《試合結果》
FC岐阜 1-2 SC相模原
【得点】
36'イヨンジェ(FC岐阜)
38'瀬沼優司(SC相模原)
90'植田啓太(SC相模原)
■Jリーグ公式ホームページ試合結果
https://www.jleague.jp/match/j3/2024/091423/live/#live
シュタルフ悠紀リヒャルト監督
--試合を振り返って。
6試合勝てていなかったので、今日はアウェイの地で久々にサポーターや選手、スタッフの笑顔が見られて本当によかったと思っています。
今まで非常にいいゲームが続いていた中で惜敗したり引き分けたりと、苦しい期間になりましたが、チームが一丸となってプロセスにこだわってやってきたことが、今日の勝ち点3につながったと思います。
フットボールは非常に不思議で、今日はもしかしたら我々が見せたベストゲームではなかったかもしれないですけど、「絶対に勝って帰る」という気持ちが選手一人ひとりに宿っていたと思います。それが植田(啓太)のシュートにも宿ったと思います。最後の三浦(基瑛)のセービングとか、その他も運のいいシーンがありましたけど、なによりも勝ち点3をお土産に相模原へ帰れることを非常に嬉しく思います。
岐阜はいつもたくさんのサポーターが来て雰囲気のいいスタジアムですし、サガミスタもたくさん来てくれたことで今日はスタジアムが緑一色になって非常にいいフットボールになりました。これで勢いに乗って、この流れを次のホームゲームに繋げていけるよう頑張りますし、岐阜さんも残りのゲームで健闘することを祈っています。
--今日はMFの長谷川雄志選手が3バックの左に入り、瀬沼優司選手も久々の先発となりました。それぞれに期待した役割は?
本来であれば、岐阜さんも4-4-2のシステムで戦ってきていて、5バックは今季初めてだったんじゃないかと思います。今までの岐阜さんとのゲームと、また午後3時キックオフという猛暑も想定した中で、ボールを走らせないと体力が保たないだろうなと思って、よりボールを動かせる選手をディフェンスラインに一人増やし、そこからの配球に期待しました。例えば福井(和樹)が抜け出してGKと1対1になったシーンとか、前半はそのほかにも効果のあったシーンがいくつかあったと思います。
瀬沼に関しては、高さをプラスしてくれる選手なので。失点はしてしまいましたけど、岐阜さんのセットプレーを警戒していたので、瀬沼がいる・いないでは、我々の守備力も全然違うのかなという期待感もありました。それに、最近はリーグで見ても非常に高い数字でクロスがボックスに入っている中で、なかなかそれをモノにできていない状況もあったからですね。今日もサイドからのクロスを想定して瀬沼を起用して、その期待に応える同点弾を決めてくれました。2人とも大変勝利に貢献してくれたと思っています。
--代わって入った植田選手が期待に応えましたが、ハーフタイムの選手交代と79分の3枚替え、88分の徳永裕大選手を入れた狙いをそれぞれ教えてください。
今日が消耗戦になるということは、気温を見ても事前にわかっていたことでした。ハーフタイムでの交代は回数のカウントに入らないので、なるべく交代の機会を残して、あとの4人を3回のタイミングで投入できるようにしたかったからです。
その後の3枚替えは、最初は2枚でいくつもりでしたけど、そのタイミングに足をつっている選手もいて、交代のカードを切り直したりとちょっとバタついたところもありましたけどスタッフも一丸となってオーダーに迅速で応えてくれて、なんとか勝利につながる選手交代ができたと思います。
最後のカードに関しては、走れなさそうな選手がいたのでそこのパワーアップですね。僕らは終盤にやられているゲームがここ数試合は多かったですけど、徳永はゲームコントロールに長けた選手で、彼が締めてくれることに期待して送り出しました。
シュタルフ悠紀リヒャルト監督記者会見のコメント全編はYouTubeで公開中!
https://youtu.be/ovKt463OnEY?feature=shared
GK/1 三浦基瑛
--試合終盤のヒリヒリした時間も含め、今日の試合はいかがでしたか?
試合を通して自分たちがボールを握っていてチャンスもありましたけど、セットプレーから先に失点してしまって、プレーが止まった後のファーストプレーはもっと意識しないといけないと思いました。セットプレーでの失点が続いているので、ゼロにするために練習からもっとやっていかないといけないですね。
--失点場面は、振り返ってどのように感じていますか?
後半のアディショナルタイムくらいの気迫で最初からプレーしないと、相手にやられる雰囲気が漂ってしまいます。余計なファウルをしないこともそうですし、ファウルをしたとしても、みんなが気迫を持って一人ひとりが声を出して、味方とつながってクリアするところまで統一してやらなければいけないなと思います。
--75分に相手がロングボールに対して抜け出してきて、三浦選手がエリアを飛び出してクリアした後のミドルも片手で防ぐという場面がありました。
ディフェンスラインの背後のケアは自分のやるべきことだと思っています。あの場面は芝のコンディションもあって、いつもより球が走らず威力が弱まる感じがして、大きく蹴り出すのかトラップして次につなげるという判断が中途半端になってしまった。そこはもっと割り切ってやらないといけなかったですね。
その後の対応も、急いでゴールに戻っていった逆を蹴られましたけど、落ち着いてなんとか準備をして触れたので、そこはよかったと思います。
--90分に勝ち越した後は、相手の猛攻を受ける形になりました。最近続いていたアディショナルタイムの失点も払拭するような守りで勝利を手にすることができました。
ここ数試合続いていた、アディショナルタイムでの失点を止めることができたのはよかったと思います。この1試合だけでなく、残りの10試合も継続してそれをやらなければいけません。1-0で勝っていても相手に隙を与えないこともそうだし、2点差、3点差と追加点を決めて突き放すことも絶対に大事になります。そこのゲームコントロールは、次の試合でさらによくできるようにしたいと思います。
--三浦選手の貢献も今日はかなり大きかったと思います。自己評価はいかがですか?
運でしかないと思います。止めたシーンも、振り返ってみると自分が思うような綺麗な形でできたわけではないので。相手もゴール前で焦っていたと思いますけど、自分も冷静に対処できていなかったですし、たまたまボールが当たったという感じでした。次は落ち着いて対処できるようにしたいと思います。
FW/39 瀬沼優司
--約3カ月ぶりの先発出場となりました。どんな気持ちで試合に臨みましたか?
今までスタートで出ることもあれば、途中から出たり、メンバーから外れることもありました。ここ最近はメンバーには入れないこと続いていましたけど、入れないなら入れないなりの役割があると思ってずっと行動してきました。
ここ数試合はチームにとって苦しい試合が続いている中、チームと一緒に進んでいましたけど、今日はスタートから出られるチャンスがあって、自分のやるべきことを徹底して、なんとかこの状況を打破したい気持ちで試合に臨みました。
--立ち上がりから瀬沼選手が相手の背後に抜け出して決定機を迎えるシーンがありました。
1週間、岐阜を相手に準備してきたことがありました。今日は(伊藤)恵亮と2トップを組みましたけど、恵亮との距離感を意識しながら背後に動き出すところと、ポストに入ることを意識して試合に臨みました。でももっと(ボールを)引き出せましたし、もっと距離感よくできたなと思うので、攻守で反省が多いゲームでしたけど、自分の役割を徹底しようと思ってプレーしていました。
--失点直後の38分に瀬沼選手のヘディングゴールが生まれました。振り返っていかがですか?
少しラッキーなところもありましたけど、クロスの入り方と駆け引きの中で相手の前に入ることを今週は意識づけするよう、準備してきました。クロスから得点が奪えたことはよかったと思いますけど、セットプレーでの失点が最近は続いているので、その流れを切りたい。
あと、前半にもっとゴールを決めるチャンスがあったので、そういったところを決めた方が勝利の確率はより高くなります。結果はよかったですけど、反省すべきことが多かったゲームになりました。
--瀬沼選手は先月のアウェイ・ヴァンラーレ八戸戦にサポートメンバーとして帯同し、ウォーミングアップを手伝うなどピッチ外でもチームに貢献をしてきた中、今回はゴールという目に見える形で勝利に貢献しました。
僕がもっと若い選手であれば、自分が活躍することだけを考えて「自分が活躍してやる!」という貪欲な気持ちだけでもいいと思います。今季はチームのキャプテンを任せてもらえていて、試合に出たら出られない選手の悔しさを背負って戦う責任があります。メンバーから外れたとしても、なにかできることが絶対にあると思って行動していました。
選手ですので一番はピッチに立ちたいし、活躍してチームに貢献をしたい。でも相手に対してどういうメンバーで臨むという(構想の)中でメンバーから外れることもありますけど、その時でもできることはあると思ってずっと準備をしていました。(今日、ゴールを決めることができましたし)自分がいつ出ても貢献できるように準備を続けてよかったと思います。
--試合後はゴール裏のサガミスタに向かって瀬沼選手がメッセージを伝えていました。改めてどんなことを伝えたか教えていただけますか?
この6試合、ネガティブになるような内容じゃなかったと個人的には思っていました。勝ちに等しい試合で、相手にほぼチャンスを作らせず行えていたゲームがありました。ただ一本のチャンスを仕留められてしまったり、こちらが仕留め切れなかった試合が続いていて、今日の試合はもしかしたら内容的には相手の方に多くの決定機を作らせてしまったゲームかもしれないですけど、みんなのゴール前での粘りだったりチャンスをモノにした場面もあり、改めて勝つって本当に簡単なことじゃないなと感じました。
小さい努力を積み重ねないと勝利は手繰り寄せられないんだなということを再認識した、すごくいい機会になりました。残りの試合で相模原が勢いに乗っていくきっかけになったんじゃないかなと思うので、この勝利を自分たちでいい機会にしたいと思います。
MF/48 植田啓太
--90分に植田選手のミドルが決まり、久しぶりの勝利となりました。今の気持ちを教えてください。
ここまで苦しかったですね。キツかったですけど、信じて使ってくれた監督に感謝したいです。それに尽きます。やっと応えられたなという思いです。
--あのミドルシュートには植田選手の勝ちたい気持ちも乗っていたように見えました。振り返っていかがですか?
距離もあったので、多分ですけど「打つな」と思っている人も多かったかもしれません。でもあそこは自信を持っているところだったので、いろんな思いを乗せて振り抜けたと思います。
--シュートを打ったのは逆足の左でした。
狙ったところへ蹴るのは右足の方が得意ですけど、パンチだけで言えば左の方があると思っているので。右に持ち替えている暇もなかったですし、そこは迷わず打って決めることができたので、よかったですね。
--植田選手にとって岐阜メモリアルセンター長良川競技場でのゲームは、横浜F・マリノスの選手として天皇杯でプレーして以来、今季2回目でした。いい思い出がさらに刻まれたのでは?
マリノスでデビューできたいい印象はありましたけど、そのことはあまり考えてなかったですね。今、自分が出た試合に勝てていないということがすべてだったので、なんとか勝ちたいという思いだけでした。それが結果的に相性がいいのか勝つことができて、よかったと思います。
--個人としてもチームとしても目に見える結果が出ましたけども、今後に向けてはいかがですか?
スタートから90分間出て勝ちたい気持ちが一番にあります。そのためにも監督やスタッフの信頼を勝ち取らなければいけません。そのためには、試合はもちろん日頃の練習からが大事になってきます。来週に向けて気持ちを入れ替えて、日々のトレーニングから自分に足りないところをフォーカスしつつ長所も伸ばしていく繰り返しかなと思います。
アディショナルタイムにはあれだけポストにボールが当たりましたし、モトくん(三浦基瑛)が90分間集中して守ってくれたり、(徳永)裕大くんが頭で触ってポストに当たった場面もあって、僕が試合後にヒーローインタビューを受けられたのも本当にみんなのおかげだと思っています。シュートシーンも、みんなが前半から相手を走らせてくれたから入ったとも思うし、またイチから競争し直したいと思います。
--ヒーローインタビューの後、遅れてサガミスタの元へ行きましたが、どんなことを伝えていましたか?
ホームでもアウェイの遠いところにでも、たくさんの方が応援に来てくれているので、まずは感謝の気持ちと今、自分が思っていることをを伝えました。スタッフも選手もフロントも、サポーターのみなさんも、昇格を諦めている人は誰もいないので、「必ず昇格しよう」という言葉をかけました。その力になれるように頑張るということも伝えたので、そこはブラさずやっていくだけですね。
MF/40 長谷川雄志
--長谷川選手は約3カ月振りの先発出場で、本職ではない3バックの左というポジションを担いました。
先週の練習試合の前日に「どう?」と言われて実際にそこで出てみて、いいパフォーマンスだったからそのまま試合に使われたのだと思います。徳島ヴォルティスでもあのポジションではプレーしていて、感覚的には違和感はありませんでした。フリーで持てる分、いろんなところが見えるし、普段と違ったおもしろさはありましたね。
--実際に、立ち上がりから背後へ抜けていくFWに配球するなどチャンスを多く作っていました。
そこは自分のストロングではあるので。前半、あそこを決め切ってくれていればもう少し違う展開になっていたと思いますし、後半も自分がもう少しいいボールを配球できていればチャンスが増えたんじゃないかなと思います。
--デーゲームで暑さもあったと思います。後ろでボールを握ることができた分、スタミナを温存しながら戦えたのでは?
自分は途中で足をつってしまい、相手選手が足を伸ばしてくれたのでまだまだいけそうでしたけど、交代になりました。僕がベンチに下がってからもボールを持つ時間は長かったと思います。
持っている時間が長い分、(守備で体力は削られず)もっとアグレッシブにいけたはずですし、自分が前を向いたタイミングで動き出してほしかったと思います。(ボールを受けに降りてきた)前線との距離が近ければ自分もクサビを入れられますけど、ちょっと遠い時にクサビを入れてもあまりいい展開にはならないと思うので、そこはよく見ながらやっていきたいですね。
ディフェンスラインは、マサくん(田代真一)を中心に声をかけ合いながらスライドもできていましたし、やられる感じは一切ありませんでした。前半の1失点に関しては、最近のうちのちょっと弱いところが出てしまった場面で、もったいない感じはあったかなと思います。
--それでも、長谷川選手自身も爪痕を残しつつチームも勝利することができ、再浮上するいいきっかけになったように思えます。今後に向けてはいかがですか?
これで次の試合も継続して絡んでいくことが自分にとってはマストだし、(それができなければ)このチームに来ている意味はないと思っている。そこで違いを出しつつ、このまま結果もついていけば必然的に昇格へ近づくはずです。