《試合結果》
ザスパ群馬 1-1 SC相模原
得点
72'杉本蓮(SC相模原)
90'山口一真(ザスパ群馬)
■Jリーグ公式ホームページ試合結果
https://www.jleague.jp/match/j3/2025/092719/preview/#preview
シュタルフ悠紀リヒャルト監督
--試合の総括をお願いします。
選手たちが非常に熱いゲームを見せてくれたと思うので、勝ちきれなかったことが悔しいです。
--先にスコアを動かし、数的優位にもなった状況で追いつかれてしまった。悔しさもあるかと思いますが、その点についてはどう捉えていますか。
はい、悔しさはもちろんあります。
群馬はボールを持たせたらリーグでも1、2を争うようなチームで、少し苦戦する時間帯もありました。ただ、トータルで見れば選手たちは勝利に値するパフォーマンスを見せてくれたと思いますし、本当にあと一歩という試合でした。追いつかれた後も多くのチャンスがあったので、あそこで2点目を決めて勝ち点3を持ち帰れたら良かったですが、それが叶わず非常に悔しい結果となりました。
MF/24 杉本蓮
--アウェイゲームで先制点を奪いましたが、ゴールシーンを振り返って。
自陣から始まって、そのままゴールにうまく繋がったシーンでした。まず島さん(島川俊郎)のフリックからボールを受けて、後ろに(高野)遼くんがいるのはわかっていたので、自分もそのままフリックして前に上がろうと考えていました。そこから(綿引)康くんがうまく運んで、いいパスを出してくれました。
最後はゴールとディフェンスの間に速いボールを入れたら、相手にディフレクションしてくれて、いい形でゴールにつながったと思います。
--結果的に、綺麗な山なりの軌道で決まりましたね。
そうですね。まあ、結局オウンゴールっぽい感じなんですけど(笑)。あそこまで行ったらやっぱ変に切り返しするのではなくて、相手にとって“怖いボール”を出していこうというのは意識してたし、監督からもシュートを打てとは言われてたので、思い切れて良かったです。
--試合全体自体はどう振り返りますか?
前後半を通して、スタメンで出た選手たちはハードワークも良く、球際も強く、しっかり走れていました。何度かチャンスもつくっていい勝負ができていた中で、先制点を取れたのは大きかったと思います。ただ、その後の試合の運び方という部分は課題もあるし、もったいなかったなというのが正直な感想です。
--前半自体はどう見てましたか?
相手はボールポゼッションではリーグ1位のチームで、足元の技術も高いのは分かっていたので、その上で、僕たちはハードワークを大事にしようと話していました。前半は押される時間帯もありましたけど、自分たちもチャンスはあった。なのでポンと点が入れば流れは変わるかな、と思っていました。
--杉本選手が入ってからかなり流れ変わった印象でしたが、どんなイメージをもちながらプレーしていましたか。
いつも通りですかね。自分は途中から入る立場が多いので、流れを変えられるような形で入りたいと思っていますし、チームメイトに違う刺激を与えられたらいいな、と。自分らしくドリブルで剥がしたり、中央でのコンビネーションを増やしていこうと思って入りました。
個人の動きだけ振り返ると、特別いいとは言えなかったですけど、一緒に出た三鬼(海)くんのところで時間をつくれるようになったので、そこに連動しながらボールを受けてターンして、ゴールに直結するようなプレーができたらいいなとは考えていました。そこは何度かいいシーンをつくれたかなと思います。
--この「勝ち点1」をどう受け止めていますか。
下を向いてはいられないですが、勝ち点1を拾えたこと自体はうれしいと思う反面、失点の時間帯を考えるともったいなかったなという思いもあります。残り9試合のなかで、“勝ち”を積み上げていくことを強く意識しないと、プレーオフや昇格には近づけないと思います。
DF/54 綿引康
--相手にボールを保持されながらも、粘り強い守備を見せていましたが、試合を振り返って。
前半から、1週間かけて準備してきた相手への対策がうまくハマっていましたし、ボールも奪えて流れも良かった中で先制できました。さらに相手が退場した状況でも、勝ちきれなかったことだけが本当に残念で、それに尽きると思います。
--相手の前線からのプレスもかなり速かったと思いますが、そこについてもしっかり対策してきたことを出せた?
相手のプレッシャーが速いことはわかっていましたし、順位的にも必死にやってくるのは想定していました。前半はうまくいかない時間もあって、そこについては自分たちの力不足でもあります。ただ想定内のことでもあったので、ビビらずに続けていこうとチームの中で声を掛け合っていました。
--相手の右ウイングバックの下川(太陽)選手はかなり機動力がありましたが、マッチアップする高野遼選手との役割分担や、押される時間に意識していたこはありますか?
基本サイドは(高野)遼くんが対応して、自分は西村(恭史)選手とか安達(秀都)選手が落ちてきたところを、余らせずしっかり出ていこうという話をしていました。うまく分担しながらやれたし、大きな問題はなかったかなとは思ってます。
--群馬はポゼッション志向ではありつつ、今日はロングボールを蹴ってくるシーンもいつもより多かった印象ですが、そこでの難しさも特にはなかった?
そうですね。前からこちらが奪いにいこうとすれば当然裏を狙ってくるし、そこの対策もしていました。思ったよりたしかに多かったですけど、そこまで怖さはなかったです。
--後半、うまく前線にボールを運んで先制点をアシストしました。
このチームは、僕のポジションでもある左右のセンターバックが攻撃参加して厚みを出すのが特徴の一つだったんですが、ここ数試合はなかなかそれが発揮できていませんでした。そのなかで今日は「チャンスがあれば前に出ていこう」と監督も強調していたので、思い切って前に出た結果、ああいうチャンスにつながりました。
その手前で僕が出したパスもけっこうギリギリだったんですけど、島さんがうまく前に当ててくれて、(高野)遼くんもしっかり落としてくれました。僕にとっては完璧なボールが2本つながったので持ち運んで、あとは(杉本)蓮に託して、しっかり決めてくれました。
攻撃に参加するところは自分の長所でもあるし、サイドが対応されても、自分が湧いて出ていくっていうようなことができれば、もっと攻撃に厚みが出るかなとは思っているので、これからも積極的に得点にも関わっていきたいです。
--失点シーンについては、ディフェンスラインの配置を替えた難しさもあったかと思います。
数的優位の状況ではありましたが、裏に出た後の2列目が空いてしまい、そこからシュートを打たれてしまいました。自分も120パーセントの力で戻っていれば間に合ったかもしれないですし、一人ひとりがもうひと踏ん張りできていれば、シュートまで持って行かれなかったのではないかと思います。自分たちの甘さが出てしまった失点でした。
--連敗はストップできましたが、この勝ち点1をどう受け止めて、どう次に生かしていきたいですか?
勝ち点1を積めたことは、直近の2試合を考えれば成長した部分だと思います。ただ、僕たちの目標であるプレーオフにはまだ程遠い。6位の奈良クラブも引き分けて勝ち点差は縮められなかったし、僕の中ではやはり「勝てなかった」ということだけが残っています。
ただ、もう勝つしかない。引き分けではなく、全員で「勝ちに行く」という気持ちを意思統一して、戦い方も全員で固めていかなければいけないと思います。