《試合結果》
SC相模原 1-0 福島ユナイテッドFC
■得点
24'田中陸（SC相模原）
■Jリーグ公式ホームページ試合結果
https://www.jleague.jp/match/j3/2024/041315/live#live/
戸田和幸監督
－－前節のアスルクラロ沼津戦から中2日で試合を迎え、メンバーも入れ替えた中で勝ち点3を得ることができました。
今日は今季初めてリーグ戦に出る選手もいました。ルヴァンカップでは若林（龍）も（伊藤）恵亮も出ていましたけど、リーグ戦は初めてで（今日スタメンで出る）前触れを感じていなかった可能性もあったと思います。コーチ陣と一生懸命練習してきたことをとにかく出し切ろうということをチームミーティングで伝えました。あとは今日の相手が福島さんで、相手からはすごくコンセプトも感じますし、テクニックレベルの高い選手も多く「福島はこうだ」というものを出しましたけど、それに対して連戦を2つ戦った後のチームでどう迎えるかを考えました。
今日で言えば（岩上）祐三も久しぶりのプレーで非常に存在感を出してくれました。自分としてはずっと信頼していましたけど、それを示すということも含めてフレッシュな選手に託したいと思いました。
フレッシュな選手ということで今までリーグに出られてないですけど、一生懸命トレーニングを積み重ねてきた選手たちでした。危ない場面ももちろんありましたけど、いい場面の方が圧倒的に多かった。いい位置で奪っているんだけど、奪ったボールを確実に繋ごうということがまだまだ多く、ここは永遠のテーマだという話を先ほど選手にしましたけど、よくスタートからエネルギーを出して、相手の出鼻をくじくシーンも作れました。
「点を取って（試合前日に生まれた田中陸の第一子へ贈る）セレブレーションをしよう」と言いましたけど、まさか田中自身が取るとは思わなかったですが、よくやってくれましたし、勝って終わって、サポーターの方にも喜んでもらえたので、良かったなと思います。
－－福島は連戦の中でもベストメンバーに近く、相模原は普段と少し入れ替わりがありました。その相手に勝ち切ったことはチームにとっても、今日チャンスをもらった選手にとっても自信になる試合になったのでは？
3連戦の考え方だと思います。福島さんは水曜日のツエーゲン金沢戦で人を変えて今日の試合に繋いできましたけど、同タイプの選手が各ポジションにいたので、おそらくチームとしてのスタイルを変えないでプレーができるということもあったと思います。我々は我々で違う部分はありますけど、僕は個人の特徴を発揮させてあげたかった。その土台はチームになります。今日で言えば恵亮がトップ下に近いところでプレーをして、プレスもよくやったし、敵陣でボールを触ってシュートも打ちました。ファブリシオ（・バイアーノ）もそうですけど、みんなそれぞれの特徴をうまく繋ぎ合わせて、福島さんに思い切ってぶつかる試合にできたかなと思います。
とてもテクニカルな選手が相手には多く、特に中盤の選手はどれだけ狭いスペースでも球を受けられるし、CBの選手もビシビシとボールをつけてくる。逆に言うと「そこだ」という話をした中では、よい場面は作れました。もちろん、うまくやられてしまった場面もありますけど、そこに関してはそんなものかと思います。
全部思ったとおりにできればいいですけど、GKがいる理由は最後の砦だから。ピンチはもちろん少ない方がいいし、シュートも打たれない方がいいですけど、公式記録では合計のシュート本数は1本しか違わない。最後に三浦（基瑛）がいて、みんなで無失点に抑えられたことはよかった。敵陣で奪えたら最高ですし、中盤で奪えるとより良いですけど、最後のところまでというのをうちのチームはみんなやってくれる。
あとはそういうのをより安定できるようにとか、しっかり次の攻撃につなげることは取り組んでいかなければいけない。一本目のパスがズレることが多いので、ここは見過ごしてはいけませんし、ここのレベルを上げていかないと選手としてもチームとしても次のレベルにはなかなか到達できないと思います。勝った試合だからこそ、抽出して伝えられると思います。急にチャンスが来た選手も、今自分ができることをピッチで発揮するんだということに関しては、チームを感じました。これはコーチ陣を含めて選手をサポートしてきた成果だと思うので、そういう意味でもとても良かったと思いました。
■戸田監督記者会見のコメント全編はYouTubeで公開中！
https://www.youtube.com/watch?v=iA4Nrgbk6nE
DF／25 田中陸
－－まずは勝利おめでとうございますございます。
ありがとうございます。
－－第一子誕生もおめでとうございます。最高の1日になったのでは？
そうですね。ありがとうございます。昨日子どもが生まれたばかりで、奥さんは病室から試合を見てくれていたと思うんですけど、いい姿が見せられたかなと思います。
－－昨日、第一子の誕生に立ち会われたということでしたが、その瞬間はいかがでしたか？
本当に生まれることって奇跡なんだなと思いますし、人生でなかなか経験しないことなので、奇跡の瞬間に立ち会えたなっていう気持ちです。
－－父親になって1日で迎えた今日のホームゲームでした。先発を言い渡された時、どんなプレーをしたいと思ってピッチに立ちましたか？
昨日のことは忘れられなくて、本当に奥さんと赤ちゃんがすごく頑張ってくれたので、「今日は自分が頑張る番」と思って勝利のためにとにかく良い姿を見せようと思って気合いを入れて試合に臨みました。
－－FWの選手なら奥さんと子どもへゴールをプレゼントしやすいと思います。それがCBとしてまさかゴールを決めてしまうとは。
CKで自分が上がる時と上がらない時があるのですが、今回は上がるような戦略にしてもらっていました。「チャンスがあれば決めよう」という気持ちはもちろんありました。ただ、いつも決めている選手ではないので、周りの人たちも決めたら（ゆりかごパフォーマンスを）やろうねって言ってくれていたので、まさかではありました。
－－ゴールシーンは岩上祐三選手の左足のクロスに、相手選手の前に入ってタイミングを合わせた形でした。振り返っていかがでしたか？
振り返ってみても、うまく当てられたなと思います。1本目もすごくいいクロスが来ていたんですけど、それを当て損ねてしまいましたけど、2本目も祐三さんが信頼して同じところに蹴ってくれました。1本目があったからこそ、うまく当てられたかなっていうのと、自分でも思った以上にうまく当てられたなと思います。
－－SC相模原での初ゴールにもなりました。
どちらかというと時間かかってしまったので、そこはお待たせしましたという感じですけど、やっと決められて、ほっとした気持ちと、やっと決められたなっていう気持ちで、いっぱいです。
－－入団3年目のシーズンを迎えていますが、ここまでチームにとっても田中選手にとっても苦しい時期はあった中、スタメン出場をつかんでゴールを決めて勝利に貢献できました。それができた要因をどこに感じますか？
ずっと（努力を）やめることはしなかったですし、自分がずっと試合に出られなくても、構想外だなって気づいていても、やめることはしませんでした。とにかくできることをやり続けて、それが今になって結果に出てくれたので、その時にやめなくてよかったなと思います。この時のためにやめなかったなとも思いますし、これからもそういう（苦しむ）時間は絶対あると思うんですけど、この経験があるからこそ、これからも続けていけると思っています。
－－今日の後半戦は苦しい時間も多かったと思います。相手がかなり攻めてきた中で、勝ち切れた要因は？
（終盤の2失点で逆転負けした）前節のこともあって、全員が守備に対して最後の最後まで気を抜くことなくやれたことも一つだと思います。守備のところでも割と整理して相手がやりたいことを封じられたからだと思います。
－－電光掲示板に活躍した選手の紹介文が表示されます。田中選手は『全てのポジションをこなす、ポリバレントな名脇役』と書かれていますが、今日は完全に脇役ではありませんでした。
そうですね。あれを見て、「とはいえ脇役か」と思ったことはありました（笑）。今日は、「そうじゃないぞ」ということを見せられたんじゃないかと思います。
－－奥さんとお子さんに思いを伝えるとしたら？
本当に感謝しかありません。自分は一生、子どもを生むなんて経験できないことで、立ち会えたからこそ、感謝の気持ち大きくなりますし、これからも子どもと奥さんを大事にしていこうと思います。
－－子どもを抱っこして入場したり、お子さんがパパがサッカー選手をやっているとわかるくらいになるまで、サッカーを続けたいですね。
そうですね。ぜひ抱っこして入場したいですし、いつか今日の日が伝えられたらいいなと思います。
MF／47 岩上祐三
－－1-0で勝ち切った今日の試合をどのように振り返りますか？
前半、いい形で点数を取れたことは良かったと思いますけど、後半のゲームの進め方が少し課題かなと思います。
－－後半、リードしていたこともあって相手に押し込まれる時間帯も長くはなってき思います。その中でどういうところが課題になりましたか？
1-0になって、ハーフタイムのロッカールームを出る時に「前半のことは忘れよう。引かないで前から行こう」って言ってましたけど、気持ち的にちょっと難しい部分もあって、下がってしまった部分も正直あるのかなと思います。
－－先制点は岩上選手の左足のクロスから生まれました。あのシーンは狙い通りでしたか？
そうですね。チームとしてクロスで終わるというのはあったので、とりあえずクロスを上げておこう、と。あとは中の選手は誰でもいいので、信じてやったら決めてくれたのでよかった。その前のCKも陸（田中）のところで決めてくればよかったですけど、2本目で決めてくれて良かったです。
－－田中陸選手に第一子が生まれたことは皆さん知っていたと思いますが、最高のかたちでのお祝いになりましたね。
そうですね。自分でゴールを決めて、パフォーマンスもできたので、非常に良かったと思います。チームとしても本当に嬉しいニュースだったので、なんとしても勝ちたかったですし、それが陸のゴールで、本当に良かったと思います。
－－岩上選手は開幕戦でスタメン出場していましたが、最近は試合から遠ざかっていました。その中で今日はどういうことを自分の中で意識して試合に入りましたか？
そこまで意識はしなかったですけど、久々の試合で難しい部分もありました。まずは僕が出る価値を示すために、チームに落ち着きを与えたいと思っていました。
－－長谷川雄志選手とダブルボランチを組んでいましたが、どんなバランスでプレーしようと考えていましたか？
真ん中で俺と雄志が1本、2本繋げれば外はある程度空くので、そこは意識していました。前半はいい形で攻撃できたと思いますし、そこは良かったと思います。
－－前のポジションにはブルーノ・サントス選手と伊藤恵亮選手、ファブリシオ・バイアーノ選手がいましたが、どんな攻撃のルートを描いていましたか？
ファブとブルーノの足を生かしたかったので、「キツいだろうけど頑張ってくれ」という話はしていました。恵亮も頑張って走ってくれたので、そういった選手を使いながら前進することを意識していましたし、それはある程度できたと思います。
－－岩上選手のプレーをここからまた見られることを楽しみにしているサガミスタへ意気込みを。
試合に出られるように頑張りますし、出たら出たでチームに落ち着きを与えられたらいいなと思いますし、勝てるように頑張ります。
－－試合後にはハイタッチお見送り会もあり、岩上選手は列の先頭に立っていましたね。
俺が先頭に立った方がいいかなと思いました、後の選手がやりやすいかなと思ったので。こういう良い天候で勝てましたし、非常によかったと思います。サガミスタに喜んでもらえるなら、いいと思います。
MF／17 伊藤恵亮
－－スタメンで試合に出て、勝利を掴んだ気持ちは？
率直に嬉しいですね。（リーグ戦では）今シーズン初スタメンで、チームも連戦の中、勝てない試合もあったので「絶対にホームで勝ってやろう」と思っていたので。
－－3月のルヴァンカップで良いパフォーマンスを見せてリーグ戦に出場する選手がいた中で、伊藤選手はこのタイミングでの出場となり、1カ月前に見せたパフォーマンスを今日も発揮できたのでは？
自分の特徴は練習でも常に出しているつもりで、そういったところがゲームに出たのかなと思います。
－－戸田監督が伊藤選手は今日、「フリーロール」だったという話をしていました。自由をかなり与えられた役割だったということですか？
そうですね。戦術練習でも、自由にやっていいっていう話をしてもらっていました。ちょっと迷ったところもありますけど、試合の中で自由に動いてボールを受けたりできたので、それは良かったかなと思います。
－－その中でも、左サイドが起点だったのでしょうか？
本当に自由という感じで、見た限りでは空いているのがそこだと思ったので、そこに入っていた感じです。
－－トップ下だけど少し左に流れていた？
トップ下でもなく、本当に自由でした。取ってほしい場所は言われてますけど、それ以外が好きにやって良いと思います。
－－特にディフェンスでは、2度3度ではなく4度追いくらいまでしていたと思います。あのプレーは最初からやろうと決めていたことだったのでしょうか？
そうですね。チームのやりたいこととして、GKに右からプレッシャーを与える狙いがあったんで、それは少しできたのかなと思います。
－－あれだけ走ってたら、相当疲れるんじゃないかと思いますし、ヒートマップで見たらほぼ全範囲に顔を出していたと思います。
結構疲れました（笑）。自分は練習でWBをやることもありますし、ルヴァンで対戦してからなにかやるようになって、あそこで成長しているのかなと思います。シュートは、3、4本打って、枠に飛んでないシュートが何本かありました。そういうところを決めきれないと試合に絡んでいけないと思います。
－－シュートを打ったシーンで、ブルーノ選手が「俺に出してくれよ」と要求しているシーンもありました。
僕もブルーノに伝えることはよくあるので、お互いに要求し合えることがいいのかなと思います。
－－後半、ファブリシオ選手がボールを持ってファーに伊藤選手がいた場面では、かなり要求している姿が見えました。
コミュニケーションもよく取れていますし、あのシーンに関しては、奥にフリーな（橋本）陸がいたって言われたので、OK、OKと。
－－ここでスタメンで出て勝ち点3獲得に貢献できたことは、伊藤選手のポジション争いでもプラスに働きそうですが。
いつ試合に出ても良い時もできていますし、試合に出たいアピールしているつもり。こっから試合に出れるように、また挑戦していきたいなと思います。
MF／20 若林龍
－－お疲れ様でした。「待ってました！」と思っていたサガミスタも多かったと思いますが。
そうですね。自分自身が一番待っていました（笑）。ピッチに立ってみたら立ってみたらで、こんなもんなのかって印象ありますけど、いつも（試合のことを）意識して練習していましたし、自分が全然劣っているとまったく思っていなかった。まだまだ自分の実力を出せませんでしたけど、これからもっと絡んでいきたいなと思います。
－－前節から中2日ということで、スタメンに選ばれるかもしれないなという予感はしていましたか？
正直、まったくしていませんでした。でも、アスルクラロ沼津戦の次の練習では自分自身のパフォーマンスがすごく良くて、「ベンチには入れるんじゃないかな」と思っていましたけど、ボードを見たらスタメンのところに名前があったので、「やっと来たか」と（笑）。
－－やっと来たチャンスでどんなことを表現したいと思って試合に入りましたか？
今季は守備が特徴ですけど、自分は守備が得意な選手ではなく、ドリブルで違いを作ることだったりとか、クロスを見てほしいので、そこをすごく意識していました。サッカー選手をやっている限り、数字でしか評価されないと思っています。そこを今日は出ませんでしたけど、すごく意識していました。
－－右から深いところまで入ってのクロスを上げて、点に繋がりそうなシーンもありました。数字を残すため、次に向けてはどんなことが大事になりますか？
数字でしか僕たちは価値を示せないですし、サイド選手は特にゴールだったりアシストでしか、サッカー選手は価値が出ないと思う。そこだけを意識しつつ、チームのやらなければいけないことをやって、違いを生み出していきたいなと思います。
－－今日、決勝点を決めた田中陸選手は若林選手と共に3月のルヴァンカップを境にメンバーに定着しました。田中選手の活躍は刺激になっていましたか？
そうですね。周りには常にチャンスがこぼれていて、刺激を受けながら自分にいつ（チャンスが）来るんだろうなっという感じで、ずっと待ち構えていました。それがうまく繋がったと思います。
－－後半は相手に押し込まれる時間帯とかも多く、守備に回る時間もありました。
目の前の相手に負けないということと、常にメンバー外でしたけど（高橋）健二さんに対人トレーニングやってもらって、1対1の攻撃も守備もすごく成長した感覚があったからこそ、自信を持って守り抜けたかなと思います。
－－ファミリアを踊る前はサガミスタにどんなメッセージを伝えていましたか？
「勝てて最高です」って言ってたんすけど、最後に自分は足をつってしまったので迷惑をかけて本当に申し訳ないなということは伝えましたが、ちょっと噛んじゃいました（苦笑）。でも、ああいう瞬間がサッカーの醍醐味と言っても過言ではないほど最高でした。「苦しい」ってあまり言いたくないですし、良いことではないですけど、あの一瞬のために頑張ってきたと思う、少しは報われて良かったなと思います。
－－次は若林選手のアシストやゴールを期待しています！
ありがとうございます！