--中断期間中に高円宮記念JFA夢フィールドでミニキャンプを実施していますが、この環境はいかがですか?
もう素晴らしい環境で、いろいろな方たちが非常に頑張ってくれたことで僕らはここで練習ができています。当たり前の環境ではないと思うので、感謝をしっかり込めて毎日全力で取り組みたいと思います。
--このミニキャンプが合流初日になった新加入選手もいます。練習を見て、どんな印象を受けましたか?
我々をレベルアップさせてくれる選手だと思ってお願いをして、来てもらっているところもあります。初日から自分たちの特長だったり良さを存分に発揮してくれていると思いますし、みんなで彼らを受け入れる体制を作って彼らの良さと我々の良さを噛み合わせていきたいですね。
(チームに)必要なピースだと思いますし、攻撃に加わってくれた人たちは攻撃を活性化させてくれるはず。守備に加わった選手たちは今までの守備に攻撃的な要素を上乗せしてくれるような選手だと思っていて、それが攻撃的に進化するために必要なピースだと思いますし、彼らの力をうまく生かしつつ、既存の選手も負けじと頑張ってもらってそこで化学反応が起きることに期待したいです。そうして、残りの試合は「新生エナジーフットボール」でガンガンいきたいなと思います。
--特に、武藤雄樹選手は日本代表のキャリアもあり、J1でプレーしていた選手です。彼にはどんなものをもたらしてほしいと考えていますか?
平野(孝)SDを中心としたフットボールオペレーション部が非常に頑張って補強してくれたと思うので、まずクラブに感謝を伝えたいという思いですね。
彼は覚悟を決めて柏レイソルから相模原に来てくれたと思います。本人にも伝えましたけど、最前線で相模原にゴールをもたらしてくれることに期待している一方で、我々の若く才能があるアタッカーに対しても働きかけて、私にも力を貸してもらって一緒に選手を育てるような関係性を築けたらいいなと思います。
--新加入選手が加わったことで、いままで主力だった選手にも危機感も芽生えるのでは?
危機感と言うとネガティブな印象もありますけど、良い意味で刺激し合って良いライバル関係を築いてほしい。選手単体で見たら試合に出る、出ないで世界が違いますけど、本当のところは誰が出ても大丈夫なわけで、大事なのはSC相模原が勝ち点3を積み上げていくことです。なるべく一番旬な選手を見極めたいし、選手たちには危機感というより、旬であり続けてほしいので、そこのところで新加入選手の存在によって前からいた選手たちも旬を取り戻してほしいなと思います。
とにかくお互いにポジティブなエナジーを与えて、誰かを引きずり下ろすというより、自分がより良いパフォーマンスを出すために切磋琢磨してほしいですね。
--練習でCBの縦パスに対して前の選手がフリックをして、サイドの選手が連動してどんどん前に出ていくというシーンが何度も見られましたが、どんなテーマで意識づけをされていますか?
テーマは「エナジーフットボール」ですので、エナジーに満ち溢れる攻撃の回数をこの第2フェーズで増やしていきたい。前節のツエーゲン金沢戦もクロスからのチャンスは今までの割合以上に作れていました。それをより多く、よりスピーディーに、選手と選手がつながっていけるようなものを今は作っている段階です。ただ今日始めたわけではなく(監督に就任してから約1カ月間の)積み上げもあります。そういったものを得意とする選手がこの夏に入ったことで、成長も加速させていけると思います。
クラブがキャンプの場を用意してくれて、オフ・ザ・ピッチでも休むだけでなく頭にいろんなプレーの原則や立ち位置だったりコンセプトを入れてもらいたい。昨季の成績を見て、僕らが昇格争いに加わると予想している人は少ないと思います。僕は自分たちがダークホースであり、チャレンジャーだと思うので、周りが驚くくらい強くなって帰らなければいけないと思っています。
--シーズンの途中からチームを率いる難しさもあったなかで、ビルドアップなどどんなディテールを詰めていますか?
今までは次の試合がどんどん来て、時間がありませんでした。新しいものにチャレンジをすると最初はうまくいかないものですけど、そこで勝ち点を取りこぼしていたら元も子もないので、新しいものを多く取り入れすぎずここまでやってきました。そのバランスは、僕自身初めての途中就任でしたし探り探りでしたけど、今はこうして少しだけ時間がある。逆に言えば、“今しか時間がない”。残りの15ゲームで勝つためのものを落とし込まないといけない。僕は必死ですし、これでも時間は足りないくらいで今週が非常に大事だと思っています。ピッチレベルだけでなく、いろんなアプローチで全体の画を理解できるよう、やっていきたいと思います。
--ここが選手にとっても監督にとっても、ターニングポイントになり得る機会だと思います。残りの15試合に向けてはいかがですか?
具体的な勝ち点目標は選手たちにも伝えていて、現実的なラインで定めないといけないですけど、気持ちは15試合全部に勝利するつもりでやらないといけません。もう1試合も落とせないですし、すべてのゲームが決勝戦だと思って臨むだけです。ただ、リーグ戦なので決勝戦を落としても次の決勝戦がまたやってくる特殊な状況ではあります。
この第2フェーズでは「自信と勇気」をテーマにしていますけど、自信を蓄えて、勇気を持って(サンプロ)アルウィンに乗り込まないといけません。相手はJ1でも戦っていた松本山雅FC。僕らはダークホースにしかすぎないし、チャレンジャーです。今は我々の方が順位は上ですけども、クラブの歴史を見たら僕らが下ですので自信も持ったチャレンジャーとして、そういうクラブを倒していきたいと思います。