《試合結果》
カターレ富山 0-0 SC相模原
■Jリーグ公式ホームページ試合結果
https://www.jleague.jp/match/j3/2024/062914/live/#live
シュタルフ悠紀監督
--試合を振り返って。
選手にも言いましたけど僕にとっては今日が開幕戦で、少し前に監督が代わるというものすごく難しい状況のなかで、選手もスタッフもサポーターも私を温かく受け入れてくださって、今日のゲームに臨めたことに対してまずは感謝を伝えたいです。
富山は昨季あと一歩で昇格を逃したチームでした。今の順位は(相模原と)似たような順位にいましたし、なんとか勝ち点3をとって戻りたかったですけど、それ以上にここ数試合失点が続いていたので、もう一度シーズン序盤を振り返ってみると相模原を支えていたゼロで締め切るという硬い守備を取り戻そうというところで、選手たちはよくやってくれたんじゃないかと思います。
勝ち点3を取れなかったですけど、ここから19ゲーム続くので、今日の1ポイントを生かすためにも来週に向けてやっていきたいなと思います。来週が僕にとってオフ明けから合流する最初の週なので、今日はあまり選手の力になれなかったかもしれないですけど、来週はこういう拮抗したゲームを選手がやってくれた時には自分が足りない部分を補充できるようベンチワークも含め、いい準備をしたいと思っています。富山のサポーターや選手もいい雰囲気を作ってくれて、久々の日本での試合で楽しかったので、富山の方々も本当にありがとうございます。
--水曜日に就任が発表されて、時間が短いなかで人選やなにをチームに授けるかを非常に考えられたのでは?
私にとってシーズン途中にチームを引き継ぐというのは初めてのチャレンジでした。経験もないですし、どうしたらいいか、なにが正解かわからないところはありますけど、コーチングスタッフを信頼して、ミーティングも短い時間でたくさん重ねました。選手の特長についても、僕自身も目を光らせてなるべく早く把握しようと努めてきましたし、それに加えてスタッフの意見もたくさん聞いて、みんなで富山に勝てるんじゃないかというメンバーを選考したつもりです。
--先ほど、「硬い守備を取り戻そうという」というお話もありましたが。
元々持っていたものをもう一度引き出すという点では、クラブが掲げている「エナジーフットボール」というコンセプトがあると思いますけども、それを私の言葉で解釈すると“走る”、“戦う”、“助け合う”というところなのかなと思いました。選手たちには「この3つだけは徹底していこう」と伝えて、それが今日の試合を含めた20ゲームで僕らのベースになってくる。そのベースさえしっかり出せば失点も防げるし、チャンスも作れる。その点に関しては選手は本当に表現できていたと思うので、ゴールネットこそ揺らせませんでしたけど、そういったところをまた目覚めさせられたゲームになったんじゃないかなと思います。
--あれだけ走れて戦える選手がチームに揃っていて、監督としても頼もしいのでは?
そうですね。サッカーが大好きなので、サッカーの仕事はどこに行かせてもらっても楽しいと思える仕事です。ベースがあるチームに合流できてよかったなと思いますけど、自分が(開幕前から)プランニングしたチームではないですし、強化キャンプに行ったわけでもないので難しさもあります。これまで一緒に戦った選手もスタッフも一人もいない状況で本当に新鮮な環境で、そういう意味では楽しさもありつつ難しさもあるんですけど、その難しさをほとんど感じさせないようなサポートを選手もスタッフもしてくれて、サポーターも横断幕を出してくれて本当に驚きました。感謝の気持ちを結果で返せるように頑張っていかないと思うので、より一層身が引き締まる思いです。
--サポーターへ、「こういうサッカーをしていきたい」など改めて伝えたいことは?
こういうサッカーというのは先ほど言ったことがすべてで、「エナジーフットボール」と言ってる以上は若い選手も多いですし、“走る”、“戦う”、“助け合う”ということは徹底していきたいと思います。その上で、今日も決定機は我々のほうが少し多かったかなと思うので、そういったところを決め切る質を高めていきたい。ただこれは時間もかかるので、あとはそういったチャンスを増やす回数を僕が入って修正していけるように頑張りたいなと思っています。今まで通りの「エナジーフットボール」により磨きをかけて、よりスピーディーに、よりコレクティブに、より魂が伝わるような、圧倒的な熱量が観客席に伝わるようなチームにゲームをこなしつつも磨き上げていけたらなと思います。
シュタルフ悠紀監督記者会見のコメント全編はYouTubeで公開中!
https://www.youtube.com/watch?v=dyNuXd3xMkU
MF/20 若林龍
--自身のプレーを含めて、今日の試合をどう振り返りますか?
(富山は)勝ち点が同じで順位も近い相手でしたので、重要な一戦だと思っていました。僕らは今週、新しい監督が来たりと状況がいろいろ変わりましたけど、その中でもシュタルフ監督が素晴らしい熱量で僕たちを鼓舞してくださったので、その思いに応えたい一心で勝利を目指しました。ただ得点をなかなか奪えずに終わって悔しい気持ちですけど、全然マイナスには捉えていなくてアウェイの地で勝ち点1を取れて次につながると感じています。個人としては、結果は出てないですけど惜しいクロスが2回ほどあったので、そこへの過程は褒めたいなと思います。
--プレスが鋭かったですし、チームとしてもしっかりとしたゲームができたのでは?
プレスが今の相模原の強みですし、走らないと試合に出られないという状況で全員がそこをサボらず、自信を持っている走力を発揮できたのかなと思っています。
--シュタルフ監督が就任して初めての試合で先発に選ばれたことは、若林選手にとっても大きなことなのでは?
監督が代わるとメンバーも変わってくるというのはいろんな先輩からも聞いていました。ここがチャンスだと思っていましたし、紅白戦でいいプレーをしたことで監督が使ってくれたので、その期待に応えたかったですし、結果で恩返しできなかったことが悔しいですね。
--ただ、ゴールが決まってもおかしくないようなチャンスを作れていたので手応えもあったのでは?
そうですね。紙一重だったと思います。これから(試合を)重ねていくうちに少しずつ合っていけばいいなと思いますけど、シュタルフ監督の初陣でもありましたし、そこは結果につなげたかったと思っています。
--この短期間で、気持ちをつかまれるような言葉はシュタルフ監督から言われましたか?
僕自身いろんな監督さんとやらせてもらってきましたけど、一番声がデカく、勝利に対しての熱量が高かったですね。試合前にロッカーでそれをすごく感じて、心からふつふつと上がってくるものがあって「この人のためなら走れる」と思わさせてくれた監督だったので、みんなたくさん走ったと思います。
--今日の試合は、今までやってきたことをシュタルフ監督に見せつけていたようにも見えましたが。
前監督の戸田(和幸)さんも素晴らしいサッカーをしていて、その下積みがあったからこそ今があると思っています。戸田さんの時に身につけたものをシュタルフさんに見せられたことも、僕らとしてはチームとしてやってきてよかったなと思いますし、これからもそれは生かしていきたいなと思います。
--次節から後半戦の試合がスタートしていきますが、意気込みはいかがですか?
ここからがサッカー選手としての勝負になると思います。前半戦はあまり試合に出られていないので、これから出場機会を増やしていきたいので、そのために毎日積み重ねをしながら、結果的にJ2に昇格したとなればいいなと思います。
今まではずっと自分にベクトルを向けながら、「出場すればできる」と常に思って自分のことを信じ続けてやってきました。今日試合に出て、手応えは少しつかめたかなと思うので、これからもそれを生かしていきたいと思います。
DF/55 田代真一
--新体制になって今日の試合まで準備期間は短かったと思います。そんななか、どんなことをピッチで体現しようと臨みましたか?
なにかを準備したというより、戦うことや際のところといった当たり前のベースのところを今日は大事にやろうと試合に入りました。
--田代選手自身は約2カ月ぶりに試合に出て、70分まで試合に出場していました。
ずっと怪我をして今季は思うように稼働できていなくて、最近復帰できたという流れでした。信頼して使ってくれた監督のためにも、チームのために戦うことはそうですけど、最近は失点が続いていたこともあったので硬い試合でしたけども久しぶりに無失点で終われたことはプラスでした。
久しぶりだったので「やってやるぞ」という気持ちももちろんありますし、その反面若い選手たちにも助けられました。責任を持って試合に入れましたし、久しぶりだったので「ゲームはいいな」と思えましたし、「もう怪我をしたくない」という思いもありました。最後までプレーできるコンディションに上げていかないといけないですけど、公式戦で70分までプレーできたことはよかったと思います。
--前半の飲水タイム中に田代選手と監督が話している一幕もありました。どんなことを確認していたのでしょうか?
監督も理想はベターって引いて守備をしたいわけじゃなくボールを奪いにいく守備をしたいけど、ボールを相手に持たれても我慢強くできてはいました。でも、プレスのところでうまく連動ができていなかった。ゲームの流れというのもありますし、後ろもコンパクトにしたかったからファーストアプローチのところで無理にいかず、前半の時間を我慢して進めていこうという話をしていました。
--ポジション争いがゼロからのスタートになったなか、次節はいわぎんスタジアムで古巣のいわてグルージャ盛岡との試合になります。
古巣戦は超楽しみですね。前半戦は自分自身、離脱ばかりしていて不甲斐なかったし、悔しい時間になりましたけど、その間に自分を見つめ直しましたし心身ともにパワーアップできたと思っています。ここからが勝負になるので、後半戦は仕事ができるよう練習もそうですけど、体のケアも含め日々しっかりとやっていきたい。相模原を上に上げるためにピッチに立ちたいし、そのための言動をとっていきたいなと思います。
MF/40 長谷川雄志
--新体制になって最初の試合になりましたが、振り返っていかがですか?
もうちょっと中盤がボールを持てれば、いい展開は増えたと思います。前半は相手の右のCBと左のCBから出てくるロングボールが多くて、それを相手に渡してしまって自分たちで苦しい展開にしてしまっていました。もっと相手を見て周りと話すという練習をしていかないと、ああいう展開になってしまうと思う。シュタルフ監督も中盤でつないでいい展開を増やしてほしかったんじゃないかと思いますけど、そこができず悔しい気持ちです。
--ポジション争いもゼロからのスタートとなり、長谷川選手も久しぶりの出場機会を得ました。
ここに来るまで家族も含めていろんな気持ちと戦ってきたので、そういうものに感謝をしながら試合に臨みました。今日は結果がほしかったですけど、アウェイで勝ち点1を取れたことはポジティブに捉えています。
--70分までの出場となりましたが、ゲームの感覚やコンディションはどうでしたか?
キツかったですけど、そのへんはまだ全然できたなという感じでした。
--守備面で意識していたことは?
アンカーなので真ん中にパスを通されないことと、自分の近くに入ってきたのを潰すこと、自分を越えたボールに対してはちゃんとバックして(ディフェンスと連係して)挟むことですね。あとは相手はリスタートが速かったので、そこは常に気をつけていました。あとは前と後ろの連動が必要になるので、そこはみんなで話し合いながらできていました。
--今日の試合を経て、今後突き詰めていきたいことは?
個人としては自分がボールをもっと触れれば、いいゲーム展開になると思うし、それがチームの結果にも表れると思います。自分も含めてみんなともっともっとうまくなっていかないといけないなと、今日の試合ですごく感じました。チームとしては蹴らされていることが多かったので、ポジショニングを含めてもっと相手を見て判断をしてやれるように練習から取り組んでいきたいですね。
--次節以降へ向けての意気込みはいかがですか?
シュタルフ監督から試合前にすごく熱のこもった言葉をたくさんいただきました。それはチームにとってのエネルギーに変わりました。監督が代わってメンタル的には難しかったですけど、勝ち点を取れましたし、ここからすり合わせていければどんどん上にいけるんじゃないかなと思います。
--監督からどんなことを言われたか覚えていますか?
監督が喋っている時は自分も熱が入っていたのであまり覚えてないですけど、とりあえず痺れましたね。「やってやるぞ!」という気持ちになりましたし、全体ですごくいい雰囲気になりました。