていて、そういった中で前を向けるチャンスはまだあると思うんですが、まだできていない場面もあるので、練習でも意識はしていますがもっとやらなきゃいけないなと思ってます。
--近いポジションの前田泰良選手や牧山晃政選手が、自分の特徴を出しやすいようにサポートしてくれているなという感覚は?
2人だけではなく、アイコンタクトしながらスペースを空けてくれたり、自分が入ったあと潜ってきてれたりいい関係性でいろんな選手とやれているのかなと思います。
--すでにチームの核になっていて、大学生だった時以来の2点目を決めましたが、今の気持ちは?
大学生の時に決めてからしばらくゴールから遠のいていて、どういった形でも点はほしかったので、こうして久しぶりに点が取れたのは本当に嬉しく思っています。ただ、チームとして誰が出ても、今やりたいことができている状況ではあるので、競争に負けないように自分もアピールしてやっていかなきゃいけないです。
--やりたいことがやれるようになっているのは、チームとしての枠組みもはっきりして、監督の言ってることが浸透してるなっていう感覚ですか?
そうですね。選手が変わって、いろんな特徴もあると思いますが、チームとしてやることはブレずに今はっきりしていているし、みんなが理解できているのかなと思います。
MF/6 徳永裕大
--今日、リーグ戦では初めてアンカーで出場したとのことですが、手応えは?
守備の部分ではのくのところで強度を出していくところと、攻撃では中間をとって散らしながら起点になれればいいなと思って、ゲームに入りました。
--監督が記者会見で、前節のリーグ戦で西山拓実選手が出場停止になってからすぐに起用の意図を伝えたという話をしていました。アンカーで起用されることを聞いた時の心境は?
最初は驚きましたけど、できるイメージもあったし、また自分が成長できるチャンスだと思ってワクワクしました。
--実際にアンカーとしてピッチに立った天皇杯予選では手応えはありましたか?
大体のイメージや、守備の横ずれや縦ずれの感覚、攻撃のポジショニングはいい手応えをつかめていました。それをそのままリーグで出せればいいなと思っていたし、心配なく入れました。
--これからポジション争いも激しくなるかと思いますが。
僕ができることは、今日みたいに守備のところでしっかり相手に強くいきつつ、攻撃のところでポジショニングをしっかりとって、パスを散らして起点になったり、ロングパスを配球するところ。そこをしっかり続けていければチームとしてさらに上を目指していけるはずなので、そこはチームとしても個人としても継続していきたいです。