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07-17-2025

 試合結果 

【7/16天皇杯3回戦 vs 川崎】試合結果・監督・選手コメント

《試合結果》

川崎フロンターレ 0-0 SC相模原
( 1 PK 3 )



シュタルフ悠紀リヒャルト監督

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--試合を振り返って。

疲れました(笑)。前半からPK戦を経て勝利するまで、選手たちは「今日、フロンターレに勝つんだ」というミッションに徹してくれました。フルタイムで勝ち切れればもっと良かったんですけど、シナリオ通りに前後半を戦ってくれたと思いますし、それをとても誇りに思います。

フロンターレさんは、今季ACL(AFCチャンピオンズリーグエリート)で日本代表として準優勝したり、今もJ1でいい位置につけていたりと素晴らしいチームです。クオリティもそうですし、我々が学ぶべきことは本当にたくさん詰まっていて、そんなものすごく強い相手にも、みんなで走って、戦って、助け合えば、勝てるのがフットボールだと思います。それを今日、PK戦ではありましたが、勝利できたことは本当に良かったと思います。

リーグ戦では苦しい結果が続いていて、天皇杯は別の大会なので勝ち点は残念ながら持ち帰れませんけど、サガミスタの皆さんが少しでも喜んでくれる結果を出せたのなら本当に良かった。それに、フロンターレのサポーターの皆さんは、さすがで、水色に染まる景色や応援を見て、「いつか我々のホームスタジアムも、こうなったらいいな」と思いました。今日の勝利を励みにして、これをリーグ戦につなげていけたらと思います。

--天皇杯では水戸ホーリーホック、ジュビロ磐田、川崎フロンターレと、格上クラブに3連勝できた要因と、J3で同じカテゴリーの相手に勝ちきれない違いはどんなところにありますか?

まず一つ、上位カテゴリーのクラブの方が整理されているなというか、それぞれのクラブにフットボールの色があり、特徴があり、武器があります。そういったチームを分析して、ウィークポイントを刺すことは、自分の得意とするところでもあります。それが整理されているチームであればあるほど、シミュレーションしやすく感じていて、そういうところが一つ要因としてあるのかなと思います。

もう一つは、J3のレベル自体が非常に上がっていることも(勝ちきれない要因として)間違いなくあると思います。日本のフットボールはJ1からJ3も含め、世界でも類を見ないスピードで成長していると思います。私がJ3で指揮を執らせていただいた7年前と今とでは、もはや別のスポーツと言っても過言ではないくらいJ3も強くなっています。J2を独走している水戸や、昨季までJ1にいた磐田、ACLで準優勝した川崎に勝てたからと言って、J3で勝ち続けるのは簡単なことではありません。

そしてもう一つ、我々はこの大会に関しては「運」もいいです。「勝負は時の運」と言いますけど、今日のようなPK戦になれば、練習はしましたけど勝敗の半分は運になります。磐田戦も、水戸戦も、そして今日も、運がこちらに傾いてくれたと思っています。その一方で、J3では最近その“運”に見放されている感じもあるので、その運を週末の試合にも繋げられればと思っています。

--今日は3バックの並びが変わり、前田泰良選手が今季の公式戦で初スタメンでした。その意図は?

まず右サイドは、相手がすばしっこいブラジル人選手(マルシーニョ)を起用してくる可能性があったので、そこにスピードで負けない藤沼(拓夢)をぶつけました。ただ、彼は私が今季ウイングバックにコンバートしたばかりで、守備のポジショニングなどで課題もあります。その隣に、日本語で指示が出せる加藤(大育)を置いて、ポジションの修正や狙いを持った守備ができるようにしたことが一つです。

中央は、小林悠選手が出てくるかどうかの確証はありませんでしたけど、神田(奏真)選手だったとしてもピトリックとの相性はいいのかなと考えました。そして左サイドは、家長(昭博)選手が来た時のことを考えて、彼はフィジカルが強く左利きなので、左利きの選手をぶつけた方がやりづらくできるかなと、いくつかの試合を見た上で、そのように判断しました。攻撃の意図など、もう少し細かく言えばいろいろありますけど、総合的に判断してそうしました。

前田に関しては、前半の守備では5-3-2と5-4-1を併用する形を採用していて、ミドルプレスと低い位置で引いた時のブロックを使い分ける戦術を準備していました。そこのキーマンが前田で、彼を起用しなければ実現できない戦い方でした。それに、彼はものすごくいいフィニッシャーでもあります。後半、ボックス内から左足でシュートを打ったシーンがありましたけど、本当ならあそこで決めて90分間で勝てていれば良かったですけど、攻撃面でのそうした期待もありました。ただ彼だけでなく、今日は全員が本当に良くやってくれたと思っています。

--最後まで声援を送ったサガミスタへメッセージをお願いします。

応援にはいつも感謝しています。我々は勝った時、「ファミリア」という歌を歌いますが、今日は、その“大切な家族”と勝利の喜びを分かち合えて、本当に最高でした。

リーグ戦では彼らの期待になかなか応えられず、苦しく悔しい思いをたくさんさせてしまっていますけど、今日のようにどれだけ結束できるかが“家族”だと思います。今日のような喜びをまた分かち合うためにも、ぜひ次のリーグ戦も一緒に戦ってほしいなと思います。

こんなに大きなスタジアムで、こんなにフロンターレのサポーターがいても、声援は耳に届いていましたし、選手にも届いていたはずです。みんなの力が組み合わさって今日は勝てたと思いますし、先週のリーグ戦での悔しい敗戦は、みんなの力が足りなくて勝てなかったとも思います。サガミスタも今日は帰りが遅くなって大変だと思いますし、次は中3日での試合になりますけど、明日はしっかり仕事を休んでいただいて(笑)、のど飴を舐めて週末の栃木SC戦にも来ていただいて、みんなでまた勝利を目指しましょう。

GK/46 ノアムバウマン

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--前半から非常に集中したプレーをし、勝利を収めることができました。

まずはチームメイト、スタッフ、サガミスタのみんなに「ありがとう」と言いたいです。自分自身こういった経験は初めてで、J1のクラブを倒すことはもちろん難しいというのは分かっていましたけど、1回戦では水戸ホーリーホックに、2回戦ではジュビロ磐田に勝てたので、「不可能」だとは思いませんでした。みんな自信を持ってプレーできて、勝利できたと思います。嬉しいですけど、この結果は驚きではありません。

--押し込まれる時間も長かったですが、普段のリーグ戦とは違ってやるべきことが徹底されていたようにも見えましたが。

長い間、守備を強いられてみんな大変でしたけど、後ろはすごく自信がありました。J1のクラブが相手で普段以上にクオリティが高いのは分かっていましたけど、私たちも能力は高いですし、自信を持ってプレーできていました。みんなすごく集中できていて、守備もうまくできたと思います。

--加藤大育選手、ピトリック選手、常田克人選手の3人を中心にそれぞれの守るエリアを分業しながら集中して120分間守れていたのでは?

今日のディフェンスは素晴らしかったですし、いいディフェンダーたちと一緒にプレーすることで、私もより自分のプレーに集中できて、いいパフォーマンスを発揮することができます。

--試合中はどんなコミュニケーションを取っていましたか?

指示は僕からも出していましたけど、3人とも十分経験のある選手で信頼しているので、それぞれの判断を信じていた部分もありました。

--PK戦での心境を教えてください。

これまでもPKを止めてきた回数は何度もあったので、自信はありました。PK戦で一番プレッシャーがないのはGKだと思っていて、自信を持ちながら自分のできることをやろうと思って臨みました。

--バウマン選手は流れの中で打たれたシュートに対する反応はすごく長けていると思うのですが、PKは先読みして飛んでいるのでしょうか?

早く動かず、我慢しながら様子を見て、最後の瞬間に飛んでいます。

--その時はキッカーの軸足なのか、体全体の動きなのか、何を見ていますか?

足の動きと、目を見ています。目を合わせて、相手にプレッシャーをかけるようにしています。

--自分がヒーローになったという気持ちは?

いえ、チームの勝利だと思っています。

--今日はたくさんのサガミスタが気合いの入った応援をしていました。声援を背中に受けて、どう感じましたか?

いつも熱く応援してくれるサガミスタには、非常に感謝しています。今日はアウェイにも関わらず熱い応援をしてくれて、それはチームの力になるので、すごくありがたいです。

--バウマン選手のコールがされる回数も今日は多かったですが、聞こえていましたか?

何度も聞こえていましたよ!ありがとうございます。

--次は、中3日で栃木SC戦です。意気込みを聞かせてください。

このエナジー、この勢いを次のリーグ戦にも持ち込みたいと思います。ポジティブな空気を次に繋げたいですし、自信を持って戦い、勝つことしか考えていません。次も頑張ります!

MF/15 前田泰良

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--勝利おめでとうございます!川崎フロンターレに勝利を収めた気分はいかがですか?

素直に嬉しいですけど、「勝ちに来たんだ」という気持ちで臨んでいましたし、みんなやれるだけのことはやっていました。本当にギリギリの戦いでしたけど、その気持ちが勝利に繋がったかなと思います。

--公式戦でのスタメン起用は、前田選手は今季がこの試合が初めてでした。どんな思いでピッチに立っていましたか?

正直、昨日までは「ベンチかもしれない」という立ち位置にいましたけど、どちらでもいけるように準備はしていました。ただ先発に抜擢してもらって、「失うものはなにもないし、こんないい相手と、いいスタジアムで試合できる機会はJ3にいる以上なかなかない」と思って、自分の価値や、チームの価値を高めるようなプレーをしたいという強い気持ちで臨めました。

--キックオフ直後に前田選手が相手のディフェンスにプレッシャーをかけてスライディングでブロックした場面は、今日の試合のスイッチを入れたようにも見えましたが。

あれが自分の良さでもありますし、「今日はこれくらい行くぞ」という気持ちを示したかったので。あのプレーでチームにも火を点けられたらと思っていましたし、個人としても良かったなと思います。

--シュタルフ監督は5-3-2と5-4-1を使い分ける中で、前田選手を守備のキーマンに据えていたと話していました。

直前のミーティングでそう言われました。可変するような守備の形ではありましたけど、そこもイメージ通り入れました。前半も特にやられることはなく、監督が求めていることは発揮できたかなと思います。

相手がボールを持っているエリアによって(フォーメーションを)使い分けていて、引き込む時は5-4-1のブロックで、逆に前から行くときやミドルゾーンでは3-5-2の形を保ちながら、自分のところで押し返すことを意識していました。走る量も相当多かったですし、頭も使いましたけど、中盤の3人ともよくコミュニケーションを取りながら、うまく守備ができたと思っています。

--相手はほぼベストメンバーで臨んで来ていましたが、実際に戦ってどう感じましたか?

ボールを持たれることの方が多かったですし、技術や一つひとつのプレーの質の違いはもちろん感じました。でも、「やれないことはないな」と自信を得られましたし、この勝利で「もっと上を目指したい」という気持ちがさらに強くなりました。

ただ、後半に左足でシュートを打って、ふかしてしまったのは、まだまだ課題だと思います。もっともっと練習して、ああいう決定機を仕留めて、90分で決着をつけられるような力をつけていきたいなと思います。

--左サイドで河野諒祐選手がドリブルでえぐって、マイナスに折り返してきたボールにフリーで合わせた形でしたよね。

はい。ああいうのは得意なはずですし、集中はしていたんですけど、振りすぎてしまいました。「止めようかどうか」っていう迷いが出てしまったのかもしれません。

--その後、周りの選手が足をつって交代していく中、前田選手の強度は全然落ちず、さすがでした。

コンディションは本当にいいですし、チャンスをもらった時に(いいパフォーマンスを)発揮できるように、日頃の練習からコンディショニングスタッフを含めてずっと調整してもらっていますし、キツい練習もずっとやり続けた成果が出たと思います。頑張ってきてよかったなと思います。

--PK戦の時は、ベンチでみんなで肩を組んで見ていましたがどんな思いでしたか?

昨日もPKの練習はしていましたし、うちには心強いGKもいて、みんな「失うものはない」という気持ちを持って蹴っていました。自分も蹴りたい気持ちはありましたけど(笑)、見ていて「これはいけそうだな」という感覚がPK戦が始まる前からありました。「ここまで来たら勝つしかない」と話していましたし、本当に全員が一つになっていました。

--4回戦はJ2のブラウブリッツ秋田との試合になります。

水戸、磐田、川崎と格上を倒してここまで来たので、行けるところまで行きたいと思っています。次の相手も格上ですけど、今日の試合で「自分たちはやれる」ということは示せました。自信を持って、しっかり倒せるように向かいたいです。そしてなにより、リーグ戦でも結果を出していけるように、また明日から頑張りたいです。

--ちなみに、ベスト16には東洋大学の後輩たちも勝ち上がってきています。

終わった後に速報をすぐ見ました。彼らは90分で決着をつけていたので「すごいな」と思いました。J1を二度倒しているので本当にすごいですね。年々強くなっていて本当に頼もしい母校ですし、もし対戦できたら嬉しいですね。

DF/2 加藤大育

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--川崎フロンターレから勝利を挙げて、今の気持ちはいかがですか?

シンプルに、嬉しいです。勝てたことはこれからの自信につながりますし、リーグ戦にも繋がるような勝利だったかなと思います。

--マルシーニョ選手を始め、レベルの高いアタッカーと対峙して。

相手が速い選手っていうことはわかっていたので、なるべく裏に走られないようなプレーを心がけました。相手のプレー回数もそこまで多くなかったですけど、ずっとやられっぱなしという印象はなく、何本か止められたシーンもあったので、良かったかなと思います。

自分はもっと上を目指していますし、ああいった選手を倒していかないと上にはいけませんし、あそこで負けていたら「自分はそこまでの選手なんだな」と思うしかないので、そういう気持ちで臨みました。

--今日は3バックの並びが普段と違いましたが、どんなことを狙いとしていましたか?

右サイドの連係で、ケヴィン(ピトリック)だと言語の面で難しいところもあるので、監督から拓夢くんとしっかりコミュニケーションを取りながらやってほしいと言われていて、そこはうまくできたかなと思います。

うちの左サイドからうまく剥がされてサイドチェンジされた時に1対1になる場面は怖さもありましたが、それ以外の場面では自分たちはしっかりブロックを引いて、最後はゴール前で体を張ってシュートを防げていたので、そこはすごく良かったです。オープンな展開ではなかったので相手の特長であるドリブルもそこまで出せていなかったかなと思いますし、多少のやりづらさはありました。やられはしませんでしたけど、自分のところで1対1で完全に勝てていたわけではなく、仲間が戻ってきてくれたおかげもありました。チームで守ることができたので、良かったなと思います。

--シュートブロック一つにしても、普段のリーグ戦以上の気迫を感じました。

カップ戦は負けたら終わりのノックアウトステージなので、1失点の重みがリーグ戦よりもずっと大きいですし、今日は「今は守るぞ」というみんなの意思がしっかり一つになっていたから、ああいう形で守り切れたと思います。

--今日の試合を終えて、一皮剥けた感覚はありますか?

自分は数年前までは関東リーグでプレーしていて、まさかこうしてJ1のチーム相手に試合ができるなんて、夢にも思っていませんでした。こういった環境でプレーできていることは本当にありがたいことだと感じています。ただ、自分は最後にPKを外してしまったので……そこはチームメイトに助けられたなと思います。次は自分がチームを助けられるようなプレーをしていきたいですね。

--加藤選手が決めていればあの時点で勝利となっていたはずですが、どんな気持ちでPKを蹴りましたか?

緊張はせず、楽しめてはいましたけど、決めなきゃ意味がないですからね。もっと練習して、もし次も蹴らせてもらえるなら、しっかり決めたいです。

--勝ったから聞けますが、外した瞬間はどんな思いでしたか?

「やってしまったな……」と。でも、みんなが声をかけてくれましたし、高野(遼)選手がしっかり決めてくれて救われました。

--J1に行けば今日のような雰囲気が日常になってくると思います。「上に行きたい」という欲は強くなったのでは?

そうですね。試合前からテンションもすごく上がりましたし、「こういう環境を日常にできたら、もっともっといい景色が見えるんじゃないか」と思います。

--リーグ戦もまだ後半戦が始まったばかりで、昇格の可能性は残されていると思います。今後に向けた気持ちはいかがですか?

まずは栃木SC戦に必ず勝って、もっともっと上に上がっていくきっかけにしたいですね。天皇杯に関しては、次の相手も格上なので、自分たちが今日できたことを継続しながら、さらにやらないといけないことを増やしていく必要があると思って、頑張っていきたいです。

--試合後のロッカールームでは、体力を出し尽くしたはずなのに何度もみんなでファミリアを歌う声が聞こえてきましたが(笑)。

アドレナリンが出て、みんなハイになっていたんだと思います(笑)。

--今日は眠れそうですか?

ちょっと今日は寝られなさそうですね(笑)。余韻にも浸りたいので。でも、次の試合もすぐ来るので、しっかり回復に努めたいと思います。