《試合結果》
SC相模原 0-0 高知ユナイテッドSC
■Jリーグ公式ホームページ試合結果
https://www.jleague.jp/match/j3/2025/061408/live/#live
シュタルフ悠紀リヒャルト監督
--試合を振り返って。
高知さんは今季は秋田豊監督の元、攻撃力のあるチームになっていると思うので、我々はずっと失点が続いていましたし、「まずはしっかりとした守備でゲームを壊さないように入ろう」と言ってそれができたことはすごくよかったです。自分たちのボールロストからチャンスを与えてしまったところを除けば、ディフェンスは危なげなくやってくれたと思います。
ただ、ずっと取れていた点が取れなかったことで勝ち点1しか取れなかったゲームに繋がってしまいました。後半は基本的には我々のゲームだったと思うので、そこで「点を取るんだ」という気持ちをチャンスに繋げてやっていかないといけなかった。サッカーは非常に難しく、得点を取ろうと練習すると失点して、失点をしないようにとトレーニングをすると得点が取れなくなるという繰り返しになってしまいます。今日は雨の中たくさんの人が集まってくれたにもかかわらず、ジュビロ磐田に勝った勢いを勝ち点3に繋げられなかったので非常に申し訳なく思います。
僕らはアウェイ4連戦からの中2日でのゲームになりましたが、選手たちは最後まで「走る、戦う、助け合う」を表現してくれて、そこは本当に誇りに思っています。彼らの努力が報われるように次のゲームに向かって、また1週間、最大限の準備をしていきたい。
今日は、企画側の方々の尽力や、スポンサーの方々のサポートもあり、たくさんの人がたくさんのエナジーを使って、雨天にもかかわらずこのイベントを成功させてくれました。だからこそ、点を決めて、勝ち点3を取ってわーっと喜びたかった。それは叶いませんでしたけどチームを代表して、そこに対しての感謝を述べさせてください。素晴らしいイベントと熱い応援、ありがとうございました。
--今日の試合で描いていたプランとそこに対する評価をまずは教えてください。
今言った通りで、失点はしなかったので守備はある程度よかったと思います。攻撃の部分は難しいピッチコンディションでしたけど、綺麗に崩して決定を作った場面は後半の加藤(拓己)選手のチャンスぐらいしかなかったと思うので、全然回数が足りなかった。ただ、杉本(蓮)に関しては中2日の試合にもかかわらず、いい仕掛けをたくさん今日も見せてくれたと思いますし、杉本を中心に攻撃の形をいくつか出せたのはよかったのかなと思っています。
--ディフェンスに関しては、前半のビルドアップ時にボールをロストした場面以外でそこまで多くのチャンスを相手に与えなかった印象ですが。
少しビルドアップがうまくいかず、自分たちの時間帯を作れない試合がいくつかあったので、ここ最近は攻撃面の改善に多くの時間を割いていました。ただその中で、守備の距離感が本当にわずかながら崩れ始めてしまい、失点につながる場面も出てきていました。
そうした守備の距離感の修正に加えて、当然相手に対するスカウティングも行いました。相手が狙ってくる攻撃の形や、ストロングポイントをどう消していくかという準備の時間はほとんどありませんでしたけど、選手たちとともにやってきて、それをうまく実行できたことが今日はよかったと思います。
--攻撃では敵陣深くまでボールを何度も運べていて、ラストパスの一つ前まで攻撃の形を作れていた印象があります。どんな部分ができていたと感じますか?
できた部分は評価に値しますけど、最後の決め切るところに関してはトップレベルのゲームを見ていても入らない時は入りません。なので、最終的には回数だと思います。例えば前半の加藤(大育)の縦パスを武藤(雄樹)がフリックしてワンツーのような形で抜け出して、いい崩しができた場面がありましたけど、パッと振り返っても5回とか6回ぐらいしかそういうシーンはありませんでした。それを10本や20本に増やしていく作業は本当に必要だと思います。それプラス、セットプレーもありましたし、セットプレーから惜しいシーンに繋がったこともあったので、そういったところで決め切りたかった。あとは最後の時間帯にパワープレーじゃないですが(前がかりになって攻めた時も)もっと迫力を持ってボックスにボールを運んでいくとか、もう少し良くできる部分、伸びしろはたくさんあります。
主観が入っていたら申し訳ないですけど、今日も客観的に見ても勝ち試合だったと思います。我々が引き分けた試合はいつも勝ち試合だったと思いますけど、その度に勝ち点2を失ってしまった感覚になります。それを止めるために、全員がもっと必死になって足りない部分を身につけていかないといけない。ゲームはどんどん消化されていきますけど、勝ち点1だと(昇格争いから)どんどん離されていきます。もっとスピード感を持って修正できるように頑張らないといけないなと、責任を感じています。
--16試合を終えて、リーグ戦では唯一島川俊郎選手がフル出場を果たしています。改めて彼に期待されていることを教えてください。
期待していることはチームを引っ張って、しっかりとゲームに勝っていくところです。プレーの内容といった部分では、中盤で顔を出してしっかりボールを前に繋いでいく役割を担っていて、守備に関してはへその部分にいる選手なので周りの選手とつながりを作りながら、チームとして守るため、チームが崩れずにボールを奪取できるように(周りの選手を)動かしてもらっています。ポジションの理解だったり、ゲームの流れだったり(に長けていて)特に守備に関しては、非常にいいセンスもあって、球際の強度、安定した技術力もある。
一度引退しているので“ルーキー”なんですけど(笑)、ルーキーとは言えないような年齢の選手なので「フィジカル面はどうなのかな」という懸念がシーズン前にはありましたけど、90分間しっかり走り切っていますし、走行距離を見ても本当にタフに戦えている。それがこうやってずっと出てるっていう状況につながっていると思います。
--今日は6,101人の方々がスタジアムに足を運び、クラブのポテンシャルを改めて感じられたと思います。応援してくれる方へどんな試合をお見せしていきたいか最後に教えてください。
フットボールというスポーツはすごく不思議なスポーツで、結果によってバイアスがかかってしまうと思うんです。今日のゲームで言えば加藤が抜け出したシーンでゴールが決まって、我々が1-0で勝っていたら、内容も含めてみんなすごく満足して帰っていただけたと思います。でも、こういった(内容のよかった)ゲームで0-0で終わってしまったり、0-1で負けたりすると、やっていることもすべてよくない見え方になってしまうと思うんですね。
でも、例えば数日前に行われた天皇杯のジュビロ戦は我々の前半の出来は決していい出来ではありませんでした。そこから後半はうまく修正ができて、2点取って逆転することができたので、ゲーム全体の印象が素晴らしいものとして印象に残っていたと思います。なので、我々が見せていきたいゲームは、とにかくそういった勝利を届けられるようなゲームだと思っています。
ゴール、それから勝利が一番盛り上がるポイントだと思いますけど、今季はそこが圧倒的に足りない。いくら相手と比較してフィフティ・フィフティ以上のゲームができていても、そこに結果が伴わないとバイアスがかかってしまって、やっていることすべてがうまくいっていない錯覚に陥ってしまうと思うので、見てる人も楽しくないと思いますし、苦しいと思います。僕がここに来た時に「ワクワクをみんなに届けたい」とずっと言っていますけど、今年はワクワクを天皇杯でしか届けられていないと思うので、リーグ戦でも結果を出していきたいなって本当に思っています。
そうすることによって、この“エナフェス”のようにイベントとして打ち出さないゲームでも観客数っていうのは増えていくと思う。今季は観客数がなかなか伸び悩んでいるシーズンで、そこに対する責任は現場の我々ももちろん感じていますし、もっと盛り上げていけるよう、いつも肝に銘じて頑張っています。
シュタルフ悠紀リヒャルト監督記者会見のコメント全編はYouTubeで公開中!
https://www.youtube.com/watch?v=DrYZUvOCqXo&pp=0gcJCd4JAYcqIYzv
DF/2 加藤大育
--スコアレスドローとなりましたが、守備では失点が続いていた中で後ろはゼロで抑えました。振り返っていかがですか?
ピンチというピンチもなく、集中してできたことはよかった。守備の人間としては無失点で終われたことは嬉しく思います。
--守備面に関してチームとして、個人として意識していたこと、できたことに関してはどんなものがありますか?
自分として意識したことは、ケヴィン(・ピトリック)も僕も前に上がっていくタイプの選手ですけど、上がった後のリスク管理は意識していました。今日はケヴィンが結構上がっていったので、自分はトキくん(常田克人)と島くん(島川俊郎)の3人でリスク管理をしていました。
個人としては、失点もしなかったですし、1対1で負けた感覚もなかったので、そこはよかったなと思います。
--左ウイングバックで杉本蓮選手がリーグ戦で初先発を飾りました。左サイドの攻撃での手応えはいかがでしたか?
蓮は仕掛けられる選手なので、試合前から「どんどん仕掛けろ。後ろの守備は俺がやるから」と言っていました。攻撃に重きを置かせて、そこで自信を持ってチャンスメイクをしていたので、そこの手応えは非常にありました。
--ただ今日はゴールが生まれず、どんなことに取り組んでいきたいですか?
今日、ボックスに入る回数はそこまで多くなかったという印象です。あれだけボールを握っていて、押し込んでいたにもかかわらず、ボックスの中にボールを入れてシュートを打つ回数が少なかった。その回数を増やさないと得点は生まれないですし、遠い場所から打って入る確率は低いので、ボックスに入る回数をもっともっと多くしていきたいと思います。
--敵陣深くまでボールを運べていましたが、ボックス内へボールを入れるためにあと必要なのは技術かメンタル、どちらでしょうか?
メンタルなのかなと思います。そこへ入っていく気迫や意識が練習からちょっと薄いと思う。練習でもボックスへの仕掛けが多くないので、そこをもっともっとやっていかないと試合で出せないのかなと思います。
守備者としてはボックス内に入って来られた時にはもう完全に後手な状況。少しでも足を引っ掛けてしまえばPKになっていますし、まずはそういったところが足りないのかなと思います。事故でも崩して決めるでも、1点には変わりないので、まずはそこを大事にやっていきたいですね。
MF/17 竹内崇人
--悪天候でしたが、6,101名の方が入ってモチベーションは高まりましたか?
そうですね。多くの声援があるのは選手として幸せなことですし、いつも以上にモチベーション高く試合に臨むことができたからこそ、勝たなければいけない試合でした。
--結果は0-0でしたが、90分を振り返っていかがですか?
自分たちがボールを持って押し込む時間帯が多かったですけど、1点をなんとしてでも取らなきゃいけませんでした。多くのスポンサーの方々に協賛していただき、多くのお客さんが入った試合で1点も取れなかったのは不甲斐なく、申し訳なく思います。
--チャンスを作り、ゴールを決め切るには、なにが必要だったと感じていますか?
相手は5バックで結構マンツーマン気味にマークについてきていたので、パスを受けて、出して、ポジションチェンジするという連続したアクションや、最後のスペースに出すボールの質が必要だったと思います。ただ(杉本)蓮のところ以外からあまりチャンスを作れなかったのは、チームとしての課題だと感じています。
自分は一人で相手を剥がしたり、ドリブルで切り込んでいける選手ではなく、周りとコミュニケーションを取って連係しながら前に入っていくことが持ち味なので、練習からもっとコミュニケーションを取っていきたい。あとはアタッキングサードに入った時の余裕が自分も含めて足りないなと思う。余裕を持って、相手を見てプレーしたいですし、遊び心を持つことも必要だと思うので、そういったところを練習から意識してやっていきたいですね。
--今日はリーグ初先発だった同期の杉本選手といい連係が取れていたようにも見えましたが。
蓮とは最初から「呼吸が合うな」と感じていました。僕は足の速い選手を活かすボールを出すことが得意なので、「動き出して裏さえ取ってくれれば、自分がパスを出す」と伝えています。こうしてJリーグの舞台でスタートから一緒に出るのは今日が初めてで、お互いに左側での出場だったので、いいコンビネーションを何度か発揮できたのはよかったですけど、それを結果に結びつけなければ意味がありません。もっと結果にこだわってやっていかなければいけないと感じました。
--悔しさを感じている部分はあると思いますが、竹内選手と杉本選手の存在感が日に日に増しているようにも思えます。
でも、自分としてはもっとアシストだったりゴール前へ入っていく回数を増やして、得点に絡むという自分本来の持ち味をもっと出していきたいと思っています。もっともっと攻撃で遊び心を持ちながら、相手を見て、相手の嫌なところを突くパスやランニングをしていきたいです。
--ディフェンス面に関しての手応えはいかがですか?
ロングボールやクロスが多いチームが相手だったので、セカンドボールを拾うことやクロス対応を意識していました。ただ、球際だったりセカンドボールでの競り合いでマイボールにしきれないことがありましたし、ボールを奪う回数をもっと増やさないと選手として上にはいけません。そういったところはまだまだ伸ばしていかなければいけないと思います。
--ここからの巻き返しに向けて、どんな思いで過ごしていきたいですか?
監督から信じてもらって試合に使ってもらっているのに、この内容は物足りなく感じます。内容は少しずつよくなっているかもしれないですけど、結果が求められる世界なのでゴールに絡むプレーを増やしていかないと上にいくことはできないと思います。そこは本当に、危機感を持ってこだわってやっていかなければいけません。今日とは違ってボールを握られることの方が多かったジュビロ磐田戦でも守り切る手応えは感じましたけど、ボールを持って相手を崩す回数がまだ足りないので、そこももっともっと取り組んでいきたいと思います。