SC相模原

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07-17-2017

 試合結果 

08/J3第17節鹿児島戦マッチレポート

20170716_MR_J317_01 2017明治安田生命J3リーグ第17節 2017.07.16 15:00KICKOFF@相模原ギオンスタジアム SC相模原1−3鹿児島ユナイテッドFC [得点]相模原:84分普光院誠/鹿児島:45+2分川森有真、52分吉井孝輔、79分藤本憲明 ワーストとも言える不甲斐ない敗戦に滲む悔しさ 敢えて綴る必要はないのかもしれない。その悔しさであり、不甲斐なさは、誰よりも戦った選手たち自身が一番感じているからだ。 SC相模原は、鹿児島ユナイテッドFCをホームに迎えたJ3第17節で、1−3と完敗した。今節でJ3はシーズンの折り返しを迎えたが、もしかしたら今日のゲームは、今シーズンのワーストと言える内容であり、結果だったと言えるだろう。 1失点目は、前半のアディショナルタイムだった。それは相手の猛攻を受け、システムを4バックから5バックに変更した後の出来事だった。ボールを保持する鹿児島に、右から左へと細かいパスワークで展開されると、MF永畑祐樹にクロスを上げられる。これをファーサイドでフリーになっていたDF水本勝成に折り返されると、ゴールエリア付近からFW川森有真に豪快なボレーシュートを叩き込まれた。 2失点目は、ジョン・ガブリエルと菊岡拓朗を後半頭から送り込み、流れを変えようと試みていた52分だった。立て続けに左CKを得た鹿児島はクリアボールを拾うと、再びつなぎ、左サイドからクロスを供給する。これを走り込んだMF五領淳樹がうまく逸らすと、MF吉井孝輔がまたまた豪快にボレーシュートを決めた。 極めつけは、79分である。安永聡太郎監督が麦倉捺木を下げて、3枚目のカードとなるMF飯田涼をピッチに送り込んだ直後だった。相手GKが蹴ったロングボールを、自陣でGK川口能活が処理する。それを受けたDF米原祐が、最終ラインにポジションを移していた岡根直哉へと横パスを出したのだが、これが短く、FW藤本憲明にカットされてしまった。そのまま藤本にドリブルで持ち込まれると、これまた豪快に右足を振り抜かれる。まさに、何でもない状況からミスにより奪われた3失点目だった。 20170716_MR_J317_02 ウイークポイントを突かれて喫した3失点 どれもが防げた失点だった。言わずもがな3失点目は明かなイージーミスである。1、2失点目もその前の局面でボールを奪うことが可能だったし、フィニッシュした相手をきちんとマークしていれば回避できたはずだ。失点シーンの原因は明らかで、むしろ深刻なのは辻尾真二が「僕らのウィークポイントを突かれまくった試合だった」と評し、キャプテンの岡根も「失点シーン以外にも決定機をいっぱい作られた」と振り返ったところにある。 これまでの試合同様、SC相模原は、前線からプレスを掛け、相手の攻撃をはめようとした。だが、32℃を記録した暑さからか、安永監督も指摘したコンディションの影響からか、その連動性に大きく欠けた。また、全体をコンパクトにしようとするがゆえに起きる弊害から、再三、相手にDFの背後を狙われると、そこから幾度もチャンスを作られた。何度も何度も、相手FWに斜めに走られるとパスを通され、そこからサイドに展開されるとピンチを招いた。SC相模原は16分に岡根がファーストシュートを放ったが、前半はこの1本のみ。対する鹿児島は前半だけで1得点を含む8本ものシュートを見舞っているのだから、どちらが優位だったかは明白であろう。試合後、敵将である三浦泰年監督が「やろうとしていたことが自然とできた試合」と語ったのも頷ける展開だった。 DFの背後を狙われた際の守り方であり、サイドからのクロスにしても、折り返しから失点したように、工夫されたときにどう対応するのかは、チームとしての課題であろう。 20170716_MR_J317_04 この敗戦からチームの根幹を再認識したはず それ以上に今節のチームに欠けていたのが、戦う姿勢だった。純粋に相手に走り負けていたし、競り勝てていなかった。指揮官はチームコンセプトを“我慢”と表現したが、耐えることで活路を見出してきたチームの礎が揺らいでは、勝てる試合も勝てなければ、勝ち点を積み重ねていくのは難しいだろう。 ただ、冒頭でも触れたように、誰よりも今日の敗戦を省み、悔しがり、痛感しているのは、選手たち自身である。 84分に一矢報いる普光院誠の得点をアシストした辻尾が語る。 「(アシストの場面は)今日の試合はミスも多かったので、良いことをしようと考えずにゴリゴリ行こうと思って仕掛けました。今日はチームとしての頑張りどころがうまくはまっていなかった。プレッシャーを掛けに行っても(相手に)はがされるような掛け方で、それで体力を失って、肝心なところで力が残っていなかった。疲労が溜まっていると技術的なミスも起きる。どこで頑張るかを考えていかないと。もともと、今季は守備から入ろうと監督が言ってくれているので、その守備がはまれば、攻撃にも迫力が出てくるし、パワーも出てくると思う。そこはチームとして、もう一度、話し合っていかないとですよね」 目まぐるしくポジションチェンジしたとはいえ、久々にCBで先発した試合で3失点を喫した工藤祐生も猛省するポイントは一緒だ。 「相手より走れていなかった。根本的に、ホームゲームだったというのに、走る、戦う姿勢が足りなかった。前半は特に、1秒、1歩が遅く、それでボールを拾えない、プレッシャーにも行けない。結果、ボールを相手に保持されて、自分たちで自分たちを苦しくした。もう1回、チームとして勝ちにこだわりたい。安泰なポジションはひとつもないと思うし、練習から刺激し合って激しくやらないと、また同じことを繰り返してしまう」 キャプテンとしての振る舞いが板についてきた岡根が、負けた試合の後だからこそ毅然とした態度で言葉を絞り出した。 「全部で負けていましたよね。自分も含めてみんな、1歩、2歩が遅かった。全部、相手に負けていた。自分たちはボールが持てる現状ではないので、そうなったら球際で競り勝てないと苦しくなる。自分も含めて全くファイトできていなかった。その原点に戻って走ってファイトしなければ、まともに僕らは戦えないと思う。ハーフタイムの時点で不甲斐ないというか、何とかしたいという思いでいましたけど、みんな十分にそれを感じているはず。ここでずるずるいかないように踏みとどまりたい」 SC相模原にとって今シーズンのワーストとも言える試合だった一方で、おそらく鹿児島にとってはベストに近いゲームだったであろう。だが、試合後の発言を聞けば、SC相模原の選手たちから目の輝きは失われていなかった。完敗ともいえる敗戦を受け、選手たち自身の信念であり、覚悟が呼び起こされた気がした。自分たちが立ち返る場所は、どこなのか。この試合で感じた悔しさは、今シーズンを戦うチームの骨格というよりも、“魂”を再認識させたはずだ。 シーズンは折り返しを迎えた。キャプテンが言うように、ここでずるずると同じことを繰り返すのか、それとも再び自分たちを取り戻すのか。今シーズンのチームには後者を期待するし、感じもする。それは、ひしひしと伝わってくる悔しさの中に、確かな熱があったからだ。 20170716_MR_J317_03