SC相模原

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05-06-2015

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第5回「J3第9節vs福島戦マッチレポート」

2015明治安田生命J3リーグ 第9節 2015年5月3日 13:00KICK OFF@相模原ギオンスタジアム SC相模原 2−0 福島ユナイテッドFC [得点] 相模原:45+3分高原直泰、59分天野恒太 福島: 201500503_MR_J309_01 |内容がよくないなかでも勝利することで自信となる キックオフの笛が鳴り、時計の針はまだ1分も刻んでいなかった。井上平が負傷してピッチに倒れ込む。試合はしばし中断。井上は担架で運ばれ、タッチラインの外に出ると、一度は立ち上がったものの、プレーを続行するのは難しそうだった。すぐさま天野恒太が呼ばれる。「初めての経験でした」と話した天野はアップする間もなく、5分にピッチに立った。 いきなりSC相模原は得点源を失う。前節のカターレ富山戦でも勝利を呼び込む虎の子の1点を奪うなど、ここまでチーム最多の4得点を挙げているストライカーの離脱は痛手に見えた。しかし、「アップもしていなかったので、とにかく走って、まずは守備から入ろうと思った」と話す、天野が大車輪の活躍を見せる。 SC相模原は4−2−3−1システムはそのままに、井上が務めていたトップ下には樋口寛規が入ると、途中出場した天野が右サイドを担った。対する福島ユナイテッドは、守備時には両ウイングバックが下がり、DFラインを固める3−5−2で臨んできた。 辛島啓珠監督も試合後には「この連戦は内容よりも、結果が大事」と話し、この試合でファインセーブを連発したGK佐藤健も「内容はそんなによくはないと、みんなの口からも出ると思いますが、勝利を収めることが自信になっていく」と、GWによる連戦が続く状況下でのポイントを挙げた。彼らも実感していたように、前半はSC相模原がシュート5本、福島は1本と、良くいえば膠着した、悪くいえば決定機の少ない試合展開となった。 悪いなりにもSC相模原は好機を作り出した。30分には左サイドを高原直泰が抜け出すと、サポートに来た曽我部慶太へつなぐ。曽我部は中に持ち直すと、そこからクロスを入れる。GKに防がれたが樋口がこれに飛び込んだ。33分には、今度は右サイドから森がクロスを供給すると、再び樋口が頭で合わせ、相手ゴールに迫った。 201500503_MR_J309_02 |天野が獲得したPKを高原が決めて前半を折り返す 数少ない決定機を活かせず、前半もアディショナルタイムに突入した時間帯だった。右サイドで曽我部からマイナスのパスを受けた田村仁崇がファーへとクロスを供給する。「練習から辛島監督に詰めろと言われていた」と話した天野がゴール前に走り込むと、相手に倒されてPKを獲得したのである。これをエースである高原が今季2得点目となるゴールを決めて1−0で折り返す。 追いかける福島は、当然ながら後半に入ると前への圧力を強めてきたが、今シーズンのSC相模原にはしのぎ切る力があった。特筆すべきは、樋口の運動量であろう。トップ下の位置から相手にプレスを掛け続け、相手が攻める方向を限定していた。ときには中盤まで戻って相手からボールを奪取。それにより、カウンターに打って出られるシーンもあった。 201500503_MR_J309_03 |高原のドリブルからのシュートに詰めていたのは天野 さらに59分に追加点を奪えたことも、連戦が続くチームを楽にした。好機を作り出したのは、前半にPKを決めていた高原だった。相手陣内で、ボールに激しくアプローチすると奪取に成功。そのまま直線的なドリブルでゴール左に持ち運ぶと、DFを振り切り、逆サイドにシュートした。これはGKが弾くも、「あの場面ではニアを狙いがちですけど、そこはタカさんですよね。タカさんなら、俺や樋口がいるのを見て、こぼれることも考えてファーを狙ってくると思った」という天野が詰めていた。「そう思っていたら、本当にそのとおりになった」という天野は、こぼれ球を押し込み、さらにリードを広げた。 福島は長身の選手を投入するなど、ロングボールを多用しつつ、SC相模原ゴールに迫ってきたが、最後のところで身体を張ってしのぐことができるのが今シーズンのチームである。54分には星雄次に、82分には齋藤恵太にフィニッシュされたが、これもGK佐藤が好判断で防ぎ、難を逃れた。 201500503_MR_J309_04 |次節は首位・山口と今季初の3連勝を懸けて戦う 前節の富山戦に1−0で勝利していたSC相模原は、福島戦に2−0で勝利し、今シーズン3度目となる連勝を飾った。順位も2位へと浮上し、首位・レノファ山口に勝ち点2差で迫っている。次節は今シーズン初の3連勝を懸けて、その山口と対戦する。辛島監督は「守備をしっかりと安定させて、攻撃の質を高めていく。ただ、次は連戦の4試合目では、そこを求めていくかどうかは別」と、とにかく内容よりも結果にこだわる姿勢を見せた。 連戦を戦うなかで結果を追求することはできるか。次は首位との上位対決である。トロに続き、井上が負傷するなど、チームは満身創痍でもある。そのなかで、この試合で活躍した天野や、ボランチとして出場機会をつかんでいる成田恭輔のように、チャンスを与えられた選手の台頭は不可欠である。辛島監督も「フレッシュなメンバーを出すことで活性化するところもある」と、手応えを見せる。結果を追い求めつつも、総力戦で戦い抜くことで、夏や秋につながっていく。 次節、勝利すれば、今シーズン初の3連勝となる。最高の状態で再びホームに戻ってくることができるか。注目は集まる。