《試合結果》
SC相模原 1-1 ザスパ群馬
【得点】
21'加藤拓己(SC相模原)
71'小西宏登(ザスパ群馬)
■Jリーグ公式ホームページ試合結果
https://www.jleague.jp/match/j3/2025/041311/preview/#live
シュタルフ悠紀リヒャルト監督
--試合を振り返って。
いい時間帯にセットプレーから点が取れて、そこからは相手にずっとボールを握られていたので選手は非常に良く守っていたと思いますけど、こじ開けられて追いつかれてしまいました。そこからもう1点を取りに前へ出ましたけど、点を取りきれず引き分けという結果でした。
本当に勝ちがほしい状況で、勝ち以外は僕らを前進させてくれません。そこのところで逃げ切るマインドセットになってしまったのかなとも思いますし、それが後半に長い時間押し込まれることに繋がってしまったのかなと思います。
相手はGKも含めてボールを動かすことが上手なチームで、ポゼッション率もリーグで1位のチームだったと思いますけど、押し返して(ボールを)奪うというシーンを後半は継続して作れなかったことが課題なのかなと思います。フレッシュな選手が入ってから最後はいけたので、少ないチャンスではありましたけども2点目に繋げたかった。課題はたくさん出てしまいましたけど、この状況を打開しようと必死に選手が頑張っていると伝わったはずなので、次に向かってやっていくしかないなと思います。
--試合後にサガミスタがブーイングをしていた光景は珍しくも感じたのですが、ブーイングに対してはどのように捉えていますか?
ブーイングも含めてフットボールを楽しみに来てくれていると思うので、それは受け止めますし、結果に対して、もしかしたら内容に対しても納得していないのかもしれないですけど、ブーイングされたから頑張るわけではありません。常に頑張っていますし、課題も一つずつ潰せています。例えば前節のFC琉球戦では間延びして間を使われたシーンがありましたけど、守備のコンパクトさや繋がりという部分はだいぶ修正できたと思います。(1週間の準備期間で)一つずつやっていくしかありません。
これは言い訳ではないですけど、フットボールは生き物で、選手は人間なので勝っていると気持ちは乗りますし、自信を持ってプレーできますけど、勝てていないと、どこか引っ張られてしまい思い切ってプレーすることが難しくなる。そういった足枷をかけた状態で僕らはプレーしているので、プレシーズンで見せていたようなフットボールを見せられていませんし、そこを取り戻さないといけないですけど、薬は勝ち点3しかないと思っています。今日、それを手にできたら一番よかったですけど。
次のアウェイでも際どい試合が待っています。前節5-0で勝った高知が今日は0-5で負けるようなとんでもないリーグなので、とにかく前を向いて、課題と向き合って、勝ち点3に繋げて、自信を蓄えて、成長を加速させられるようにしていきたいなと思っています。
--今日は先発を何人か入れ替えた中で、中塩大貴を中盤で起用しました。彼に与えた役割を教えてください。
自分は中塩をボランチの選手だと思っています。ボールを受けた時に前へ配球できるストロングがありますし、離脱する前は数多くのチャンスメイクをしてくれていました。彼を含めてようやく離脱者が帰ってきてくれたことが非常に好材料で、練習も徐々に全員できる状況に近づいてきましたし、開幕から続いていた怪我の負のスパイラルからは抜け出せそうな兆しが見えてきています。それに伴ってメンバー争いも熾烈化していますし、今日の中塩は(パスの前に)レフェリーに当たっていたからドロップボールになったんだと思いますけど、前線に刺す縦パスも出していました。
あとはロングスローも中塩の武器だと思っていて、そういうところでもプラスを出してくれると思いました。普段なら小柄な選手がやっているポジションだと思いますけど、大きい選手を配置することでセットプレーの攻守においてもパワーアップすることが狙いでした。
--今日はゴリ選手が先制ゴールを決めましたが、彼にとっては今季初得点であり、公式戦では1,023日ぶりのゴールでした。そうした出来事もチームにもいい影響を与える意味を持つと感じましたが。
そうですね。勝ち星がないことに全部持っていかれてしまって、「また勝てなかった」というのが誰もが頭に浮かんでくると思いますけど、仰っていただいたようにポジティブな要素はたくさんあります。ゴリのゴールもそうですし、僕らはずっとセットプレーで点が取れていなかった中でようやく一つ取ることができました。順位は恥ずかしいような順位ですけど、連敗していないとか、琉球戦での負けをここで食い止められたり、先ほど言ったFWの課題を一つ潰せたこともそう。ゴリ自身もこのゴールを自信に変えて、どんどん点を取れるように頑張ってほしいなと思います。
--ゴール裏には「優勝への一体感を」という弾幕が掲げられていました。ただ一体感は薄れていないようにも感じるのですが、次節以降はどのように戦っていきたいと考えていますか?
弾幕は僕らを励ましたり、鼓舞したりするための、僕らをなんとかしなきゃという思いの現れだと思っていてサガミスタの皆さんにも感謝しています。ただ一体感がないとは全く思いませんし、一体感があることが救いだと思うくらい日頃のトレーニングからいいチームワークは見せられています。今日もハーフタイムにはメンバーに選ばれていない選手たちがロッカールームに降りてきて、出ている選手を鼓舞して、みんなで勝ち点3をどうにかもぎ取って、今日をターニングポイントにしようというチームワークを至るところで見ています。もしそういうところで心配されているような人がいるのであれば、僕らは全然バラバラになっていないよと保証したい。選手たちは苦しいと思いますけど、前向きに取り組めていることが多いと思うので、あとは勝利だけだと思います。次こそは、次こそは、と次に向かうしかないですし、今日の試合が次のマインドに影響しないようにしっかりと得点を挙げて、失点をしないような戦いができたらなと思います。
シュタルフ悠紀リヒャルト監督記者会見のコメント全編はYouTubeで公開中!
https://www.youtube.com/watch?v=drwnX4cO-_0&pp=0gcJCX4JAYcqIYzv
DF/36 中塩大貴
--古巣・ザスパ群馬との試合で先発出場でリーグ戦の初出場を飾りました。ポジションもCBではなく、中盤の一角でしたがどんな思いでピッチに立ちましたか?
いいサッカーはしているけど、戦ってはいるけど、なかなか結果がついてこないというところで、僕が入ってなんとか勝って流れを変えていくことを目指してやってきました。ただ相手も上手でしたし、僕たちが守備に回ることが多かった。うまくいったところといかないところが整理できていなかったし、ボールを取ってもその後に攻撃へ転じることがなかなかできなかったので、そこはすごく課題に感じます。
本来なら自分たちでボールを握ってサッカーをすることが悠紀さんの目指しているサッカーですけど、今日みたいに相手に握られたのに対して硬く守備をできたことはよかったですけど、あれだけ押し込まれていると、事故的な失点や最後にやられてしまう部分が出てきてしまう。守備ができたから、次に攻撃をしていくために自分たちの時間を作るところをもっとやっていかなければいけないなと思いました。
--主導権を握っていくために大事になることは?
僕にフォーカスをするなら、今日は中盤に入りましたけど、左足でしっかりとパスをさばいたり、ボールを握ることを期待されているので、そういった舵取り役としての仕事をしっかりとやりたい。どうしても守備の時間が長くなると、そこに体力をもっていかれるので、みんなで喋りながらやっていましたけど、どの高さからファーストディフェンスをかけるのかとか、もっと前からいくのかとか、もう少し効率的にはめたりして、攻撃の比重が増える可能性もあると思います。そうすればボールを取った後に各選手のスタミナが残っているのですぐに配置を取れることにも繋がると思います。難しいですけど、攻撃の時間を増やせるようにしていきたいですね。
--そういった部分を実現させるには時間もかかりそうですが、結果も求められるので両方を追いかける難しさがありそうですが。
距離感を良くすることをキャンプからやってきたので、まずは怖がらないでボールを受けることだったり選手との距離感は大前提になります。あとは自信を持ってやることですね。
--中塩選手個人としてのプレーの評価はいかがですか?
まだまだ納得いかないし、左足からのパスという特徴を全然出せませんでした。自分の左足がプラスアルファになるようなポジショニングや選手との繋がりは、周りを見ながらやっていきたいなと思います。
--チームもここから浮上していきたいところだと思いますが、今後へ向けてはいかがですか?
サガミスタの方々も勝ちだけを求めているはずです。自信をなくさず、「自分たちは大丈夫だ。できるんだ」とメンタルの部分を変えていかないと優勝という目標には辿りつきません。練習からまたいい準備をしてやっていきたいと思います。
FW/23 加藤拓己
--まずは、今日の試合を振り返っていただけますか?
最後の最後でこぼしてしまいましたけど、チームコンセプトの「走る・戦う・助け合う」に関してはすごく取り組めたと思います。あとはそこが結果に結びつけられるよう、歯車がもう一つ噛み合ってきたらもっと良くなっていくと感じた試合でした。
--ただ、試合後にはゴール裏からのブーイングもありました。
僕たちがやっていることや目指していることは理解されづらいと思いますけど、それが今は難しいと思うので、誤解だけはしないでほしいなとすごく思います。スタンドからは「優勝を目指しているんじゃなかったのか?」という声もありましたけど、別に僕たちはなに一つ諦めてはいませんし、残り30試合近くある中で、もし僕たちが優勝を諦めているようなら今日の僕たちは戦っていなかったと思う。だから僕たちが優勝を目指していないということは一切ありません。
もちろんサガミスタの皆さんは勝利を見たいと思うし、「勝ちたい」「昇格したい」「優勝したい」という気持ちが強くあることも理解しています。でもその欲よりも、僕たちの欲の方が強いし、そのためにキツいけど、日々トレーニングをしています。その積み重ねが結果に繋がっていないからこそ理解してもらえていないと思うので、僕たちは苦しく思う。
今日もロッカーで選手たちがソックスをめくった時に、何人が血だらけだったか。誇りに思うくらい血を流しているし、痛みをこらえて薬を飲みながら戦っている選手はたくさんいます。そういうところは見えていないかもしれないけど僕たちはその中で戦っていかないければいけないし、それがこのクラブの未来に繋がることだと思っています。僕たちが勝利を目指していないとか、優勝を諦めて、戦う気持ちがないということだけは誤解しないでほしいです。
--結果が出ていないからといってすべてがネガティブではなく、今日はゴリ選手に1,023日ぶりの公式戦でのゴールが生まれました。
前回のホームでは福田(悠)さんのミスアナウンスがありましたけど、僕はこのホームで決めたことがなかったので、だからこそ気持ちを込めてやらなきゃいけないと思いました。ホームでは絶対に負けちゃいけないという思いが強くある中で、最終的に引き分けになってしまいサッカーの難しさを痛感しました。でも、僕たちが目指している形に徐々に徐々に近づいているのは間違いありません。最初から完璧なチームは一つもなく、僕は昨シーズンJ2で優勝を経験していますけど、どんなチームにも1年間を通してうまくいかないチームはあります。それが先に来るか後に来るかだけです。今、上位を走っているチームがこのまま1年間突き進むとは思っていなくて、僕たちは先に苦い薬を飲んでいるからこそ、最後は美味しいアメを食べられると思っています。最初から美味しいアメばかりを食べていたら、いざとなった時に薬を飲めなくなっちゃいますし。
僕のゴールがどうこうというのも大事かもしれないですけど、ホームで喜び合える瞬間をもっともっと増やしていきたい。だからこそ、ゴールをたくさん取らなきゃいけないなと思っています。そこはもう一度向き合って、1週間準備していきたいなと思います。
--このゴールをきっかけにしたいですね。
そうですね。個人でも、チームでも。僕は清水エスパルスで全然出番なかったですけど、今までは「スタメンを勝ち取ることはすごく大変だな」と思っていました。でも今は違いますね。(先発で)出ている11人って出ていないメンバーよりも絶対にやらなきゃいけないですか。だから、スタメンを守り抜くことの方が難しいなと感じていて、毎日必死です。悪いプレーをすれば外されてしまいますけど、そういうのが良さになっていると思う。
僕はコロコロ先発メンバーが変わるようなチームは強くないと思っていて、11人が先発の座を譲らないぐらいのポテンシャルを出して全力でやっていきたいですね。監督も選ぶのは難しいと思いますけど、選ばれたからには死ぬ気でやらなきゃいけないし、今日は本当に気持ちの入った試合だったなと思います。もしかしたら見ていた人からは違って見えたのかもしれないですけど、僕たちは諦めていないし、最終的に頂点にいればいいと思っている。それだけは何度も、強く言いたいです。