《試合結果》
SC相模原 1-2 愛媛FC
46' 佐藤諒(愛媛FC)
77' 佐藤諒(愛媛FC)
90' 安藤翼(SC相模原)
■Jリーグ公式ホームページ試合結果
https://www.jleague.jp/match/j3/2023/102111/live/#live/
戸田和幸監督
--首位を走る愛媛FCをどのように分析して、先発メンバーを含めて相模原はどんなプランを立てて試合に臨みましたか?
ここ最近、引き分けの試合が続いていて、みんなには、「強いチームはパフォーマンスがよい時は勝ちますし、五分でも勝ちますし、『今日は難しいな』とか『うまくいかないな』という時も負けないかもしくは勝つのが強いチームの定義なんじゃないか」という話をしました。ただ、我々も負けてはないし、彼らからしたら「勝てたんじゃないか」と感じる引き分けもあったと思います。鳥取戦のようにラスト10分、しんどい時もありましたけど、そういう時に我々が、彼らがステージを上るために勝つというところまで持っていきたいという話を今週の頭にしました。
ここまでのシーズンの愛媛さんのリスペクトをしっかりとした上で、彼らも連敗したり引き分けたなかでここに来ているので、恐れるものは基本的にはなにもないので、とにかく向かっていきたいと。改めて前節の振り返りの映像も見せたんですけど、勝ちたいと思って全員が努力をしているのはわかっています。例えば前節の(同点弾を与えた)PKの場面を細かく自分なりに伝えながら週頭に見せて、こういうところを埋められた時に勝利が来るんじゃないかと思いました。前節なら後半の序盤に3つ目のゴールを取れるチャンスがあったので、そこでもし決めていたら確かに相手は逆転されてから不安になっていたと思うし、そういう一瞬の出来事で勝敗というのは行ったり来たりするので、そういったところにもう一歩向かっていけるようにトレーニングをすべきだということを話しました。
トップレベルだったら、3日おきに試合がありますので、調整になりますけど、僕らは時間があるし、立場としてもトレーニングにこそが重要でトレーニング以上に大事なものはないです。そこでもう一回、「いろいろなものを高めて今週のこの試合に自分が向かうんだ、という気持ちで取り組もう」という話しました。通常なら試合の2日前にはメンバーが決まっていますけど、今週はそういう形を取らず2日前もメンバーをシャッフルするなかで対愛媛で耐える準備も全員でして、最後にゲームもやって、昨日、「この試合はこのメンバーでいく」ということをチームに出しました。
もう一個は「チーム全員で」というのももちろんありますけど、シーズン終盤になった時に試合の重要性が増してくると思うんです。我々がまだまだチームとしても新しいですけど、選手はデビューシーズンの選手もすごく多いし、前節もベンチメンバーを入れたら8人がファーストシーズンの選手がいました。もちろん全員努力をして、全員試合でいいパフォーマンスを見せて勝つためにやっていますけど、そのなかでパフォーマンスが多少浮き沈みすることは、若い選手や経験値が低い選手においては仕方のないことです。そのなかでもチーム全員でもう一回今日の試合に向かうことを意識して、みんなですごくよいトレーニングはできました。
その上で対愛媛を踏まえて準備をしましたし、CBから前線まで若い選手が多いですけど、基本的なレベルもしっかりしたなかで、石丸(清隆)監督はいいチームを作っていますから、運ぶものに対しての部分と奪いにくるものに対しての部分は、我々としては一生懸命準備をして、臨んだつもりでした。そういう意味では、大きな得点機も実際に作って、終わった後にもその話をしたんですけど、それで「そのヘディングを決められなかった選手が……」ということではなく、要はそこにいないとシュートは打てませんから。でもそういうターニングポイントになる場面が試合にはあると思うので、そこでなにがなんでも決めるというところまでもっていきたいという話をしましたし、実際あそこで決めていたら全然違う試合になっただろうというのは事実だと思います。
言い方は難しいですけど、そのなかで相手の圧力と、狭い局面でボールを失わずに動かして入っていくとか。最初の失点も「なんとかできるだろう」と正直思っています。我々の選手は近くまで寄せている感じはありますけど、そこに至るまでの数十秒のなかでの愛媛の選手たちは怖がらずにプレーができていて、止める・蹴るのレベルも高く(ペナルティエリア内へ)入られたこともありました。これは経験しないと、自分たちの選手にとっては次につなげる材料にならない、もしくはなると思うので、彼らも目一杯プレーをした上で先に失点をして、そこから少しふわってなったと思います。2失点して難しい試合になりましたけど、最後にパワーを使って点を取ってくれたことと、基本的には下を向かず最後までプレーは続けているので、これは次につなげなければいかんと思います。
サポーターの人も勝つ試合だけじゃなくて、常に躍動する姿を見たくてここに足を運んでくれていたと思います。もっともっとそれができるようにもっと準備したいです。まだ6試合あるというのと、次もホームゲームなので、ホームでしっかり戦った時になにを僕たちは見せるべきかというのを共有して、一生懸命準備したいなと思います。
■戸田監督記者会見のコメント全編はYouTubeで公開中!
https://youtu.be/gC32UTfjVO8
FW/14 安藤翼
--首位の愛媛FC戦で先発出場を果たしました。どんな気持ちで試合に入りましたか?
個人的にもスタメンで出場するのはかなり久しぶりでしたけど、いつも通りのプレーを心がけて「最初から飛ばしていこう」と思っていました。首位の愛媛が相手で強いのはわかっていましたけど、自分たちもやれることはあるし、必ず勝てると信じて試合に臨みました。
--最後にスタメン出場した試合は、6月18日の第14節のFC岐阜戦でした。4カ月の間はスーパーサブという起用をされていましたが、いつもと意識に違いはありましたか?
サブで出る時はエネルギー全開じゃないですけど、120パーセントで全部やることを意識しています。スタメンでは90分間全部が全部(全力で)いけるわけではないです。もちろん最初は使い切るつもりでいきますけど、今はチームとして引いて守っている部分もあるし、いくところといかないところの部分の意識が少しですけど、あるかなと思います。基本はそんなに変えてない感じです。45分で出し切ってしまおうというつもりで、それは戸田さんからも言われていました。
--前節2ゴールを挙げていたこともあって、相手は安藤選手をかなりタイトに止めに来ようとしていました。警戒されている感覚はありましたか?
チームとして寄せのスピードやセカンドボールへの速さは、ここ数試合にはないものを感じました。技術レベルもあるなと感じました。
--前半に大きな決定機が2つありましたがそれを決め切れず、後半は相手に決定機をモノにされて0-2とされてしまいました。試合を通して決めるべきところで決められなかったことは大きな影響を与えたのでは?
それがすべてだと思っていて、決定機で決めるチームが強いチームですし、チャンスが何回も来るわけではないので、そのチャンスにどれだけパワーを持って決め切るか、準備できるかが大事になってきます。前線の選手は特にそこで決め切れるようにしないと、こうして失点して今日みたいなゲームになってしまいます。自分自身もチャンスの数を増やす必要がありますし、来たチャンスを決められるようにやっていきたいです。
--0-2で苦しい試合展開だったなか、90分に安藤選手が牧山晃政選手からのパスを受けてシュートを決めてみせました。
マッキーが中を見た瞬間に目が合って「パス来るかな」と思っていい準備ができて、本当にいいパスが来たのでコントロールして、振り抜いたらいいコースにいきました。
--相模原に来て、これまでの2シーズンはチャンスは作れているけどフィニッシュがなかなか入らなかったという状況から今はコンスタントにゴールネットを揺らせるようになった変化を自分ではどのように感じていますか?
入ってない時も継続して、シュートのトレーニングを積んできました。自分もメンバー外になる時期もありましたけど、それがその週に結果が出るわけではなく、1年後、2年後だったりもします。積み重ねというか、練習はやってきた分あって自分のなかで自信はあるので、どれだけ外しても打ち続けないと結局入ることはないです。いつ来るかわからないものを毎日のトレーニングで外しても外してもやり続けることで結果としてこうして表れている部分はあります。これで満足することなく、さらに点を取って、チームを勝たせることが大事だと思っているので、そこは意識してやっていきたいです。
--ヴァンラーレ八戸時代の8ゴールを上回る9ゴールを挙げて、自己ベスト更新しました。得点数をどこまで伸ばしていきたいですか?
今日の試合が始まる時点では「12点は取りたいな」と思っていて、今日も点を取れたのであと6試合で14、5点取れたらいいなと思っています。自分が点を取ることが勝利につながると思っているので、点を意識しながらチームが勝つための選択をもっともっとできれば、自分の幅も広がると思います。
DF/6 温井駿斗
--温井選手は7月1日の第16節・ヴァンラーレ八戸戦以来の先発出場でした。
スタメン出場自体は久しぶりで気合いは入ってましたけど、監督からも前日に「自分のためにプレーすれば、それがチームのためになるから自分ができることを考えてやろう」と言われていました。あまり気負いすぎず、まずは自分ができることを考えながらプレーしました。
--温井選手はプロキャリアが長い方ですけど、久しぶりの先発ということで緊張はしませんでしたか?
ないことはないですけど、程よい緊張感がありました。
--90+2分までピッチに立ち続けましたが、ご自身のプレーの感触はいかがでしたか?
試合自体は勝ってないので、「よかった」とは言えないですけど、ところどころで自分の長所である縦パスや斜めのボールを出せて、守備でも割と強くいけるところはいけていたのかなと思うので、まずまずですね。
--温井選手の左足から攻撃がスタートする場面が多く、前半は相手を押し込んで決定機を作れていました。
前半は特に距離感がいい感じがして、自分のところから攻撃が始まる感覚があって、そこから展開して右サイドからシュートまでいく場面を多く作れていました。後半は距離感があまりよくなかったのか、それとも自分の立ち位置がよくなかったのか。あまりパスコースに人がいるように見えなくて、効果的なパスをあまり出せなくて、ミスが続いてしまったので、そういうところはもっともっと修正しないといけないです。
--開始早々に喫してしまった1失点目はどのように振り返りますか?
後半早々に失点してしまうというところで、今首位を走っているチームと自分たちとの一番の差だったなと感じています。あそこで守れるチームなのか、あそこの時間帯で取れるかというところで、こういう順位の差が生まれてしまっていると思うので、そういうところをもっと突き詰めて、細かいところでやらせないようにもっともっとやっていかないといけないと思います。
--先制されてしまった後の試合運びについてはいかがですか?
僕自身は失点して逆に「前へ出られるな」と思いました。残り45分ぐらいありましたし、前半もチャンスはあったので、後半ももっともっとチャンスは作れるなと感じました。そのなかで全然やり返せると思っていました。
--2失点目は、自陣でこぼれ球を回収されてからの速攻でネットを揺らされてしまいました。
あれはビルドアップからミスをして奪われて、というところからでしたけど、そういうところを相手は狙っていたので、そのなかで自分たちが守れなかったことが一番にあるのかなと思います。守り切るとかゴール前で身体を張ることをもっともっと大事にして練習からやっていきたいです。
--愛媛とは、どんなところに差を感じましたか?
球際やボールへの執着心が愛媛さんの方があって、そのなかで一人ひとりにしっかりとした技術があったのもありますけど、僕たちも技術面でそこまで劣っていると思わないです。そのなかで自分たちが一つのプレーにチームとしてもっともっとこだわっていくことができれば、試合でも勝っていけると思います。
--敗戦という結果に終わりましたが、90分に安藤選手のゴールで一矢報いて次につながる要素もあったと思います。残りのシーズンに向けてチームとして、先発に返り咲いた温井選手個人として、今後への意気込みを聞かせてください。
終盤に翼が得点を決めてロスタイムが5分あって、「もう1点取るぞ」というかたちでチームは勢いをもってやれたと思います。まだ試合が続くので、チームとしてしっかり戦っていきたいです。今回、僕は久しぶりに先発で出ましたけど、先週、今週とすごくコンディションがいいなと思っていて、しっかりアピールができたのでこうして今回使ってもらえたと思います。他にコンディションがいい選手もいっぱいいますし、チーム内でしっかりと競争をして次も試合に出られるようしっかりと準備したいと思っています。
--若林龍選手や松澤彰選手といった最近試合から遠のいていた選手が出場機会を得ていて、チーム内の競争が激しくなっている感覚もあるのでは?
そうですね。どの選手が出てもチームのサッカーができることもそうですけど、一人ひとりが野心を持ってやっているところを監督は見てくれていると思うので、全員がそういう感情を持ってやっていければチームとしてもっとよくなっていくと思うので、また来週から競争していきたいです。