《試合結果》
SC相模原 1-0 ギラヴァンツ北九州
得点
54' 中山陸(SC相模原)
■Jリーグ公式ホームページ試合結果
https://www.jleague.jp/match/j3/2025/082318/live/#live
シュタルフ悠紀リヒャルト監督
--試合の総括をお願いします。
前節は非常にいい内容のゲームができたものの、勝ち点ゼロという結果に終わってしまいました。なので今節は内容はもちろんですが、勝ち点にこだわっていこうという心持ちで臨みました。前半は前節同様にいいゲームができましたし、後半も得点するまではいい流れをつくることができていました、最後は気持ちで守り切りました。かなり押し込まれましたが、1-0で終われたことは、ポジティブなのかなと思います。
ーー加入後初先発でJリーグデビューとなった田鎖勇作選手ですが、ボランチが本職の彼をシャドーで起用した狙いと評価を教えてください。
これは普段から僕がずっと言っていることではあるんですが、選手起用についてはこれまでやってきたポジションがどうというのではなく、プレーの得意、不得意はなにかというところで見ています。なので、今日に関しては、彼の特徴でもあるボールを引き出すセンスや、ターンをしてボールを前進させる動きや運動量があの位置では必要だという判断をして抜擢しました。試合も勝ちましたしいいプレーが多かったと思うので、本人としてもいいデビュー戦になったんじゃないかと思います。
ーー前半ボールを長く保持できた要因は?
相手がプレッシャーをかけづらいところに、勇作や陸、徳永(裕大)、竹内崇人がよく顔を出してくれて、バランスの取れたポゼッションサッカーが出来きました。
ただ、チャンスの数でいうともう少し背後の迫力だったり、ボックスへの人数の掛け方は伸びしろがあるように思います。公式記録だけ見れば、シュート数は3本というのはあまりにも少ない。決定機を多く生み出すことにはこだわっていかないと、後半苦しくなってしまいます。
今日は僕らがボールをにぎっていたので、本来は相手の方が消耗するはずですが、後半失速してしまったので、そこについては課題が残るゲームになりました。
ーーもう一人、中山陸選手も加入後初先発でゴールを決めてくれました。
彼は一つひとつのパス、そしてフィニッシュについても質の高いプレーを体現してくれます。後半の得点シーンは加藤大育のクロスも素晴らしかったですが、背後の取り方からシュートポイントまで今週詰めていた狙い通りの形でした。それがきちんと結果に結びついたことは非常に喜ばしいことです。
一番素晴らしいのは、相模原のアカデミーに3年間所属した選手がクラブに帰ってきて、“No.10”を背負って、こうやって活躍することはクラブとしてこれ以上のことはないと思います。
今日はボールパーソンはジュニアユースの選手が担当していましたが、同じように「未来の中山陸」が生まれてくれたらいいなと思います。
(※機材トラブルにより本日のホームゲーム監督会見動画のYouTube公開はございません。申し訳ございません。)
MF/41 田鎖勇作
ーーJリーグデビューを飾りましたが、今のお気持ちは?
最初にスタジアムに入った時は緊張したんですけど、自分にできることや監督に言われたこと、練習で意識したことを出して、自信を持ってプレーすることが大事だと思ってピッチに立ちました。前半は特に、ボールに関わりながらいい感じにプレーできたんじゃないかなと思います。チームも勝てましたし、ひとまずホッとしています。
ーー事前にアンカーやボランチが主戦場と聞いていた中で、シャドーを任されましたが手応えは?
自分のサッカー人生で、シャドーの位置でプレーをしたことはほとんどなかったので、正直驚きました。ただ、相模原のサッカーだと、ボランチの選手が一つ前でプレーすることは当たり前にやっています。少し不安はありましたけど、実際プレーしてみたら「やれるな」という感覚はあったし、今後同じようにできると思っています。
ーー田鎖選手もうまく絡みながら、右サイドからチャンスを何度かつくっていましたね。
監督からは、「中でプレーをしていいよ」とは言われていました。ただ、前半は内側にいる時間が長くなってしまって、右のサイドの選手と関われていないことが多くなりました。そこの状況判断はこれからもっと工夫してできたら、最後の崩しの部分でもう少し相手の怖いところに入っていけるのかなと感じています。
ーー緊張していたとは思えないほど堂々とプレーしながら、味方に指示を出す姿も印象的でした。
自分はまだ特別指定ではありますけど、来年に加入が決まっている身です。先発として選んでもらって試合に出させてもらったので、監督の要求以上のプレーや、仲間への声かけをしていかないと上は目指していけないと思っています。そこは年齢関係なく、チームが少しでもいい方向に行けるように今後も意識していきたいです。
MF/10 中山陸
ーー移籍後初ゴールおめでとうございます。ゴールシーンを振り返っていただけますか。
監督からずっと「ペナルティエリアに入っていってくれ」とは言われていました。練習からやってきた形で、分析も含めてみんなで取ったゴールかなと思います。
ーー加入後初先発の試合で初ゴールという、完璧な“復帰戦”となりましたね。
これまでも、こういう節目の試合でゴールを決めてきたイメージはあったので、今日もいい雰囲気の中で試合に臨むことができした。自分は、たくさんボールを受けて捌いてテンポをつくっていくことが得意なので、仲間からの信頼も必要な中で、まずはゴールという形で結果を残せたことは良かったです。ただ、得点以外はあまりいいプレーができなかったので、来週末に向けてさらにいい準備をしていきたいです。
ーー試合全体としては、そこまで満足していない?
そうですね。相手のサイドが出てきたところの背後のスペースを使うことはできていたんですが、そこからのつながりや前への運びはうまくできなかったなと感じています。ボールを失わないという持ち味があるなかで、少しロストしてしまう場面もあったのでそこは反省したいです。
DF/2 加藤大育
ーー勝利おめでとうございます。試合全体としての感触はいかがでしたか。
前半はうまくボールを持てていい流れで試合を進めて、欲を言えば前半のうちに得点をできればベストな試合でした。でも、後半スカウティング通りに、相手のウィークを突いて得点することができたので良かったです。
ーー右サイドでチャンスをうまくつくれたのも、狙いどおり?
そうですね。あとはゴールシーンについてのクロスの位置も、ディフェンスラインと中盤の間が空くところは事前の分析のとおりだったので、いいボールを入れて、(中山)陸がうまく入っていいゴールを決めてくれました。
ーー前節3失点してしまいましたが、それでもしっかり守りながらアグレッシブに攻撃参加し、アシストをつけました。
自分の特徴でもあるので、攻撃参加は今日も変わらず意識していましたね。
あとは、(三鬼)海くんも後ろで受けてリズムを作る選手なので、海くんが空けてくれたスペースに自分が走り込めればと思っていました。
ずっと一緒にやってきて、いいコンビネーションも出せていたので、それがうまく得点につながって良かったです。
ーー終盤はかなり押し込まれましたが、最後まで無失点で守り切りました。
(天皇杯の)川崎フロンターレ戦から変わらず、ゴール前でしっかりブロックを敷けば失点しないという自信はあります。本当なら、ボールをにぎる展開を最後まで続けられたら良かったですが、気持ち的に「失点はしたくない」という気持ちが、自分としてもチーム全体で上回ったのかな、と。それでも、ピッチにいる全員で意思統一さえできれば、どの相手でも今後もうまく守れるかなと思っています。