《試合結果》
SC相模原 0-1 ヴァンラーレ八戸
得点
60' 國分将(ヴァンラーレ八戸)
■Jリーグ公式ホームページ試合結果
https://www.jleague.jp/match/j3/2025/100415/preview/#preview
シュタルフ悠紀リヒャルト監督
--試合の総括をお願いします。
ヴァンラーレ八戸さん、勝利おめでとうございます。たくさんのサポーターが応援に来てくださったことには、本当に感謝しています。ただ、勝てなくて悔しかったです。
--プレーオフ圏に食い込むために一つでも多くの勝利が必要な状況で、試合前には選手たちをどんな言葉で送り出しましたか。
シンプルに「勝とう」と。やっぱりその強い気持ちを表現しないといけないし、もっと上手くなりたいという思いを出さなければいけない。自分たちはJ2を目指しているわけですから、その気持ちや姿勢が見ている人にも伝わるように、しっかり発揮していこうと話しました。
--その言葉の通り、立ち上がりから守備も攻撃もアグレッシブに、相手のストロングを消しながら押し込めた印象ですが、その手応えは?
内容は良かったと思います。ただ、結果がついてきていないので、足りない部分があるんじゃないかと感じています。
--0-0で折り返し、ハーフタイムではどのような指示を?
基本的には同じです。90分間を通して僕らが優勢に進めたゲームでしたが、0-0での折り返しになったので、勝ち点もまだ拾えていないから、集中力を高く保って、同じことを続けてパンチを打ち続けて、しっかりゴールネットを揺らして勝って帰ろうと話しました。
--失点シーン以外は、大きな決定機を与えることはなかったかと思います。
でも、その1本でこうして勝ち負けが決まるわけですから、その“たった1本”をやはり許してはいけない。気持ちの部分も含めて決して緩みがあったわけではなかったと思いますが、少ないチャンスをしっかり決めきっている八戸さんが今首位にいて、決めきれない僕らはプレーオフに絡めていないのが、その差なのかな、と。ただ、選手たちは今日の試合で“悔しいエナジー”を蓄えられたと思うので、次にしっかりぶつけていきたいです。
--それでも、特に攻撃面の課題感は少し拭えた感覚もあるのでは?
何とも言えないですね。僕らは今日もゴールネットを揺らせていません。岐阜戦も讃岐戦も無得点、群馬戦で1点、そして今日もゼロ。やはり得点が足りていない。
今、公式記録を見てもシュートが4本と出ていて、実際はもう少し打っていると思いますが、いずれにしても数が足りない。そういった部分はひき続き改善していかないといけないと思います。ただ、本当に紙一重のゲームでした。
--6位の奈良クラブとは勝ち点差が11に開いていますが、この差をどう捉えていますか。
簡単にひっくり返せるものではなく、今日の負けや先週の終盤に追いつかれたことの重みが響いてきています。でも、自分たちが目指す場所は変わりません。難しいからといって手を抜くことはないですし、さっき話した通り溜め込んだ悔しさを日々にぶつけなきゃいけない。小さなチャンスをつかむ準備を続けるだけです。極端な話ですが残り8試合で勝ち点24を積むことができるわけで、計算上は11の勝ち点をひっくり返すっていうのも、不可能ではない。上位陣との直接対決も残っています。大事なのは自分たちを磨き続けることだと思います。
--今日は7700人を超える観客が集まり、試合後には選手たちを批判するのではなく、拍手で迎えていましたが、どう感じましたか。
試合後、それは選手たちにも伝えました。僕たちの「勝ちたい」という気持ちや、何としても前に出て戦う姿勢がしっかり伝わったからこそ、拍手で迎えてもらえたと思います。現状プレーオフから勝ち点差が開いてしまって、ホームで連敗して、違う反応をされてもおかしくないような状況で、そういった迎え方をしてもらえたのは、今日の彼らのパフォーマンスに対しての率直なフィードバックだと受け止めています。
次こそは、サガミスタのみなさんにもっと喜んでもらえるように、そして僕たちも喜んで拍手を受けられるように。本当に信じられないぐらい多くの方が会場に来てくれたので、ぜひ勝った時の喜びや楽しさを味わってほしいので、また足を運んでもらえたらうれしいです。
MF/16 高野遼
--試合を振り返って。
1本でやられたな、というのが率直な感想です。今日は序盤から全員が集中して、守備の部分や際どい場面でも、いつも以上にしっかり戦えていたと思います。あとはもっとシュートを打つことや、自分も含めてチャンスをもっとつくれるようにしたいですね。本当に悔しいです。
--「得点にはつながっていない」という振り返りになるかもしれませんが、高野選手がいる左サイドから多くのチャンスをつくれていました。特に攻撃面でそんなことを意識していましたか。
相手は隙あらばガツガツ前から来るので、そこで1枚剥がせば前に進めるかなと思いながらプレーしてました。何度かいいシーンはつくれましたけど、相手も僕の縦の攻撃を警戒してきてなかなか突破しきれなくなりました。なので途中から下がって受けて(杉本)蓮や(綿引)康とも絡みながら、変化をつけたところは、悪くはなかったと思います。ただ、連携で崩す部分はもっと練習から突き詰めていく必要があるなと感じています。
--相手の八戸は長いボールを蹴りこんだあとの球際の強さと、クロスからの得点を強みとするチームでした。失点シーン以外は、そうした相手のストロング消せていた印象ですが、どんなことを意識していましたか。
まずはしっかり相手に体を当てて跳ね返すこと、そしてその後のセカンドボールへの反応は絶対に負けないというところは、意識していました。自分たちが前に蹴った時も、今日は特にゴリ(加藤拓己)がすごく頑張ってくれて、彼が競り合った後に、周りで蓮や自分がセカンドボールを回収するという狙いは出せていました。もちろん前線だけじゃなく、みんな一人ひとりしっかりボールに寄せてプレッシャーも上手くかけられていたと思います。
ただ、たった後半のあの1本だけでやられてしまうのが今の自分たちの力なのかなとも言えるし、八戸はそれを決められる実力なのか運なのか……。でも、そういう力があるからこそ、首位にいるのかなとも感じました。
--失点シーンについては、どう振り返りますか。
クロスが上がる前の対応については、できれば僕が抑えなきゃいけなかったところだったんですが、カットインされて逆足で振られたので、反応が少し難しさがありました。ただ、自分ももう少し寄せに行くべきでしたし、中の対応ももう少し粘らなきゃいけなかった。本当にあの1本でやられてしまったので、抑えて、最悪でも0-0で終えなきゃいけなかったと思っています。
--攻撃の厚みはここ数試合と比べてもあったと思いますが、「シュートを増やす」ためにはなにが必要だと感じていますか。
「思い切り」という言葉で片付けてはいけないと思うんですけど、今日は本当にいろんな選手が後ろから前に出てきて推進力のある攻撃ができていました。ただ、ゴール前ではもっと強引に仕掛ける場面が時には必要ですし、『自分がやってやろう』という気持ちをもっと出さないといけない。やりきるという部分では、各々考えたり感じなきゃいけないものがあるのかなと思います。
--手応えもあったからこその悔しさもある中で、この敗戦をどう受け止めて、生かしていきたい?
内容自体は決して悪くなかったと思います。ただ、この今感じている気持ちをみんなが忘れずに、次の1週間でしっかり準備して、次の試合にぶつけていくことが大事です。もちろんプレーオフ圏内という部分も意識しないといけませんが、まずは目の前の一戦一戦に集中して、全力で臨むことがすべてだと思います。一試合一試合勝っていけば、結果も自ずと見えてくるはず。今日感じた悔しさをしっかり持ち帰って、来週はみんなで、もっといい準備をしたいです。
FW/23 加藤拓己
--試合を振り返っての、今の気持ちを教えてください。
勝てる試合を落としてしまったな、というのが正直なところです。失点もそうですが、ちょっと簡単に与えすぎた部分もありましたし、決めるところを決めきれない勝負弱さも出てしまいました。そういう部分を、首位のチームから学べた試合だったかなと思います。
もちろん、今のチームの状況があまり良くないことと、自分自身のコンディションもまだ十分には上がりきっていないことも勝てなかった一つの要因だとは思います。でも、それを言い訳にはできない。今日も目の前の相手、一人ひとりに負けない姿勢を最前線で示すこと、そしてその姿勢でチームを鼓舞することを意識して挑みました。ただ、勝利に至らなかったのは自分の力不足です。もっとチームを鼓舞し、貢献できるプレーはあったと思うし、試合を振り返ると後悔が残る部分も多いです。
--「コンディションがあまり良くない」という話もありましたが、今日は加藤選手のフィジカルの強みがすごく生きて、先ほど高野選手も「すごく助かった」という話をしていました。
八戸は基本的にロングボールを蹴って、それを跳ね返して攻めていくサッカーですし、その強みを理解していました。今日の試合では、前線で競り合って、そこから起点をつくることが自分の役割だったので、それはとにかく頑張ろうと。ただ、そこからゴールまでつなげられたシーンは少なかった。もっとチーム内でのコミュニケーションを合わせていく必要があると感じたので、練習で改善していきたいです。
--この敗戦をどう受け止めたいですか。
でも、もう日々修正の連続でしかないかなと思っています。今日うまくいったプレーもあれば、うまくいかなかったプレーもありますし、同じシーンが次の試合で必ず起こるとは限らない。ただ、映像を見ながら、良かった点は次に活かすし、悪かった点は見つめ直して修正する。そうした細かい作業を繰り返すことが、ラスト8試合では非常に重要だと感じています。