SC相模原

SC相模原

MENU

NEWS DETAIL

11-15-2024

 その他 

INTERVIEW 相模原市スポーツ推進課『SC相模原を、地元の誇りに』

【テンプレート_2024】ほぼ週間サガミスタ_動画用サムネイル (1).jpg

取材・文=北健一郎、舞野隼大(SC相模原オフィシャルライター)


街全体が活気に満ち、SC相模原が市民の誇りになるために──。

そんな未来を描きながら街中でクラブの認知を広めようと活動しているのは、相模原市スポーツ推進課のSC相模原担当・楠木崚太(くすのき・りょうた)さんだ。

相模原市のホームタウンチーム、ホームタウンアスリートについて発信する公式SNS『スポさが』や、ホームタウンの主要な駅で見かける掲示物、小学校での体育の授業を通してクラブの知名度向上に尽力している。

「地元に貢献したい」。相模原市の出身でもある楠木さんは、そんな思いを持ちながらSC相模原を支え、地元の活性化を図っている。

地元の貢献と、SC相模原の盛り上げのために

──SC相模原と楠木さんの接点を教えてください。

私の部署では相模原を拠点とするスポーツチームの支援としてPRや応援機運の醸成を担っていまして、私はSC相模原をメイン担当としています。Jリーグは日本でも特に規模の大きなリーグで、仕事を通して自分の出身地でもある町の名前を冠したクラブを応援できるのは、とてもありがたいことですね。

──楠木さんは相模原市の出身でもあるんですね。

はい。この仕事に転職して2年目になりますけど、SC相模原のことは地元出身者として、もちろん昔から知っていました。大学時代に山手線ゲームでサッカーチームがお題の時は、「SC相模原」を必ず最初に挙げていました(笑)。

──橋本駅や相模大野駅、相模原駅などにもクラブの大きな幕や柱巻きが掲示されていますが、そういったものは楠木さんたちが関わっているのでしょうか?

そうですね。土木事務所や所管の警察署などに許可をいただいて市内主要駅のペデストリアンデッキに横断幕を、ギオンスタジアムの最寄り駅である原当麻駅のロータリーに『スポーツのまち・相模原にはギオンスがある』という大きな看板を出させてもらっています。アウェイチームのサポーターが年に一度来られた時に「SC相模原が根付いているんだな」と認識していただけたら、やっていて良かったなと思います。

原当麻駅看板設置㈪.jpg


──取材を受けていただいている今もSC相模原のユニフォームを着ていますが、普段から着用して業務にあたっているのでしょうか?

今日はこの取材のためですけど(笑)、ホームゲーム前日の開庁日は「応援デー」としてスポーツ推進課の職員や、市民と直接触れ合う窓口業務の方を中心にユニフォームを着てもらっています。

──その他には、どんなPRをされていますか?

市役所内にJ3の順位表を置いて、月曜日に前節の結果と次のホームゲームの更新をしたり、時期によって、ロビーの展示コーナーにユニフォームやポスターを掲示しています。それ以外にも小・中学校、公民館などの市役所が関係している機関にイベントごとのチラシやポスターを配付したり、『スポさが(@Sports_sgmhr)』というXのアカウントで毎週月曜日に週末の試合結果と金曜日に次の試合の予告を毎節ポストしています。微力ではあるかもしれませんけど、一人でも多くの方にスタジアムへ足を運んでもらえるように取り組んでいます。あとは、スポーツ推進課の仕事ではなくプライベートで現地への応援にも行っています(笑)。

更新.jpg

市役所ロビー展示.jpg

──『スポさが』はただ結果と告知を投稿するだけでなく、いつも気持ちのこもった文章が書かれているなという印象があります。

ただ結果を投稿するだけではなくて、自分がなにを感じたかを発信したいと心がけています。相手のことを調べたり、「こういうプレーがすごかった」、「こんな目線で応援してみると楽しいですよ」というのをサッカーに詳しくないなりに発信しています。フォロワーには、女子サッカーのノジマステラ神奈川相模原やラグビーの三菱重工相模原ダイナボアーズ、アメフトのノジマ相模原ライズを応援している方もいて、その方たちにも興味を持ってもらえたらなと思っています。

──楠木さんの中で印象深い“会心の投稿”はありますか?

今シーズンの(第18節)松本山雅FC戦後のポストは、私が昨年から観戦してきた中で初めて勝った試合でもあったので、今までで一番気持ちを高ぶらせて書きました。その日はちょうど「相模原市ホームタウンデー」でもあって、1000人の相模原市民を招待していました。初めて観戦する方が大半だった中で、サッカーの楽しさが一番伝わったはずですし、次の観戦にも繋がっただろうなと思います。試合後のポストには動画も一緒に投稿しましたけど、初めて「ファミリア」の瞬間を収めることもできて、すごく思い出深い試合になりました。

5DK_0945.jpg


横浜市や川崎市、町田市に追いつけ追い越せで

──実際にスタジアムでの観戦もして、SC相模原の盛り上がりをどう感じていますか?

サガミスタは熱く、あたたかい方が多くて、選手や監督との距離感がすごく近いなと一番に感じます。試合後は言葉を交わしたり、ハイタッチをすることもできますし、他のスポーツでは見たことがない光景ですごくいいなと思います。

──楠木さんが配属されて1年目の昨シーズンの前半戦は、なかなか勝つことができませんでしたが、どんな気持ちでチームを見ていましたか?

若い選手たちがうまくいかないことがありながらも、チャレンジをしているシーズンなんだろうなと思いました。負けが込んでいる時でも、サガミスタが変わらず応援していて、「それだけ愛されているクラブなんだな」とすごく感じました。

──ただ、順位表を貼り変える時に相模原がなかなか下から上がってこないもどかしさはありませんでしたか?

そうですね……。でも、今シーズンは昇格を争えていて、スポーツ推進課の方だけでなく、他の部署の方からも「最近、SC相模原の調子がいいね」と言ってもらえて、市役所内でも週末の試合内容やプレーの話題が増えて盛り上がりを感じます。

──サガミスタと同様に、楠木さんも週末の結果によって次の1週間の気持ちは変わってきますか?

そうですね。勝った週の方が月曜からノッていけるかなと(笑)。週明けに試合結果のポストをしていますけど、やっぱり勝った時の方が筆が乗りますね。いろいろなフレーズが思い浮かんできて、140文字に収めつつどうやったら試合のおもしろさを伝えられるか必死に考えています。

──相模原市はかなり広い街ですけども、地域によって盛り上がりの差はありますか?

スタジアムがある麻溝地区近辺はすごく盛り上がっていますけど、やはり距離が離れた地域では足の運びづらさがあると思います。そこで、毎年2校程度、選手やアカデミーのスタッフの方に小学校へ体育の授業のサポートへ行ってもらうという取り組みをしています。選手が学校へ訪問することはよくありますけど、授業を直接教えるということは全国的にあまりやっていません。子どもを通じて親御さんにもSC相模原のことを広められるので、とてもいい取り組みになっています。チームの方には毎年協力してもらって、すごくありがたいですし、そうした普及活動がさまざまな地域での人気につながるだろうなと思います。

──そんな子どもたちも観戦に来る試合で、選手にはどんな姿を見せてほしいなと思いますか?

時には点差をたくさんつけられて、「今日は厳しいな……」と思ってしまう試合もありますけど、子どもや初めて観に来られた方のためにも諦めず、なにかしら爪痕を残そうとする姿勢が見られると嬉しいなと思います。

──楠木さんは、相模原市にJリーグのプロクラブがある意味をどう感じられていますか?

私は「こんなにすごいチームがあるんだぞ」と誇りに感じています。そういった思いがみんなにも広まれば、街に対する愛着や、いわゆる“シビックプライド”につながると感じています。最近は駅や街中でもSC相模原のユニフォームを着ている人が増えていて、影響力が増しているなと思います。

──「相模原市民はシビックプライドが低い」と聞いたこともありますが、SC相模原があることで自分の街に誇りを持てる人が増えるとスポーツ推進課としても喜ばしいですよね。

そうですね。相模原市は政令指定都市の中だと低いというデータがあって、相模原に何があるか聞かれても昔は即答できるものがなかったですけど、「SC相模原がある」と言われるようになったらいいなと思います。

──例えば鹿嶋市では、鹿島アントラーズが“常勝軍団”として存在しているからこそ、より市民の誇りになっていると聞いたことがあります。SC相模原にも今シーズンなんとか上のカテゴリーに昇格してもらいたいですね。

近隣の政令都市で言えば横浜市や川崎市、お隣には東京の町田市があるので、そこのクラブに追いつけ追い越せでいきたいですね。そのために私にできることは、サガミスタを一人でも多く増やして選手に応援を届けることで、身体がキツい時にあと一歩足が出るための力になったら嬉しいですね。ホームはもちろん、アウェイにも応援に来てもらえるようにこれからもPRを頑張っていきたいと思います。

240727-342.jpg


◾相模原市のスポーツ公式SNS『スポさが』
https://x.com/Sports_sgmhr

スクリーンショット 2024-11-15 10.23.04.png