《試合結果》
SC相模原 2-0 FC今治
【得点】
27' 福井和樹(SC相模原)
31' 瀬沼優司(SC相模原)
■Jリーグ公式ホームページ試合結果
https://www.jleague.jp/match/j3/2024/092117/live/#live
シュタルフ悠紀リヒャルト監督
--試合を振り返ってください。
2-0で勝ちましたけど、際どいゲームだったと思います。際どいゲームを先週に続いて選手たちが勝つという意志の強さで勝ち点3に繋げてくれて、非常に評価のできるゲームになりました。ホームでしばらく勝てていなくて個人的に非常に悔しかったですし、なんとしてでもサガミスタを喜ばせたいと思っていました。来た当初からずっと言ってることですけど、「コイツが来てくれてよかったな」と言ってもらえるよう、もっと頑張らなきゃなと臨んだゲームだったので、よかったです。心配なのは三鬼(海)のところで、担架で運ばれてしまったので大事でなければいいですけど、結構バチバチやっていたところもあるので怪我人が出ないことを願うばかりですけど、明日から次の首位との試合に向けて、またいい準備をして勝ち点3を取れるようにやっていきたいと思います。
--おめでとうございます。勝利した瞬間のガッツポーズが、ユルゲン・クロップのようでした。今日は監督にとっても喜びが大きかったですか?
僕はチームをJ2に押し上げるために雇われたと思っています。それは難しいミッションなので、最初から覚悟を決めて挑戦していますけど、今季のレギュレーションは1位と2位が自動昇格できて、3位から6位がプレーオフで昇格が決まります。2位の今治に今日負けていたら2位の可能性がほぼ消えるようなゲームでした。2位の希望を消さないためには今日の勝ち点3は必須だったので、込み上げてくる喜びはありました。
でも、まだまだイバラの道が続きますし、簡単なゲームはこれからも1試合もありません。一つ間違ってしまえば転げ落ちるような団子状態ですし、1試合1試合を見て昇格レースで生き残っていけるようにタフに戦っていきたいですね。
シュタルフ悠紀リヒャルト監督記者会見のコメント全編はYouTubeで公開中!
https://youtu.be/m1yhQ5A1llc?feature=shared
MF/22 福井和樹
--自らのゴールで先制点が決まりました。特別な意味を持つものになりましたか?
そうですね。あまり出られていない中でも腐らずやってきたので、それがこうして結果に出てすごく嬉しかったですね。ああいうパフォーマンスになってみんなも喜んでくれましたし、自分の得点でチームが勝てたというのはよかったです。
--前節は長谷川雄志選手からパスを受けて、相手GKと1対1を迎えた決定機もありました。あのシーンは自分の中で悔しさも強く残っていたのでは?
久々にスタメンで出た試合で、ああいう1対1の状況を決められず1週間悔しい思いをしてきました。「今日こそは」という思いで試合に挑めたので、決めることができてホッとしています。
--シュタルフ監督から試合前に「今日は和樹が決めるか、決めないか。それだけだ」と言われたそうですが、福井選手はなんて答えたのでしょうか?
「決める」と、しっかり答えました。
--高野遼選手から植田啓太選手に繋がって、綺麗な流れで決まりました。振り返っていかがでしたか?
最初は僕が(岩上)祐三さんに出して、祐三さんが展開した時に、練習では自分はいつもゴール前に入っていかずサボってしまう癖がありますけど、水本(裕貴)コーチがずっと僕に「あそこから入っていくんだぞ」と声かけを毎日毎日してくれました。それが頭に残っていたので、「ここはいかないと」と思って走って、啓太が蹴ってこぼれて来て、あの形でのシュートは大学からも得意としていて落ち着いて決められたので、水本コーチに感謝したいです。
--インサイドハーフとして攻守に関わるプレーが多かったですが、自分の中でテーマとして掲げていたことはありますか?
守備面では運動量を持って(ボールが)自分の頭を越えた後もプレスバックをしたり、取った後の前に出ていくプレーやビルドアップでボールに関わって前進させるという、かなりの役割を求められると思っていました。そこに関しては頭の中を整理して臨めていると思います。
--2-0でリードした後は守備に回る時間もありました。その中でも粘り強く対応していたことが印象的でした。
自分のところにボールが運ばれていたら、後ろのコーチングを聞いて後ろを確認しながら(プレスに)出るか出ないか判断をしていました。最近は勝手に自分で判断してしまい、やられる回数は多かったですけど、監督もそれをかなり言ってくれているので、そこを意識しながらやりました。守備で貢献できたことも成長の一つだと思うので、守備も攻撃ももっと成長して、もっと勝たせられる選手になっていくために努力していきたいと思います。
--試合後のファミリアでは福井選手が前に出て踊りを披露していました。
ああなったら「和樹いけ」ってなるので。勝った時は嬉しいので出たって感じですね(笑)。
--ぐるぐるPK対決の最後でも前に出てギャグを披露していますけど、「一発やってくれ」というチームからの期待を感じますが(笑)。
「お前ならいけるやろ」って感じでみんなが振ってくるので、それに応えるだけかなと思います(笑)。
--愛されている福井選手だからこそ、ゴール後はみんながすごく寄って来て祝福してくれました。ああいったシーンを何度も作っていきたいのでは?
そうですね。まだ9試合あるので、スタメンで出続けて、もっと点を取ってみんなと喜び合って勝利して、J2へ昇格したいと思います。
--次節は首位・大宮アルディージャとの試合になります。1週間後のアウェイゲームへ、どのように臨みたいですか?
前期の大宮戦ではスタメンで出ましたけど、悔しい思いをしたので、アウェイでは成長した姿を見せられるように1週間準備をして絶対に勝ちたいと思います。
FW/39 瀬沼優司
--ニアに入っていって、高野選手のクロスに合わせるという見事なゴールを決めました。振り返っていかがですか?
中でいい待ち方ができて、遼がすごくいいところにボールを上げてくれました。入り方と上げる場所のイメージが点と点で合った感じがしました。クロスは前から練習でやっていたので、こうして結果に結びつくと練習で狙ってやり続けてよかったなと思いました。日々の積み重ねをこれからも続けていきたいですね。
--ちょっと声がかすれ気味になっていますね……。
久しぶりに90分出て身体も最後は結構キツかったですし、集中を切らさないようにお互いに声をかけ合いながらやっていたので。みんなで必死に戦った結果ですね。
--瀬沼選手のシュートも、ファーへ流し込むお手本のようなシュートでした。
入り方を9割くらい意識していて、一度真ん中に逃げて、そこから遼の体勢を見てあの瞬間は「ニアに来るな」と分かっていて相手より前に入って触れたので、入り方がすべてでした。ヘディングはクロスがよかったですし、あとはゴールに向かって流し込むだけでそこは難しくありませんでした。
--シュタルフ監督の下で取り組んでいた一つの成果にも繋がったのでは?
クロスもそうだし、シュートの練習がかなり増えていて、その中でクロスへの合わせ方は特別こだわって意識していたので、それが結びついてよかったなと思います。
--瀬沼選手が前線でボールを受けて、今日の試合ではそこから前を向く場面がよく見られました。
相手にボールを蹴らせてセカンドボールを回収するという狙いの元、守備をしていました。押し込まれているように見えましたけど、それも自分たちがちゃんと狙いを持って準備をしてきたことでした。あとは頑張って自分が起点になれば後ろが楽になると思ったので、前を向ける瞬間が前を向いたり、時間を作ってあげたいと思ってプレーをしていました。そこはいつもより少し工夫していたところでした。
--前を向くことでゴールへの推進力が増すメリットもあったように感じましたが。
前を向くと(味方が)自然と後ろから追い越して来たりして、前向きにプレーができます。後ろに下げるボールばかりより、自分が前を向くことで味方の時間を作れますし、前への勢いが味方にも生まれます。そこは全部が全部うまくいくわけじゃないですけど、ああやっていい形で前を向けると自分たちにとってプラスになると思っていました。
--2戦連続でゴールを決めて、決定機以外のプレーを見てもコンディションがかなり上がっているように見えますがいかがですか?
久しぶりに長い時間出場しましたけど、今日は正直、もっと動かなきゃなという反省点があります。また次の試合に向かって競争がありますけど、試合に絡むごとにコンディションは自然と上がっていくので、次の試合はもっといいコンディションで臨めます。反省しなければいけないところはたくさんありますけど、勢いに乗るところは勢いに乗っていいと思うので、コンディションをもっと上げて、もっといいプレーができるよう、もっとチームに貢献できるようやっていけたらと思います。
-- 一時期の苦しい時期を乗り越え、2試合連続で瀬沼選手がゴールを決めて勝利に貢献することができました。
出られなかった選手は本当に悔しい気持ちを抱えています。出ている選手はそういう選手たちの気持ちを乗せてプレーする責任がありますし、そこだけを意識しています。でも、残り9試合を今と同じメンバーで戦い続けるとは思わないし、競争はまた生まれます。今、出られていない選手もなにが起こるかわかりませんし、ここから昇格を決めるゴールでも決めてみれば、みんなの人生が変わると思います。みんなで高いモチベーションを持って競争したいですし、自分も出られているチャンスを離さないよう残り9試合を駆け抜けたいです。
--次節はアウェイで首位・大宮アルディージャとの試合になります。
100%チャレンジャーとして戦うだけなので、今日よりもっともっと必死にぶつかっていきたいですね。
MF/48 植田啓太
--お疲れ様でした。めちゃくちゃ走っていましたね。
そうですね。気持ちは入っていました。
--前節、決勝点を決めて今日はスタメンに選ばれました。自分がスタートで出た試合で結果を出したい気持ちは強かったですか?
そうですね。スタートで出た3試合は全部負けていたので、ここで払拭したいという思いはありました。相手も相手だったので失うものもなかったですし、やるだけでした。
--今治はマンツーマン気味にハメてくる守備をしてきました。どのようにしてプレスをかい潜ろうとしていましたか?
一つは相手が2トップで来るなら、僕らは3人後ろにいるのでその3人が一人はフリーになるので、3人でうまく動かそうと思いました。でも、相手は基本的に3トップでかけてきて、飲水タイム後に2トップになりましたけど、他は3トップでやっていたので、その時は僕が流れたり裏に走ったりしていました。
今は後ろ向きで受けたとしても取られる気もしないし、怖くないので、(長谷川)雄志にはどんどん出してもらって、そこから1タッチでターンをして剥がしたりトラップをして内側を向けるシーンもありました。プレスがハマっていたとしても、僕に出してもらえれば自分のところで剥がせる感覚があるので、状態はいいです。
--1点目は前から来ている相手に対して生まれた裏のスペースをうまく突いたと思います。高野選手がボールを持った時は、どんなイメージで動き出しをしましたか?
サイドチェンジで入ったと思いますけど、その時に相手の後ろのスライドが間に合っていないと感じました。最初に僕が相手のCBとSBの間に対して走る動きを見せると、相手のSBもちょっとついてきて遼くんのところが空いたので、そこへ出してもらった後に、SBが(高野選手のところへ)出ていくなら僕のところが空くと思っていました。それは、サイドチェンジが入る前からあの形は頭の中で思い描いていました。
--ニアゾーンで受けてクロスを入れましたが、逆サイドに福井選手が走り込んでいたのも見えていたのでしょうか?
見えてはないですけど、相手のディフェンダーはボールと自分のマークを同一視することは難しい場所なので、あそこ(ニアゾーン)に入っていくことはすごく大事でした。そこから点が決まったので、いい形でできたと思います。
--チームとしての狙い、それぞれのイメージがピタッとハマった見事なゴールだったのでは?
そうですね。完璧に近い形だったんじゃないかなと個人的には思います。サイドチェンジはチームの中で大事にしていますし、素早く突破することもイメージしていました。本当にいいゴールだったんじゃないかと思います。
--その後、立て続けにゴールを決めて相手が押し込んできた中で、植田選手のハードワークや球際の強さがすごく目立っていました。
監督から攻撃面ではすごくいいと評価してもらっていましたし、チームのみんなからはそこでの信頼はしてもらっていました。自分が出て勝てない時は、失点が重なってしまったり、自分のところで意識していないわけではなかったですけど、なんとなく攻撃に比重を置いてやろうという感覚がありました。でも今日は、90分保たせるということは考えず、相手のFWが強いこともわかっていたので、ラインにしっかり戻ることも意識していました。形を崩しすぎたくなかったので、FWの選手も出にくい感じはあったと思いますけど、僕は相手がバックパスをした時はボールにしっかりいこうと意識していました。
--後半も植田選手が70〜80mくらいスプリントして自陣ペナルティエリアまで戻ったシーンがありました。
それも大事ですし、このリーグでプレーすることに満足してはいけないと思っています。自分は絶対にJ1で出たいし、羽ばたいていきたいですけど、自分が長い期間プレーすることもあまりありませんでした。そういった時に相模原に獲得してもらって、その責任はしっかりと果たさなければいけないと思っていました。先はわからないですけど、必ずJ2へ連れていくという自分の役割を果たしたいと思います。今日の相手は2位でしたし、僕らは自動昇格圏に入ることを諦めていないので、ここから勝ち続けることを目標にしているので、気持ちが入っていました。
--2位の今治との試合を終えた次の相手は、首位の大宮です。その試合へ向けてはいかがですか?
1位のチームですし、J3にいるようなチームではないと思います。誰が見ても大宮が勝つと思っているかもしれませんけど、僕たちは失うものはなにもないですし、今日のようにやるだけだと思います。勝てれば本当に大きいですし、それができれば今まで勝てなかったことにもなにか意味があったと思うので、そこはしっかり頑張りたいです。
GK/1 三浦基瑛
--2-0と、久々のクリーンシートでした。振り返っていかがですか?
早い段階で先制できて、その後すぐに追加点を取れたことが大きかったと思います。相手のFWが強力という情報もあったので、そこはディフェンスの3人と協力して、最後までゼロで抑えられたことは大きな収穫でした。
--前半からディフェンスラインの裏に出されるボールに対して集中した対応ができていたように見えましたが。
長いボールに関しては、自分がずっと続けている背後のケアをするだけでした。今回に限っては相手の2トップが自分たちの選手よりフィジカル的に優れていたので、そこで競り負けるか競り勝つかという五分五分のルーズボールは常にケアをしていたので、非常にいい距離感でセカンドボールは取れていたのかなと思います。
--後半の終盤もかなり攻め込まれるシーンがありましたけど、チーム全体で集中していたように見えました。後ろから見ていていかがでしたか?
セットプレーからの失点も前節はありましたし、そういったところの修正も練習でかなり対策していました。外からのクロスボールが多い中、自分も安定したハイボールの処理をできていませんでしたけど、今回は自分のところに来たボールに対してチャレンジすることも含めてフィーリングはすごくよかったです。それは継続してやっていきたいです。
--相手の直接FKが際どい場所へ飛んできた場面もありましたが、よく手を伸ばして反応しましたね。
相手は右利きしかいなかったので、そこで壁の配置を準備するのにバタついてしまい取り乱すところが少しありました。最終的には枠に来たら自分が止めるだけだと思っていて、うまく触れたのでよかったと思います。
--2連勝で大宮とのアウェイゲームに臨みます。意気込みはいかがですか?
大宮さんはとても強力ですけど、自分たちとしては相性がとてもいいと思います。今の調子で、誰が出ても勝てるというところを見せていきたいです。また1週間、しっかりと準備をしたいし、自分も今回の試合でできたことを継続して、出た反省点を一つひとつ潰して3連勝を目指していきたいと思います。