《試合結果》
SC相模原 2-1 Y.S.C.C.横浜
【得点】
10'棚橋尭士(SC相模原)
30'奥村晃司(Y.S.C.C.横浜)
57'棚橋尭士(SC相模原)
■Jリーグ公式ホームページ試合結果
https://www.jleague.jp/match/j3/2024/102010/live/#live
シュタルフ悠紀リヒャルト監督
--試合の総括をお願いします。
特に前半は、かなりいいゲームができたと思っています。ボールの動かし方やチャンスの作り方は、相手が守備をしづらいよう準備したことを選手たちが役割に徹してやってくれました。そんな中で先制点も生まれて、いい流れでゲームを進めることができましたけど、失点シーンは悔やまれる場面でした。相手にとって最初のビッグチャンスから簡単にボールを差し込まれてフリックで背後を取られ、そのままフリーでシュートを打たせてしまうというのがここ数ゲームで結果に繋がらなかった要因だと思います。
それに関係なく、後半もう一度やろうというところで、後半の入りは非常に集中して入ることができて追加点を奪えたことが良かったと思います。そこからラスト15分、20分は相手の時間になって、自分たちは本当に苦しかったですけど、途中から入った選手も含めて気持ちを出して最後まで集中を切らさず守り抜けたことが勝ち点3に繋がったと思います。
Y.S.C.C.横浜は、自分が高校生の時にも所属していたクラブで、OBとして対戦するのは複雑な思いもありますけど、お互いにいいゲームができたと思います。これをきっかけに、残り5ゲームではお互いに勝ち星をたくさん積み重ねて、我々は目標である昇格を、Y.S.C.C.横浜はJ3残留を必ず決められるよう同じ神奈川のチームとして、いい結果を積み重ねていけるよう、またOBとして見守っていきたいと思っています。
--3連敗をして迎えたホームゲームでした。試合前、選手にかけた言葉は?
「3連敗は関係ない」と言いました。「3連敗をしたから今日なにかを変えるのか。3連勝していたら今日は負けてもいいのか」、と。我々当事者は一喜一憂してはいけなくて、やるべきことは常に自分のパフォーマンスをどんな対戦相手にも発揮すること。準備してきたものをどれだけ出せるかが大事。
10月20日に第33節・Y.S.C.C.横浜戦を迎えることはシーズンが始まった時に決まっていたことであって、3連敗したからその試合に勝たなければいけなくなったわけではなく、開幕前から勝たなければいけない試合であることに変わりないですし、ホームでは対戦相手がどこであれ勝たなくてはいけません。
「3連敗中だからどうこうとか、先制点を取ったからどうこうとか、逆転されたからどうこうというのは、フットボールにはない」という話をしました。自分たちに目を向けて、ある意味淡々と自分たちのパフォーマンスを出すことだけでも難しいので、全集中力を自分のプレーに注ぐ、邪念は捨てる。最後の結果は順位表が示してくれるので、僕らは気にすることなく、1試合1試合、勝利を目指してベストを出し切っていくということを伝えました。
--今日は武藤雄樹選手が久しぶりに出場し、周囲の選手といい距離感を保ちながら、スムーズにボールを前に進めていました。
相手はプレッシングの時に右のインサイドを務める菊谷(篤資)を前から押し出してプレスをかけてきて、そこに最終ラインの柳(雄太郎)が連動するという形を取っていると思うので、そこをひっくり返すためのプランで、今日は武藤だけでなく西山(拓実)も非常に効いていました。その2人のコンビネーションで何度も何度も後ろから打開できましたし、その前後を支えていたのは長谷川(雄志)と若林(龍)でもあります。
棚橋(尭士)と瀬沼(優司)もそこにいい距離感でくっついて、プラン通り左サイドは攻略できました。久しぶりのゲームで武藤が2アシストをし、ゴールこそ決まりませんでしたけど本人も欲していた結果だったと思います。スタートで出て勝つことができ、彼もチームに馴染んでいけると思うので、今後もチームの力になってくれることを期待しています。
--武藤選手、棚橋選手が絡んでゴールが生まれた。2人の評価はいかがですか?
評価は元々高い選手ですし、そのために我々は夏に補強をしました。武藤は周りとの連係で生きてくる選手で、同時にピッチに立つことで2人は力をより発揮できる選手だと思います。そんな中で棚橋はホームの長野戦で腕にスパイクが入って、長い間ゲームから遠ざかってしまったことは我々にとってすごく痛手でした。でも今は帰ってきてくれたので、2人のコンビネーションは今後も僕らの一つの形としてあると思います。それに加えて違う選手も今日はいい感じに関わっていけたと思います。
途中出場した髙木彰人も今日はゴールに迫る素晴らしいシーンがありましたし、選ばれてないFWにはくすぶっているやつがいっぱいいます。毎週毎週、競争をさせて、誰が出ても自分のベストしっかり出して勝利に貢献できるようなチームでありたいと思っています。
--最後は追いつかれることはなく、得点ももっと決まる気配がし、昇格へ向けた期待が高まる試合でした。残り5試合へ向けてはいかがですか?
先ほどの話と重なる部分はありますけど、今日勝ったからどうこうというのは我々当事者にはありません。負けたゲームの中にもいい要素はたくさんありました。今日、失点しなかったことは積み上げがたくさんあるからだと思います。過去には最後の時間に失点することが3ゲーム続いたこともありました。そういったところから田代(真一)、岩上(祐三)というベテランが最後に入って、しっかりとゲームコントロールをしてくれました。ベテランも文句を言わず入ってチームの勝利のために貢献してくれる、そんなチームができています。
もちろん僕はこのチームを信じていますし、これから1試合1試合勝って、最後に終わった時にはプレーオフを勝ち抜いて、J2の扉を自分たちでこじ開けるという結末を望んでいますし、信じています。でも、目を向けるべきは次節の福島ユナイテッドFC戦で、またしっかりといい準備をして、福島を倒せるよう1週間準備するだけかなと思います。
--試合後のファミリアではベテランの瀬沼選手と田代選手、武藤選手も前に出て踊って、チームのいい雰囲気を感じました。
そうですね。岩上が誘われたのに出なかったので、そこはツッコんでおいてください(笑)。
いいチームには、いいベテランがいると思います。ベテランって、若手がこれから経験することをものすごい数経験してきているので、ピッチに出る、出ないを含めてどれだけチームに還元できるかというので、若手の成長やチームの雰囲気は本当に大きく変わってきます。相模原には本当にいいベテランがたくさんいて、リーダーシップをとってやってくれているので、非常に私も助かっています。それに若手も感化されていいパフォーマンスを出してくれれば、好循環が生まれると思います。
ベテランで言えば、竹重(安希彦)もそうで、今日は非常に明るくいい声で選手を送り出してくれました。みなさんの目の届かないところでも選ばれていない選手の活躍は結構あるので、本当にみんなに感謝だなと思っています。
シュタルフ悠紀リヒャルト監督記者会見のコメント全編はYouTubeで公開中!
https://youtu.be/CS-XJqWy-eY?feature=shared
FW/11 武藤雄樹
--6試合ぶりの先発出場となり、期する思いもあったと思います。どんなタスクを与えられながらピッチに立ちましたか?
2試合メンバーに入っていなくて、悔しい思いはもちろん持っていました。ただ自分の良さをなかなか出せていないと感じていた中で、こうしてスタメンで使ってもらえたので「必ず結果を残したい」、「自分の良さをもっと出したい」という強い気持ちを持ってピッチに入りました。
僕がシャドーという自分が一番得意で良さを発揮できるポジションでの出場だったので、監督からは「自分の良さを前面に出してくれ」という話をしてもらっていました。そのポジションでの自信もありましたし、今日はそれがピッチで出せたかなと思います。
--メンバーから外れていた間、監督とはなにかコミュニケーションを取っていましたか?
今のチーム状況で求めている守備に関して足りていないという話もありました。自分自身も加入してスタメンでも使ってもらいながらゴールもありませんでしたし、チャンスを特別多く作れていたわけでもなかったので、そこに関しては納得せざるを得ないという感じでした。
--それでも、今日は武藤選手がうまくライン間に入ってボールを前進させているように見えました。
前節のFC琉球戦も1トップ、2シャドーのような形でやっていたと思いますけど、監督と「どこのポジションなら力を一番発揮できるか」という話をして、そういった中で僕にシャドーというポジションを今週の練習からトライさせてもらっていました。FWでももちろん良さを出さなければいけないですけど、シャードでならスムーズに自分の良さを出せていたと感じましたし、今日もピッチで受けて、叩いて、また前に出ていくという一番の特長を出せたので、楽しくサッカーができました。
--アシストも2つ記録しましたが、それぞれ振り返ってください。
どちらも棚橋のシュートがうまかったなと思います(笑)。
1点目は、自分が抜け出していってシュートを狙った中でこぼれてきたボールを「あそこにいるだろう」と中央に出したら、ちゃんとあそこにいてくれました。2点目も僕がボールを落としやすいところに入ってきてくれました。セヌ(瀬沼優司)もそうですけど、ゴール前での関係性や距離感を感じ取ってくれる選手たちなので、それでアシストがついたなと感じています。
--長い時間プレーしながら、結果も残すことができてホッとした気持ちも大きいのでは?
いやぁ、正直ホッとしましたね。ここに来て期待をしてもらっている中でチームの結果もついてきていなかったですし、すごく不甲斐ない思いをしていました。今日はやっと自分が勝利に貢献できたかなと思うので、これを続けて残り5試合、チームをさらに加速させるようなプレーをしたいなと思います。
--ゴールを決める姿も楽しみにされていると思いますが、今日のように連動した攻撃ができていれば、自然と決まりそうなイメージもありますが。
チームに繋がりを持たせるとか、攻撃のスイッチを入れるとか、そういったものを与えられる選手だと思っています。今日は横から来たボールをシュートするシーンも作れましたけど、ここに移籍してきてシュートシーンすら作り出せていませんでした。今日はゴール前でパスをもらえたり、近づいている部分があるので、あとは貪欲に仕掛ける姿勢や積極的にシュートを狙う姿勢出して、大事な場面で決めたいなと思います。
--残り5試合で5勝して、5回ともファミリアで前に出て踊ってくれますか?
(笑)。自分がこうやってピッチに立って勝利に貢献できることはすごく嬉しいですし、ああやってゴール裏の方が僕にマイクを渡してくれて、また仲間に入れたなという感じがしました。こうして受け入れてもらって、さらなる期待をかけてもらえると思うので、それに応えたいなと思います。
--ホームタウンの座間市出身ということも、サガミスタの方にとっては嬉しいことだと思います。
今日もゴール裏から、僕が所属していたFCシリウスという少年団の子どもたちに「シリウスです!」って声をかけてもらいました。いろんな方に声をかけてもらえるので、地元になにかパワーを与えられたらいいなと思います。
FW/33 棚橋尭士
--棚橋選手の2ゴールで4試合ぶりの勝利を得ることができました。今日の結果をどう捉えていますか?
自分がゴールを決めることができたかつ、チームがそれで勝てたことは素直に嬉しいなと思います。
--武藤雄樹選手、瀬沼優司選手といい距離感でプレーできているように見えました。感触はどうでしたか?
攻撃時は3人が近い距離感でプレーするように監督から言われていました。武藤選手がうまく引き出しながら、攻撃を活性化してくれました。ゴールシーンもそうですけど、いい関係性ができたかなと思います。練習から共通意識もありましたし、そこが試合でも出たのかなと感じています。
--1点目は、棚橋選手が前にボールを運んで武藤選手へ展開し、折り返しを決めるという形でした。振り返っていかがですか?
ドリブルで運んでサイドに散らして、「中に入っていこう」と思っていました。そうしたら本当にいいパスが来たので、1タッチで冷静に流し込めたかなと思います。
--2点目も棚橋選手が右の田中陸選手に展開して、田中選手のクロスを武藤選手が頭で折り返し、最後は武藤選手が沈めました。
あの場面もそうですけど、ペナルティエリア内に入っていくということは常に意識しています。あの瞬間に「来る」と思ったので、いいところへ入れました。
ポジション取りやゴール前でのところは感覚的な部分でもありますし、得点の匂いがする場所にいることが自分の昔からの武器の一つだと思っていて、今回もうまく顔を出せたなと思います。
--武藤選手との連係はいかがでしたか?
2シャドーで組むことは初めてでしたけど、武藤選手は点を取れる選手ですし、自分と似ていて落ちて組み立てることもでき、攻撃にリズムを加えてくれる選手なのでやりやすかったですね。セヌさんが1トップ構えてくれていて、その周りを動き回ることを意識していました。そこはうまく連係できていたかなと思います。
--監督は一喜一憂しないと話していましたが、今日の勝利をどう感じていますか?
この試合が自分が出た試合で初めての勝利だったので、そこに関してはホッとした気持ちがあります。3連敗をしている中でもチームにはネガティブな雰囲気はなかったですけど、勝ったことで流れを変えていける結果になったと思います。
--試合後のファミリアをする際は、棚橋選手がメガホンを持って挨拶と音頭を取っていましたが、どんな流れでやることになったのしょうか?
どういう流れで? サポーターの方に渡されたのでやりました(笑)。
--あまりそういうことをしないキャラなのかと思っていたので(笑)。
やってみたいと思っていたので、ちょうどよかったです。
--ファミリアをする機会はまだまだありますが、残りの試合へ向けた意気込みはいかがですか?
1試合1試合、目の前の試合に集中して勝利にこだわっていけば最終的にいい順位にいけるし、プレーオフへいけると思っています。監督も言ってましたけど、一喜一憂せず1試合ずつ勝ちに向かっていきたいと思います。
MF/27 西山拓実
--2-1と勝利を挙げることができましたが、試合を終えての感想を聞かせてください。
勝って本当に嬉しいという気持ちが強いですね。
--2試合連続での先発出場でしたが、スタメンで出て勝利した試合は久々ですよね。
そうですね。前期の松本山雅FC戦では勝ちましたけど、怪我をして前半で代わってしまったので、フルで出て勝った試合は(3月の)カマタマーレ讃岐戦以来でした。
--西山選手にはどんな役割が与えられていましたか?
前節もそうでしたけど、ダブルボランチ気味にして前に3枚が配置されるフォーメーションが組まれて、相手のインサイドハーフの選手が長谷川(雄志)選手のところへ出てくるので、そこの背中へ逃げながら受けることを練習の時から言われていました。ただ、試合では出ていっても自分のところは結構消されていたので、そのスペースを武藤さんが使って、自分とコンビネーションをして左からうまく前進できたシーンが多かったと思います。
どちらかと言えば自分がもっと外に落ちるイメージで準備をしていましたけど、相手の状況を見て武藤さんとうまくコミュニケーションを取りながらできました。
--試合の入りから前向きでボールを運べるシーンが見受けられましたが。
そうですね。前半はうまく前進できていましたし、ボールを保持できていました。あとは最後の質があればもう2、3点取れたと思うので、そこはチームとして課題かなと思います。それでも、そこまでの部分で良かったことが多かったと感じています。
--先制した後、追いつかれてしまった場面については?
チャンスはあの一本しかなかったので、そこは課題だと思います。中盤で少しズレが生まれたところから縦パスを通されてしまいました。最後のところ、もっと寄せていればシュートコースを限定できたと思うので、一つひとつのところがまだまだなのかなと感じました。
--同点で迎えたハーフタイムでは。監督からどんな話がありましたか?
すごくいいゲームだと言ってました。追いつかれたのでネガティブになりそうなところもありましたけど、うまくいっている印象もありましたし「このまま続けていければ大丈夫」という話がありました。
--残り5試合になりましたが、1点目を奪った後も2点目、3点目と奪いにいくことも大事になるか?
今までの試合を見ても2点目、3点目を取らなければいけなかったのは改善点で、一瞬の隙はまだまだあるのかなと思います。失点しなければ進められたゲームでしたけど、自分たちで難しくしてしまった部分はあると思う。そういう一瞬一瞬が今後命取りになるのかなと思います。
--今日、勝ったことでプレーオフ出場への可能性が繋がったと思います。
目の前の試合を落としたら可能性はなくなってしまうので、目の前の1試合1試合が本当に大事だと思います。