《試合結果》
SC相模原 0-1 福島ユナイテッドFC
得点
19'森晃太(福島ユナイテッドFC)
■Jリーグ公式ホームページ試合結果
https://www.jleague.jp/match/j3/2025/071211/live/#live
シュタルフ悠紀リヒャルト監督
--試合を振り返って。
特に前半ですけど、今日は勝利インタビューができるんじゃないかというパフォーマンスを選手たちは見せてくれていましたので、そこに対してはよくやってくれたと思います。こういったゲームが0-1で終わるのは悔やまれますし、特に福島さんからはホームとアウェイの試合を合わせて勝ち点6に等しい内容のゲームができていましたけど、勝ち点1しか取れませんでした。本当にそこは「悔やまれる」の一言だと思います。
後半は自分たちが負けている状況だったので焦ってしまい、最後の2、30分は前半ほど多くのチャンスを作れなかったことは反省すべきポイントだと思いますけど、前半は前線からの守備もそうですし、攻撃の崩しもそうですが、チャンスの演出まで準備していたものを出してくれたと思います。僕らはどこに行っても“アウェイの笛”に流されるので本当に悔しいですけども、それを上回る強さを身につけないと現状を打破できないと今日のゲームでも改めて突きつけられました。
--今日は3-4-3でスタートしたように見えましたが、選手たちの特長を発揮しやすくするものだったのか、相手の配置を見てなのか。
配置だったり、相手の特長だったり、フットボールに対して、一番有利に戦えるように、そういった戦い方を選びました。我々の積み上げてきたものを大切にしながらも、攻守において相手のウィークポイントをしっかりと突いていけるような配置だったんじゃないのかなと思います。
--前節からメンバーの入れ替わりもありましたが、どんな部分に期待しましたか?
毎週勝利しか考えていないので、勝利に近い20人を選んでいます。相手との噛み合わせやマッチアップを考慮して一番勝率が高い11人をスタートに選び、後半にパワーアップさせてくれるんじゃないかという9人をベンチに入れて臨みました。
先ほども言ったように前半はプラン通りのゲームが失点シーンを除けばほぼできていたと思いますし、うまくいけば4-0や5-0で折り返せたゲームでしたけど、今日は相手のGKがMVPだったと言えると思います。
--右ウイングバックの三鬼海選手のところからいいボールを何度も供給できていたように見えました。狙いとしていたこと、手応えを感じたポイントを教えてください。
福島は幅を省略して、中央での細かいコンビネーションを使うチームなので、そこに対して高い位置からの守備でボールを奪うことと、サイドバックの背後がウィークポイントだと思ったので、そこをシャドーとワイドの選手が2対1を作って崩す攻撃を狙っていました。あとは守備から攻撃、攻撃から守備への切り替えも狙いとしてありました。それから中で守るCBに対してのクロスへの入りや供給はできていたと思いますし、フィフティ・フィフティのクロスは100%繋がらないので、そういった時の攻守の切り替えや前線からの守備のショートカウンターもたくさん出せたのかなと思います。
あとはセットプレーが増えると予想していたので、攻撃の準備も入念にしていました。逆に、福島はセットプレーから点を取るチームでもあるので、守備の準備も抜かりなくしてきて、本来ならそういったものが勝ち点3で報われるべきでしたが、相手もあるスポーツですし、コントロールできない要因もあるスポーツなので、今日は運がなかったと言うしかないと思います。
--前半はシュートを7本打ったのに対し、後半は2本でした。どんなところに難しさを感じましたか?
シュート数については、我々がカウントしているものではなく公式記録に基づくものなので、例えばシュートを打ってもそれが相手にブロックされたらカウントされなかったり、大きく枠を外れたらカウントされないということがありますし、遠くからの入る見込みのないシュートがある程度枠の近くに飛んでいれば逆にシュートと見なされることがあるので、そこは解説が必要かなと思います。
後半はシュート数が極端に少なかったわけではないと思いますけど、ボックス内でフリーでヒットする回数は少し減ってしまったと思います。その要因としては、どうしても勝ちが欲しい展開だった中で0-1で追いかけなければいけないという、メンタル的なタフさになります。「このまま続ければ逆転できる」という確信の元、私は指揮を執っていましたけど、そこを選手に伝えきれなかったのか、伝わり切らなかったのか、バタバタ入ってしまったりしましたし、時間が経つにつれてクリアやパスにズレが生じ、イスマイラ選手やゴリ(加藤拓己)選手を狙ったロングボールも増えてしまいました。準備していたものを同じように発揮できなかったことが、チャンスが減ってしまったことに繋がったと感じています。
--試合後はゴール裏のサガミスタと言葉を交わす姿もありました。どんなことを話していたのでしょうか?
「いつ勝つんだよ」という話だったので、「もちろん次も勝ちに行きます」と伝えました。その後「次はリーグ戦じゃないだろ」と言われましたが、次のリーグ戦ももちろん勝ちにいきます。我々は毎試合勝利だけを目指して相手を分析して、準備してプランを落とし込んで、選手を競わせて、勝てる20人を選んで送り出すという、莫大なエネルギーを勝ち点3のために注いでいます。僕らは勝利のために抜かりない準備をすることしかできませんが、スポーツにおける勝敗は必ずしもコントロールできるわけではありません。そこに対する責任は我々にありますけど、その受け答えがありました。
あとは、「チンタラやってんじゃねえよ」という話だったので、私から逆に「今日のゲームを見て、僕らがチンタラプレーしているように映ったんですか?」と問わせていただきました。僕の目には果敢に福島からボールを奪って、ゴールに攻め上がる選手の姿が見えたので、チンタラやっている選手は一人もいなかったように見えました。今日は相手GKのビッグセーブもありましたが、前半に3点、4点と取れていれば(前回のホームゲームの)沼津戦のようなゲームになっていたと思います。そういった際どいゲームだということを理解してもらえたら本当はありがたかったです。
ブーイングは結果に対するものだと思いますし、それは今の順位や勝ち星の少なさを見ると仕方のないことですし、受け止めたいと思います。ただ、前節の岐阜戦の方がよっぽど不甲斐ないパフォーマンスだったと思いますし、今節は前半に関しては今季一番のチャンスを作ったゲームだったと思うので、ブーイングのタイミングに関してのズレがやっている側としては悔しく思います。今日、選手たちが一生懸命「走る・戦う・助け合う」を体現してくれたと思うので、願わくは先週ブーイングを浴びて、今週は拍手で選手を讃えてほしかったという思いもあったので、そういったことを一言、二言伝えさせていただきました。
シュタルフ悠紀リヒャルト監督記者会見のコメント全編はYouTubeで公開中!
https://youtu.be/JWc3RJ4kigo?feature=shared
DF/18 三鬼海
--6月21日のツエーゲン金沢戦以来の出場でした。今のコンディションはいかがですか?
コンディション自体は、出ている時も出ていない時も変わらず体は動けている感覚がありました。チームのやり方や相性などで選ばれなかったのかなと思っています。出ていない間もどこが足りないのかを自分なりに考えていましたし、監督から求められることを練習からしっかり表現できるように意識してきて、またスタメンに帰ってくることができたと思います。
--試合は、三鬼選手のところから何本もいいクロスが供給されていたように見えましたが。
相手のサイドバックに対して、ウイングバックとシャドーのポジションで優位性を作るのが狙いでした。クロスも思い切って入れようと思っていましたし、逆サイドのクロスには自分が(ゴール前へ飛び込んで)入っていく意識も持っていました。アタッキングエリアではどんどんチャレンジしていこうと考えていました。
--ゴールに迫る場面も何度かあった中で、無得点に終わってしまいました。得点を奪うために突き詰めるべきポイントは?
個人的には、もっとクロスの精度を上げたり、チャンスを増やすパスを供給すること、背後への抜け出しや、クロスに対して入り込む動きなどを意識していかないといけないと思っています。左の高野(遼)選手や杉本(蓮)選手からクロスが入った場面で、合わせられなかったところもあったので、そこは日々の練習でもっとやっていきたいと思います。
チームとしては、ペナルティエリア外からの得点が少ないというのを見ましたが、相手がペナルティエリア付近に固まっていて、そこを崩さないとチャンスは生まれません。一つの方法としてミドルシュートをもっと練習して打つ意識を高めないと、相手は(エリア外に)出てこないですし、ゴール前に相手の人数が多くてもそれを崩せるようなコンビネーションをもっと高めないといけません。
チャンス自体はうちの方が多かったと思うので、そこを決めきるためには、日々の練習から試合を想定してやれているかというのを、一人ひとりがより意識していかないと、このままずるずるいってしまうと思います。そこはみんなで意識しないと変わらない部分だと思うので、僕も含めてベテランの選手たちがもっと言ってやっていかないといけません。
あとは、僕もウイングバックなのでディフェンスとして、守備で隙を見せないことも大事だと思っています。失点を毎試合していたら勝てる試合も勝てなくなってしまいますし、先制点を取られてしまうとどうしても攻め急いでしまったり、時間が経つにつれて普段ならできる選択が焦りでできなくなることもあります。今日なんて1本中の1本を決められたような感じだったので、その1本を作らせないことが大事だと感じていますし、そこはディフェンスとして非常に悔しいです。
--後半、三鬼選手がエリア外から蹴ったボールがゴールマウスを捉えて、相手GKがかき出したシーンもありました。
ちゃんと狙ったかと言われると微妙ですけど、“シュータリング”のような感じで蹴りました。角度はありませんでしたけど、相手の足に当たらないようにGKとディフェンスの間を狙って蹴って、枠に飛んで入ればいいなという気持ちでした。そうしたらうまく枠に飛んでくれたという感じです。
ああいうシュートをもっと増やしていくこと、精度を上げていくこと、あとはあそこでこぼれた時に詰める準備をしたり、いろんな要素が点を取るには大事になってくる。一人ひとりが(集中力を)研ぎ澄ましてやっていかないといけないと感じています。
--最近ではウイングバックにコンバートされた藤沼拓夢選手が頭角を現したり、西久保駿介選手が新たに加わったりと競争が激しくなっていることについては?
違うポジションの選手がコンバートされて頭角を現してきたり、他のチームから新しい選手が来るのは、個人としては悔しいです。シーズンの前半戦は僕や河野(諒祐)選手が出ていた中で、物足りないと判断されたからこそ、他の選手を起用したり補強していると思うので、自分で何が足りなかったのかを考えてやっていかないといけません。あとは監督から求められていることを素直に表現しつつ、自分の良さをプラスアルファで出さないといけないと感じています。日々の練習で意識していますが、例えば藤沼選手は僕にはない足の速さやジャンプ力というFW的な特長を持っている選手もいます。なので負けている時なんかは拓夢が出た方がチームのチャンスが増えることもありますけど、どんな状況でも「使いたい」と思ってもらえるようにしたいですし、今日も「何分持つかわからないけど出し切ろう」と思ってプレーしました。
試合に出られていなかった期間はすごく悔しい思いをしましたけど、最終的に決めるのは監督なので、自分がメンバーに選ばれるように努力して、出たら結果をしっかり残せるようにしたい。今日に関しても、「たくさん走ってよかったね」で終わってしまったら自分の成長はありません。自分自身でもプレーを見直して、次に活かせるようにしていきたいと思います。
--先日、自分たちより順位が上の栃木SCが「現在の成績と勝ち点差を踏まえると、優勝“のみ”を見据えて後半戦を戦い抜くことは現実的に困難であるとクラブとして判断いたしました」と目標の見直しを発表されていました。チーム事情も全く異なると思うので一概には言えないと思いますが、今後の戦いへ向けてはどんな思いで臨んでいこうと考えていますか?
前節のFC岐阜戦が終わったオフ明けのミーティングでは「19連勝する」と(意思を統一して)強い気持ちで臨んでいました。今日負けてしまったのでそれはなくなりましたが、選手としては監督やクラブが掲げる目標にしっかりついていくことが大事だと思っています。ここから何試合か戦って、上の方たちが「優勝ではなく昇格を目指す」と言えば、それに沿って自分たちは頑張るだけです。
選手もスタッフも、サガミスタもみんな歯がゆい思いをしていると思いますけど、可能性がある限りは、全力でやり切るしかないと思っています。“最低限の目標”はJ2昇格だと思うので、そこは絶対にブレずに戦いたい。頑張ります。
MF/24 杉本蓮
--今日、杉本選手は3-4-3の左サイドで出場し前半から何本もシュートを放っていました。内容面での手応えはいかがでしたか?
手応えがあったかどうかで言えば、あった方だと思います。左サイドに(高野)遼くんと2人で勢いのある選手を配置して、自分自身は中間のポジションではありましたが、スピードを活かして、自分がボールを持ったら運ぶことや、裏に抜けることを意識していました。
シュートも、自分が前半に1本でも決めていれば試合の流れは変わっていたと思います。そこは自分に責任あると感じていますし、あそこで決めなければチームを楽にはできないと思います。次からはしっかり決められるように、責任を持ってやっていきたいです。
--プロになって半年が経ちましたが、今日の悔しさは相当のもののように感じますが……。
そうですね……。自分のところでチャンスが多かったですし、それを決めきれなかったことで勝ちに繋がらなかったと思います。後半はチーム全体が焦ってしまい、自分自身もプレーが雑になっていたところがあったので、そこは改善していかないといけない。意識の問題だと思うので、やるしかないと思っています。
--大外ではなく少し内側でプレーをした感触はどうでしたか?
ウイングバックと違ってちょっと内側なので、スペースが狭い分、タッチの細かさや判断の早さが求められると感じています。自分自身、出られるチャンスがあるなら、積極的にチャレンジしていかないといけないと思っています。
--試合後、ゴール裏のサガミスタから叱咤激励の声がありました。ここからどんなプレーを見せていきたいですか?
今の順位にも関わらず応援してくださっているサガミスタの気持ちがすごく入った声援はしっかり届いています。僕たちは結果を残す以外に選択肢はないと思うので、もっと責任を持って、死に物狂いでやっていかないといけないと思っています。