《試合結果》
SC相模原 1-1 カターレ富山
■得点
10'吉武莉央(SC相模原)
69'高橋駿太(カターレ富山)
■Jリーグ公式ホームページ試合結果
https://www.jleague.jp/match/j3/2023/050402/live/#live/
戸田和幸監督
--カターレ富山というJ3で上位にいるチームを相手に、引き分けでしたが勝ち点を得ることができました。この結果をどのように感じていますか?
今日はゴールデンウィークということでいつもより多くの人が来るという話と、子どもたちも見に来るということで、自分たちも小さい時にこういったものを見て、夢を膨らませてサッカーをしていたと思うので、そういった姿をしっかり見せながらなんとしてでも勝ち点を3つ取りにいくぞという話をして臨みました。
実際に試合をして思ったのは、パワフルだとは思っていましたけど、ようやく望むような形でゴールを決められて、すごく良かったのですが、先に点を取る試合が今までなかったので、自分からすると、取って引いた感じがなんとなくしました。そうなった時に、今日は後ろ4枚で臨んでいたので、押し込まれる展開になったりサイドの対応がちょっと遅れるところがありました。そこが前半のちょっとした課題。
後半もそのまま入りましたけど、選手を代えた時に少し変えてバランスを変えて、そこからできるだけワイドのところに向かえるようにして攻撃につなげようということで、今日は牧山(晃政)を途中で代えて良かったと思いましたけど、5バックにした時のここ(大外と中)の対応が遅れてしまって、取られてしまった。あそこをもう少し早く埋められればと思っていましたけど、クロスも多様してくるチームなので、クロスが入った時の対応じゃなくて、クロスが入らないようにというところは意識して臨んではいました。徹底してくると嫌だなというところは前半からあったので、よく守ってくれた。
あとはプレーするところでどれくらいゴールに向かうかというところの回数はそんなに多くないですけど、やってきたことのなかでゴールに向かえる場面はあった。あとはアタッキングサードに入った時に、うちで言うとターゲットマンがいるので、シンプルなクロスと、藤沼(拓夢)が入ってググッと入り込んだ時に、仕掛けのところで早くして自分で仕掛けるかクロスを入れるかというところをもう少し早くしようという話を終わったあとにしましたけど、たしかにパワフルだな、と。鹿児島ユナイテッド戦の時と同じかそれ以上にパワフルな感じがした。うまさだけで上回ることは簡単ではないので、プレスもそうですし、トランジションのところと、奪ったボールの一本目と、奪ったところからとやってきましたけど、それでも相手が来た。でも、うまく背中を取って進めた時にどうするかと、もう少しその回数を増やせるかというのをまた考えたいと思います。
--今日は伊藤恵亮選手が位置で初先発・初出場を果たしました。右サイドバックで起用した理由については?
元々サイドハーフで左右をやっていて、サイドハーフだけでなくサイドバックも練習試合で同じように取り組んできました。選手個人といろいろな話をしてきたなか、「大学までのポジションとそこから派生させてこのポジションも可能性としてはあると思うよ」ということを恵亮には伝えて、やってきてくれた。あとは試合と試合の合間のトレーニングで、左部(開斗)も今日はベンチに入りましたけど、1日、2日のところでの状態で決めました。ずっとベンチにも入れなくて悔しい思いをしていたと思いますけど、昨季リーグ戦に出ている経験もありつつ、前向きな取り組みと攻撃面のよい部分もあったので、実際に決めたのは一昨日の練習の後でしたけど、思い切りました。
--トップには栗原イブラヒムジュニア選手が入りました。FWからDFへ転向中ですが前節も後半の途中からトップで出場し、ターゲットの役割をこなしプレスも頑張っていたように見えましたが。
おっしゃる通りだと思います。元々、トライアウトの時に彼の場合はクラブに連絡をしてきてくれて「CBでチャレンジしたい」ということでトライアウトでは両方でプレーしているのを見ました。その時から「両方やればいいんじゃないか」と思っていました。「CBだけに決めないで、FWも含めてスケールのデカい選手を目指せばいいんじゃないか」という話をしていた。
シーズン序盤はずっとCBにチャレンジして、彼は一生懸命に取り組んでいましたけど、全然違う真逆のポジションなので苦労もしていました。あとはチームの状態を見た時に、それも練習試合の最中なのですがジュニに「一回気分転換も兼ねてFWをやってみたら?」と話をした時に2点取ったんです。すぐに点を取って、そこから「FWもどう?」という話をしながらやってきたのですが、元々FWの選手で「実はFWもやりたい」と言ってくれたので、チームからするといてくれるとすごくありがたいし、十分な働きをしてくれたと思う。
もっともっとそういうところへ正確にボールを入れたり、サポートのタイミングに関して今日なら先に前田(泰良)が抜けてしまって手前にいなかったりもした。ターゲットマンをどう見せたり、どう使いながら攻撃をするかというのもだんだん整ってきている感じはしますが、松澤(彰)もいますし、左部も体が強い。僕からするとジュニや松澤は宝物みたいな選手です。190cmってなかなかいないですから。もう少しクロスを入れてあげたいというのと、そこで一発取れるともっといいなと思います。
■戸田監督記者会見のコメント全編はYouTubeで公開中!
https://www.youtube.com/watch?v=N9S1qY30Hhg
GK/16 川島康暉
--GKとして、今日の試合をどのように振り返りますか?
富山さんは得点の多さがリーグ1位で、2トップにパワーのある選手がいてシュートがたくさん飛んでくるだろうと想定してゲームに入りました。後半は特に風下になってクロスやシュートが多くなってきた中、ポジショニングでいつシュートを打たれてもいい状態を常に作りながら、周りのディフェンスと協力をしてシュートを防ぐことを心がけていました。
--川島選手が何度もシュートを止めて勝ち点1を得られたと思いますが。
シュートに至るまでに中のフィールドの選手がプレスをハメてくれたり、コースの制限だとかを必死に走ってやってくれていたので、シュートが飛んできても自分のところでは「ここに来るだろうな」ということが多かった。その中で、失点シーンは(高橋駿太選手を)フリーにさせてしまって、難しい対応にさせてしまいましたが、それ以外のところは中の選手がすごく頑張ってくれた。僕自身は制限をかけてくれたところを止めることが仕事で、そこは1失点してしまいましたけど、それ以外では悪くなかったのかなと思います。
--失点した場面は高橋駿太選手がマークにつきづらい動きをして前線に顔を出してきました。どんな対応をすれば防げたと感じていますか?
すぐに映像で振り返ったのですが、相手の高橋選手は9番の選手(大野耀平)が入ってからは“消える動き”をして、なかなかマークにつきづらく困っていました。その中であのシーンは2列目、3列目くらいのところからスッと入ってきてヘディングを合わせて来ました。後半から右サイドバックに入って来た牧山(晃政)選手のところでしっかりマークをつけさせるところは僕がコーチングしてあげないといけなかった。加藤(大育)選手や山下(諒時)のところはしっかりスライドができていたので、そこのボールに関しては右サイドバックの選手は僕が締めさせてあげないといけないと思います。
--ボールを握られる時間が長かったが相手ゴールに向かって前進するために必要なことは?
相手は前がかりになって守備に来るということで監督からも前日に「前の選択肢を持とう」と言われていました。僕自身も栗原(イブラヒムジュニア)選手のところとか、左の若林(龍)選手のところとか、右の伊藤(恵亮)選手のところにも長いボールも選択肢として持っておけばよかった。下ばかりになってしまうと、富山さんは前に強いので難しい。前半の途中くらいから後半にかけては、下から保持しながら、前進するためのプレーをしていた。後ろの選手はなんのためにボールを保持しているか、ゴールという目的を忘れずに前の選択をするプレーができていた。コミュニケーションを密に取っていたのは後ろの選手なので、その選手たちとは意図を共有してプレーできたと思います。
--前半の34分ごろ、相手選手が負傷して試合が止まっていた際に選手で輪になって話し合っていましたが、そういったことを確認していたのでしょうか?
僕から栗原選手へのボールがなかなか収まりが悪く、風もあって自分のボールが流れてしまう場面があったので、そうでなく下からプレーしようということを全体に言いました。僕が監督のところに確認して、「下からプレーしよう」とオーダーがあったので、そこは選手に伝えて、しっかりポジションを取って前に進むための選択をしようと伝えました。
--後半も含めそのプレーができた感覚は?
風向きが変わって後半は長いボールの選択が難しくなりましたけど、自分たちがやろうとしていることは間違ってないと思います。相手の圧力があるなかでも何シーンか吉武選手とか田中(陸)選手のところで前向きを作れるシーンがありました。そういうところは試合全体を通してもっとチャレンジできると思うし、みんながやろうとしていたことは間違いありません。
--今日は相手の田川知樹選手にアクシデントがあり、急きょ先発出場した柴崎貴広選手と同じピッチに立つこととなりました。
柴崎選手は昨季プロ1年目だった時、右も左もわからないなかで真摯に向き合ってくださって、プロとしての姿を見せてくれた選手でした。入場する時は不思議な感覚というか、僕に取ってはお父さんのような感覚ではあるので、グッと来るものは僕のなかでありました。今日、実際に対戦して、教えてもらったことはたくさんあるので、成長した姿を見せないと思っていました。最後、柴崎選手には褒めてもらえましたけど、もっともっとできると思っています。恩返しになっているかわからないですけど、少しはそういうところも見せられたのかなと思います。
MF/17 伊藤恵亮
--本職はMFですがサイドバックの選手として今季初出場となりましたが、メンバー入りを告げられた際の心境を教えてください。
新しくサイドバックというポジションをやっていて、自分の長所やできていない部分が明確だったので、まずは守備からということで試合に入ろうと思いました。
--これまでの練習からサイドバックで出る可能性は感じていましたか?
最近はサイドバックでプレーすることが多くて、いつでも出られる準備はしていました。
--戸田和幸監督からはどんな役割を与えられていましたか?
もちろん守備のこともそうですけど、攻撃ではクロスで違いを出してほしいと言われていました。あまりそういうシーンは出せなかったので、そこは修正していきたいです。
--伊藤選手が攻撃に加わり、後ろが3枚になる場面が見られましたがチームとしてはどんな狙いを持っていましたか?
攻撃の時は(後ろは)3枚で回して自分が高い位置を取るというのをチームとしてやってきました。それをもうちょっとうまく出せたのかなと思います。
--試合は押し込まれる時間が長かったですが、その中でもやれたこととボールを前進させるために必要なことは?
押し込まれた状態での1対1の対応は手応えがありました。ただ奪った後のボールをアバウトにつけるのではなくて、うまく前進できるようにしていきたいと思っています。チームとしての狙いは、前に大きいFWがいるので、そこをうまく使おうと練習はしていました。いいロングボールが入る時もあれば、あまり良くないボールもありましたが、狙いは出せたのかなと思います。
--ゴールシーンは吉武莉央選手がサイドへ展開して、若林龍選手のクロスを中央の佐相壱明選手がスルーして吉武選手がミドルを突き刺すという狙い通りの形だったのでは?
今週だけでなく毎日ずっとやりつづけたことがああやって形に出たと思います。
--毎日やり続けたことを富山が相手でも出すために、意識したことは?
相手が縦に速い攻撃をしてくるので、まずはそこを抑えて自分たちもカウンター気味に出ようとして、何回かそういうシーンはあったので、そういったところをもう少し出していきたかったです。
--伊藤選手は56分に足をつってしまって交代となりましたが、デビュー戦はどんな試合になりましたか?
早い時間で交代してしまったことは悔しいですけど、前半と後半のところで、自分たちのサイドで1対1であまりやられた感覚はありません。そういったところは良かったと思いますけど、もっと自分の特徴を生かしてプレーできると思っているので、ここから頑張っていきたいです。
--天皇杯予選も含めてメンバーに入れず、ここまで悔しい時期を過ごしたと思いますが。
メンバーに入れない時間が長く、悔しい思いはもちろんありました。練習から100パーセントで積み上げているつもりなので、もっと積み上げて、もっといい選手になりたいと思っています。
--試合に出られていない間、監督からはなにか言われていましたか?
プレーの準備の部分はまだできてないところがあるので、そういったところをやっていって、選手として成長していかないとこのまま出続けることはできないと思う。ポゼッションや相手の対応のところで「準備が一番大事だ」という話をされているので、そこをもっと突き詰めて、頑張りたいです。
--このまま出場機会を確保すること、そこで結果を残すことが重要になると思いますが、今後へ向けてはいかがですか?
今日、自分の特徴はあまり出せていないと思っています。練習からもっと特徴を出して対人の強さももっと極めていって、チームの中心になれるような存在になりたいです。
--天皇杯予選の決勝まで中2日です。ニッパツ三ツ沢球技場で相手がY.S.C.C.横浜のため、いいイメージがあるのでは?
昨季になりますけど(特別指定選手として出場した試合で)点は取れているので、いいイメージを持って準備していきたいです。