

天皇杯の神奈川県代表の座を懸け、関東1部リーグ優勝のY.S.C.Cと対戦した。S.C.相模原は、5-1で快勝した準決勝と同様のメンバーで決勝に臨む。GKは榎本、DFは右から金澤、工藤、鷲田、鈴木隼の4人。中盤は中央を坂井、鈴木健が務め、右を富井、左を古賀が担った。2トップは、並列ではなく、最前線に斎藤、1列下がった位置に水野という配置だった。
S.C.相模原は、両サイド、特に金澤と富井の右サイドを活用して攻撃を試みるが、パスミスやコンビネーションが合わずに、ボールを奪取され、逆に攻め込まれてしまう。望月がベンチから「サポートを早く、ボールを動かす」よう指示を送るが、前線から激しくボール奪取に出てくる相手のプレッシャーにミスを連発してしまう。
そして24分には均衡を破られてしまう。左サイドを突破され、ゴール前に運ばれると、ゴール左スミにシュートを決められてしまう。それは、準決勝の桐蔭横浜大学戦の失点に酷似していた。さらに31分、CKのクリアボールを拾われ、カウンターをつながれると、左サイドを独走される。セットプレー時に守備に残っていた鈴木健が必死で追いすがるが、プレスを踏ん張られると、逆サイドにシュートを打たれてしまう。GK榎本が横っ飛びするも止められず……2失点目を喫した。
それでも2分後の33分に、富井が倒されて獲得したPKを、坂井が冷静にゴール左に決め、1点を返す。同点、もしくはそのまま折り返せれば良かったが、38分、相手のロングパスにオフサイドトラップが失敗すると、FWに裏をつかれ、3点目を奪われてしまった。
1点を返すことには成功したが、先制された後は相手に主導権を握られ、たびたび窮地に立たされた。
2点を追うS.C.相模原は、後半の頭から鈴木隼と富井を下げ、森谷と秋葉をピッチに送り込む。秋葉を最終ラインに加え、3-5-2システムを形成。両サイドの金澤、古賀を高い位置に張りつかせ、サイドからY.S.C.Cゴールに迫ろうとした。
しかし、58分、逆に絶体絶命の窮地に立たされてしまう。カウンターを防ごうと自陣に戻る古賀が、ペナルティーエリア内で相手選手を後ろから倒し、PKを献上してしったのだ。これを決められ、リードは3点差に……。
残り時間は30分。攻めるしかないS.C.相模原は、途中出場した吉岡のスピードを生かしてゴールに迫ろうと前がかりになるが、逆にカウンターを浴びてしまう。
88分に右サイド後方からのクロスに走り込んだ森谷が、トラップでGKを交わして、1点を返すが力及ばず。ロスタイムのパワープレーもゴールに結びつけられずに2-4で敗退した。
「相手の方が場慣れしていた」。そう望月が試合を回顧したように、関東1部リーグ王者がかけてくるプレスに対して、S.C.相模原のイレブンはミスを連発した。ダイレクトパスはことごとく受け手に渡らず、逆襲を浴びるきっかけとなった。4失点は崩されたというよりも、自らのミスによって決められたものがほとんど。正確なプレーが、試合の結果を大きく分けた。
そして、その差が、天皇杯の県代表を逃す結果となった。
原田大輔
保土ヶ谷公園サッカー場 15:30キックオフ(45分×2本) |
1st (45分) |
1-3 |
得点者:S.C.相模原-坂井 |
2nd (45分) |
1-1 |
得点者:S.C.相模原-森谷 |
結果 |
S.C.相模原 2-4 Y.S.C.C |