《試合結果》
奈良クラブ 2-1 SC相模原
14'水口湧斗(SC相模原)
68'酒井達磨(奈良クラブ)
90+8'西田恵(奈良クラブ)
■Jリーグ公式ホームページ試合結果
https://www.jleague.jp/match/j3/2023/111804/live/#live/
戸田和幸監督
--試合を振り返って。
前々節のアウェイFC今治戦、前節のホームFC大阪戦は、僕らからすると「ここがシーズンの重要な局面だ」ということで、選手はすごくよいものを見せてくれて、今日ここに乗り込んで来てくれました。前節の(5-0で勝利した)結果があって、目標ではないですけど我々は残留を果たして、そこから順位を上げていく挑戦が始まりました。やってきたことが見えた時間もあって、後半は相手がパワーを使っていろんなことをしてきました。僕が選手に言ったのは、最後の失点のところで「ゴールを目指し続けたなかで起きたことに関してはなんとも思っていない」という話をしました。「ただその中身は見ていく必要がある」と伝えました。現状、できることをやろうと努力し続けてくれて、90分間最後まで走って、今日は負けたんですが、毎回毎回自分たちが望むような結果を手に入れられるものではないです。もちろん手に入れたいと思って、選手たちは最後まで努力しましたけど、今日は勝ち点を取れなかったので、選手の努力を見た上で「次のホーム最終戦でいいものを見せられるように、仲間との会話をして準備しよう」と話をしました。
--今日の前半は自陣からのビルドアップの質がとても高かったように思います。チームとして春先からずっと積み上げてきた部分だと思いますが、戸田監督ご自身の目にはその錬度はどのように映っていますか?
ハーフタイムに言ったのは「相手を一つ外して前が開けた時に、そこでゆっくりしてはいけない」ということ。もう一つ前まで早く入って、そのままいけるならゴールまでいくということです。前半もありましたけど、ゆっくりするためにボールを保持するわけではなく、自分たちがボールを持って、プレスもして前進することを我々は目指していルコとは事実で、最初から相手にボールを渡すことはしないです。できた部分で言えば下の選手のボールの持ち方と間で待っている選手の立ち方と、相手の外から入っていく選手の見ている場所、増田(隼司)だったりの受け方でうまくいった部分もありましたけど、それが試合を通じてできるかどうかは、相手の出方にもよります。逆に言うと、それ(ビルドアップ)だけで試合に勝とうとも思ってないので、プレスもするしカウンターも打つ。
目指しているところで言えば、まだまだ道半ばであることは間違いないですけど、選手が一生懸命努力していることが見えているところもあるので、それをキチッと僕はみんなに伝えて、もっともっとできるように続けたいと思います。相手の勢いを受けすぎたり、相手にボールを渡して自陣での守備の時間が長くなると、今のフットボールでは難しさを生んでしまいます。できるだけ高い位置で、下がらずボールを奪って攻撃を仕掛け続けるということを目指し続けていきたいです。どうしても下がらない時は下がって、みんなで守って、みんなで前に出るということを続けてきたので、最後までやり切れたらよかったですけど、努力はしたと思います。そのなかでのクオリティや判断とか、僕から選手に渡しているものをもう一度精査して、次につなげたいと思います。ただ、できるようになっていることは確かに多いので、負けたからそこに目を逸らすとか、気がつかないという形にはしたくないので、選手にしっかりと見せて、伝えてあげて、「もっとうまくなろう」とか「もっと鋭くなろう」と言って、できることを増やしていきたい。「負けた試合にもいいことはある」といつも言ってるので、そういう形でまた個人とチームを進められたらと思います。
DF/3 水口湧斗
--試合を終えての感想を教えてください。
素直に悔しいですね。ホームで奈良さん相手に0-2からひっくり返して勝った時と、まったく逆のゲームにされてしまいました。
--GKとディフェンスラインを中心にいい入りができていたように見えましたが。
前半は相手が蹴ってきたセカンドボールを拾って、そこから攻撃につなげることができていました。後半になって相手も勢いをつけてきて、僕たちの押し上げがあまりできず、弾いたボールを拾えず苦しい展開になってしまいました。
先制点を取って後半、返された時に相手の勢いがついたというのもありますけど、僕たち後ろの選手がもっと声で引っ張ってアクションさせていかなければいけなかったと思います。
--ビルドアップに関しても相当うまくできていたように見えました。
そうですね。僕がボールを持った時、間に(西山)拓実と(前田)泰良がいたり、その奥に(吉武)莉央くんがいて、相手は前からプレスをかけてくるチームではなかったですし、フリーで持てる時間が多かったからうまくいったと思います。
--國廣周平選手や山下諒時選手、東ジョン選手との連係面や間合いが合ってきているのでは?
僕は3バックの真ん中でやっていますけど、当初と比べてスライドや諒時やクニくん(國廣)が出ていった脇のカバーは試合を重ねるにつれ、阿吽の呼吸じゃないですけど、声をかけずともできて僕がそのままスライドする形ができている場面が多いと思います。
最初の方が声をかけてから行ったりしてましたけど、もうお互いのタイミングがわかっているので、そこはいい流れでできていると感じます。
--水口選手は今日、ゴールも決めていました。
チームが勝たないと意味がないので、そこは薄れてしまいますね……。でも、今まで出てきた試合でまだ1点しか取っていなくて、チャンスも多くあったなか、地元の関西で先制点を取れたことはよかったです。
--打点の高いヘディングはセットプレーで生かしていきたい?
そうですね。もっと取らないといけないです。
--今季は残り2試合で、次節はホーム最終戦となります。意気込みを聞かせてください。
あと2試合で失うものはないですし、このメンバーでできるのもあと2試合です。サポーターの人たちに喜んでもらうためにも、全力で勝つだけです。
FW/39 瀬沼優司
--試合を振り返っての感想は?
ディフェンス面、オフェンス面含め一週間、練習で準備してきたことをゲームで出せていました。前半通して狙いを持ってサッカーができていたし、ゴールも奪えましたけど、追加点が取れるチャンスがありながら取り切ることができず、最後は相手にゲームをひっくり返されてしまいました。反省点や課題は毎試合あって、改善してきましたけど、この試合でもよかったところと改善点があったと振り返って思います。
--瀬沼選手は前半の立ち上がりから前線でボールを収めて起点になったり、前からプレッシングをしたりと貢献度はかなり大きかったのでは?
途中から入る選手も含め、みんなで努力できました。頼もしい仲間が控えているので、スタートから出ている選手は「最後まで(体力を)保たそう」とピッチには立っていないです。自分自身も前半で潰れるぐらいの気持ちでプレーしていましたし、前半に出る選手の役割があると思ってプレーしているので、そういった気持ちでプレーしています。途中から出る選手には途中から出る選手の役割があって、チームとして最後に勝っていればいいので、そういうことを意識してスタートから出ました。
--奈良クラブのビルドアップに対して、どんなことを注意してプレーしていましたか?
練習から立ち位置やどういう方向づけでプレスをかけるかしっかり確認してきました。狙い通りの守備ができていて、相手も出すところがなく困って蹴って、ディフェンスラインがしっかり跳ね返して回収できていたシーンもありました。
後半になって少しだけ相手の立ち位置が変わったり、相手にいい形で持たせすぎてしまう場面もありましたけど、それは90分のなかでいろいろな時間があると思っていて、別にそういった時にやられてはいませんでした。もちろん反省すべきポイントは一週間かけて(フィードバックと改善が)あるともいますけど、今日の失点は少し不運な形でもあったので、あまり落ち込む必要はないかな、と。改善すべきところを改善して、自分たちはチームとして前に向かっていければいいなと思います。
--瀬沼選手は今季の途中に地元のSC相模原へ入団しましたが、ご自身にとってどんなシーズンになっていますか?
自分が入ってくるまでみんながどう過ごしてきたかはわからないですけど、前半戦は苦しんだけど、みんなで努力して積み重ねてきたことで後半戦は少しずつ形になってきたと全体は感じていると思います。自分は途中から入りましたけど、途中からでもみんなと一緒に努力しながらここまで一つひとつ積み上げてきたと思っています。残り2試合になりましたけど、次はホーム最終戦なので、相模原を熱く応援してくれている人を笑顔にしてあげたいです。勝利で終わることだけを考えて、次に向かっていきたいです。
MF/15 前田泰良
--試合を振り返って、率直な感想は?
先制して、途中まではうまく進められていたので勝ち切りたかったです。最後に逆転までもっていかれて負けてしまったのは僕たちの力のなさでした。
--前節は途中出場でJリーグ初得点を決め、今日は先発に抜擢されました。プレーからモチベーションに溢れている感じが伝わってきましたが。
久々のスタメンということもあって、いい準備をして臨みました。「ミスを恐れずにチャレンジしていこう」という気持ちがあって、そのなかでいいサイドチェンジがあればミスやボールロストもあって、まだまだ改善点や課題もたくさん見つかって、「もっともっと良くなっていける」とも感じました。公式戦なのでミスは許されないですし、チームを背負っている以上、もっと得点につながるプレーや失点につながらないプレーを意識してやっていければと思います。
--ただフィジカルコンディションは良さそうに見えました。
練習から体は動いていますし、新しいポジションで日々学びながらプレーできている感覚はあります。スピードをもっと上げて自分がもっとボールを受けて展開して、相手から奪うような圧倒的な存在になれるよう、自分をもっと高めていきたいです。
--来週の試合が今季のホームラストゲームになります。意気込みを聞かせてください。
サガミスタの人から「切り替えて頼むぞ!」という声をかけてもらいましたし、最終戦ということで多くの人が来ると思うので、チームとして勝って、個人としてもいいプレーができるよう、一週間しっかりと練習を積んでいい準備ができればと思います。
GK/35 東ジョン
--試合を振り返っていかがですか?
誰が見てももったいない試合だったと思います。みんなで勝ち点3を取ろうと前がかりになったところ、最後の最後でやられたかたちになりました。3連勝が懸かった試合でチームの状態もよく、ミナ(水口)が先制点を決めてくれて、GKとしては最後、止めて自分の価値を見出したかったです。最後の失点は仕方なかったとして、最初の1失点目で耐えなければいけなかったところをチーム全体でもっともっと耐える力をつけなければいけなかった。
GKとしてはシュートを止めることはもちろんですけど、全部が全部止められないので、耐えなければいけない雰囲気作りや声がけをもっともっとレベルアップしないといけなかったです。どんなに強いチームにも苦しい時間はあるので、そこを耐え切れるチームになりたいし、リードしていた状況だったので。
--その時間帯、ディフェンスラインを中心にどんなことを意識して声がけを行っていましたか?
変な風向きでピッチの状態もよくなかったので、アウェイでいつもと違うなかでもディフェンス陣はしっかり集中していました。やることはしっかりやっていて、本当に小さいことが失点につながっているので、小さいところから突き詰めていきたいです。残り2試合あるので、もっともっとやれることを増やして、探していきたいと思いました。
惜しい試合になりましたけど、次はホーム最終戦なので今年の締めくくりとして喜んでもらえるようなプレーをしたいです。今日は負けてしまいましたけど、下を向く必要はまったくないと思います。残留も決まって消化試合として見られるかもしれませんけど、どうでもいい試合は一つもないです。みんな練習からやる気に満ち溢れています。最後はできることを全てぶつけてプレーしたいと思います。