《試合結果》
SC相模原 1-1 FC岐阜
【得点】
35'水口湧斗(SC相模原)
45+3'生地慶充(FC岐阜)
■Jリーグ公式ホームページ試合結果
https://www.jleague.jp/match/j3/2023/091618/live/#live/
戸田和幸監督
--1-1で前半を終えて、後半はPKによるチャンスもありましたが、残念ながらそれは失敗し引き分けに終わりました。勝ち点3を取れた試合だったようにも感じますが、監督は試合をどのように振り返りますか?
まずは先週末の試合に自分が関わることができなくて、チーム、選手にはストレスとか動揺があったかもしれません。そういったなかで(鹿児島ユナイテッドFCに0-3で)試合に敗れて、週明けから今日まで取り組んできました。
負けた後っていろんな感情が出るので、自分の仕事とすると「どんな試合でも」というなかでピックアップするものがあったり、例えば鹿児島戦の数字をばばばっと出してみると、実は五分だったり、我々の方がよい数字を残せていることも実はたくさんありました。アタッキングサードに侵入する回数とか、クロスの数もそうですし、保持率もほぼ五分で、シュート数も出す機械によって(公式記録とは)違うんですけど、五分か我々の方が打っていました。ただ、勝負を分けるところにはいろいろな要素があって、相手のクオリティもあります。僕らとしてやり切れなかったところもあったので、それをキチッと伝えた上で、今日までやってきました。
フットボールにおいての0-3は、基本的に「大差」だと言われるスコアだと思います。それだけでチームが下を向いて、自信を失うことがないように、僕はそこにいられなくて、「遠隔で指揮をするのは難しいな」と思いながらあの試合を見ていましたけど、自信を持ってもらいたいところはしっかりと伝えて、守備もトレーニングで全体に共有をして、対岐阜というところで今日はまた選手が一生懸命プレーしてくれました。
試合はもちろん、相手もあることなので、岐阜さんが起こしたい現象と我々が起こしたい現象をどちらも作れることもあるでしょうし、こちらの方が作れた時間帯もあれば、相手方に少し傾くこともあります。そういった時にみんなでどれぐらい声をかけあってつながって、しっかり耐えるとか、一度跳ね返すといったところも選手はよくやってくれたと思います。
公式記録を見ると、後半でシュート10本でした。セットプレーで点を取れたところも含めて選手には「すごくよい試合だった」と伝えました。勝てなくて「悔しい」という気持ちは僕も持っていますし、選手も持っていると思います。でも、いい試合だったと思います。「自信にできるものをキチッと自信にして、次に向かっていこう」と伝えました。
PKを止められた場面は、相手のGKを褒めたいと思いますけど、ああいった場面で点が取れなくて、メンタル的にガクッと落ちる傾向にあるのがフットボールです。自分も一生懸命彼らに伝えながら一緒にプレーしましたけど、最後までよくゴール目指して走ってくれました。今日は勝ち点3つを取れませんでしたけど、岐阜も力のあるチームで、素晴らしい選手もいるので、途中で入った選手も含めてすごく成長を感じました。これをまた次の試合にしっかりとつなげて、次こそ勝ち点3を取るという意味では、よい試合だったと僕は思っていますし、それでまた次に向かいたいと思います。
■戸田監督記者会見のコメント全編はYouTubeで公開中!
https://www.youtube.com/watch?v=28LXmAMP3lo
DF/3 水口湧斗
--プロ初ゴールを決めた率直な感想を教えてください。
初ゴールをずっと決めたいと思っていたので、決められてよかったです。前節、立ち上がりに自分のところで決定機があって、チャンスを逃してチームに迷惑をかけていたので、「今日はなんとしてでも1点取ろう」という気持ちで試合に臨んでいました。
--鹿児島戦での決定機は、決めていれば試合の流れは変わったかもしれないですね。
責任を感じていて、今週はしっかりやろうと思っていたので、決められてよかったです。
--CKから得意のヘディングで決めました。ゴールを狙うにあたって意識したことは?
(岩上)祐三さんがいいボールを蹴ってくることはわかっているので、そこに入り込むだけでした。マンマークでセヌさん(瀬沼優司)がつかれていて、僕はつかれていなくてフリーで入れたので、合わせるだけでした。
--ゴール方向は、サガミスタがいるゴール裏が真正面でした。
普段あまり決めないので、プロ初ゴールということで喜び方がわからなかったですけど、セットプレーの練習は(アシスタントGKコーチの吉川)脩人さんが先頭に立ってやってくれているので、一番はそこにいこうと思っていきました。頭が真っ白になって、祐三さんのところにはいけなかったです(笑)。
--今日は水口選手のお父さんの誕生日で、会場にも足を運んでいたと聞きましたが。
そうですね。大阪から車で来てくれました。でも、「勝ち切りたかった」というのが率直な思いでした。
--試合は1-0で折り返したかったところ、前半の終了間際に失点となりました。
サイドからのクロスで失点したんですけど、(綿引)康くんが1対1の対応をしてかわされた後に大くん(加藤大育)を戻させて僕が釣り出されずにニアのコースに立っていたら、多分クリアできていました。僕の横を(クロスボールが)通っていたので、もう一つポジショニングを修正しなければいけないと、改めて思います。
--岐阜はタレントがたくさん在籍していて、ボールの出し手になれる庄司悦大選手が起点になっていました。そこに対してディフェンス陣としてどう対応しようとしていましたか?
タレントが多いなか、前節と同様に背後に抜けてくるンドカ・チャールス選手といいボールを蹴ってくる選手がいて、そこは試合前から動画を見たりスタッフからの指示もあったので、背後のケアは90分通してディフェンスラインで話し合いながら意識してプレーしていました。
--ンドカ・チャールス選手にやられた場面はそこまでなかったように見えました。手応えとしてはいかがですか?
前節出た課題を今日は繰り返さないために、守備の部分では決定的な場面が一度か二度ありましたけど、ンドカ選手には特になにもやらせず終えられたので、そこはよかったです。
--勝ち点3を取りたかった試合だと思いますが、この勝ち点1を次にどうつなげていきたいですか?
3で終わりたかったですけど、収穫として1取れたことをプラスに考えたいです。まだ下の順位なので、次はホームではなくアウェイの福島ユナイテッドFC戦になりますけども、しっかり勝ち点3を取れるように頑張りたいです。
--SNSで水口選手が阪神タイガースファンということで盛り上がっていましたが、阪神がセ・リーグを優勝したことについては?
Jリーグより試合を観にいってるくらい好きで、毎試合阪神の試合を観ているレベルなんで、めちゃくちゃ好きで、今年18年ぶりに優勝してすごく嬉しい気持ちになりました。自分たちももっと頑張らないといけないです。
--阪神に続くために、モチベーションになったと。
はい、そうですね(笑)。
--甲子園球場も何度も行っていたということですか?
高校まで大阪にいたので、年に5回は行ってたし、今年も東京ドームだったり神宮へ5回観に行きました。
--阪神同様、水口選手の今後の活躍も期待しています。
はい。ありがとうございます!
MF/14 安藤翼
--68分のPKは、安藤選手自らがキッカーに名乗り出たのでしょうか?
PKは自信がありますし、練習もしていたので「PKになったら自分が蹴ろう」と思っていました。でも、外してチームに迷惑をかけてしまったので……。切り替えることしかできないですけど、次機会があったら絶対に自分が決めて、チームに貢献できるよう練習からまたやっていきたいです。
--シュートはゴール右側を狙っていましたが、どんな狙いがありましたか?
最後までGKを見ていたつもりで、右に蹴ったんですが、うまくタイミングを合わせれてしまいました。
--PKの直後に飲水タイムが設けられて、戸田和幸監督から励ましを受けているように見えました。どんなことを言われていましたか?
「切り替えて、絶対にチャンスは来るから次は決めよう」とポジティブなことを言ってくれたので、自分がなんとしてでもゲームを決めたかったです。今日はホームでサポーターも熱い応援をしてくれて、チームとしてもいい流れでゲームができていたので、自分が決めていたら勝てた試合だと思います。しっかり反省して、流れのなかからもっと決められるチャンスをもっと作っていけると思うので、そこはしっかりやっていきたいです。
--前半の終了間際に失点して、後半の立ち上がりにも決定機を作られたなか、59分に安藤選手がピッチに入りました。どんなタスクを任せられていましたか?
守備では相手の庄司選手がキーマンになるので、そこをうまく消しつつCBにプレスをかけて、前でボールを奪ってゴールに迫っていきたかったので、プレスのかけ方は前半を見ながら意識できていました。そこで何本か前で取れてチャンスになるシーンもあったと思うので、そこはよかったと思います。
--今日の勝ち点1はどのように捉えていますか?
僕からしたら完全に勝てたゲームだと思っています。自分が決めていれば勝った試合だと思うので、自分のなかで反省して、次に向かっていくしかないです。この悔しい気持ちを忘れず、これから続く試合につなげていくしかないです。
--連敗を回避できたことに関してはよかったと思います。鹿児島戦のあと、戸田監督からはどんなフィードバックがあったのでしょうか?
チームとしてできていた部分について言われました。ポゼッションも五分だった部分がありますし、相手陣地の30m以内でボールを回せていた時間が多かったというデータも出ていました。あとはペナルティエリア内に入ってからのクオリティをもっと上げていければ、チャンスはかなりできるという話をされました。いい部分をしっかりと見て、この試合につなげられていたので、みんないいイメージを持っていました。そのために今週たくさん練習を積んでやってこれた結果が今日の試合でした。流れもかなりよかったと思うので、最後は決め切れるかがカギとなってきます。自分自身、ベクトルを向けてもっともっとやっていきたいです。
--ペナルティエリア内でのクオリティについては、安藤選手はどんなところを伸ばしたいですか?
クオリティというか、今日はPKを決めていれば勝てたのでそこを含めてですね。あとは自分が前進した時にもっとゴールへ迫っていけるシーンがあったのかなと思いつつ、起点は作れていたと思います。ゴールにもっと迫る仕掛けやパスを増やしていきたいです。いい攻撃はできていますけど、もう一つ、二つ選択肢を増やせるような動きを全体で促していけるような攻撃ができればさらに良くなると思う。流れのなかから2点目、3点目と奪えるようなチームになると思いますし、みんないいイメージを持ってやれていると思うし、練習からそれは取り組めています。みんなそれで手応えをつかんでゲームに臨めているので、あとは自分がPKを決めておけばという試合だったので悔しいですけど、これを次につなげるしかないと思います。
--でも、会見では監督がロベルト・バッジョの「PKを外すことができるのは、PKを蹴る勇気を持った者だけ」という名言を引用して、安藤選手のメンタルを称えていました。
FWなので、「ゴールで」という部分も絶対にあるし、僕は点を取ってチームに貢献するということが自分の仕事だと思っています。点を決めたら勝利に近づくと思うし、そこは自分として自信を持っている部分なので、そこを出していきたいです。
--今季はゴールを決める試合も増えて、監督から安藤選手について「セルヒオ・アグエロみたいになってきた」という話もありました。
戸田さんからは「アグエロっぽくなってくれ」と言われて、そう言ってもらえることは光栄なことですし、自分はもっともっと成長していかないといけないと思っています。そのなかで自分はいろいろなものが見えてきて、成長を一番感じられているシーズンだと思っています。出場時間は限定されていますけど、学ぶことは本当に多いですし、練習からでも成長を実感することがあるので、それをゲームで結果として表現できるようやっていきたいです。戸田監督のために、チームのために、応援してくれる人のためにも与えられた時間で、あとは決定機を決め切るだけですし、最後に悔しい顔をしてスタジアムを周回したくないので、次はみんなの笑顔を見れるようにしたいです。
GK/35 東ジョン
--1-1の引き分けという結果をどう受け止めていますか?
負けたかもしれないし、勝てたかもしれない、どっちになるかわからない試合でした。いい面で見れば、自分たちの成長が出たような試合ですし、前節と違って前からの守備もいい感じでハマっていて、ゲームを作る部分でもしっかり持てる時は持てていました。支配する点では、後ろから見ていて大きく違ったように見えました。一つのチャンスがモノを言うゲームで、前半の最後にもったいない失点をしてしまいましたし、後半も決めるチャンスはあったんですけど、GKとしてはいろんなプレーがあるなかで、一つひとつのプレーにもっとこだわらないといけないと思いました。
--GKのほんの少しのミスで勝ち点を取りこぼしてしまう難しい試合だったと思いますが、90分を通して安定感を感じました。
失点のところを言えば、止めれなくはない、絶対に反省しないといけない部分です。相手がちょっと触ったブラインドになったところは、難しい感じでしたけど、一流のGKならそこで足を出したり、動かずボールに反応したり、止められる方法はいくらでもあって、ノーチャンスではないので、あそこはここからもっともっと突き詰めないといけないです。後半は一本、セーブがありましたけど、そこでしっかりと切り替えて、チームでゼロで抑えられたことはいいポイントだと思います。
--今言われたセーブは、55分に相手との1対1を止めた場面のことでしょうか?
そうですね。
--裏へ抜け出された時、早いタイミングでボールを持たれて、相手の間合いになったように見えました。GKとしては前に出るのが難しく、少しでも遅れていたら肩口を抜けていたように見えましたが。
あれはどっちかと言えば自分の間合いに入ってきたというか、相手がファーストタッチの時は来てなかったんです。そこで出ると一番中途半端な距離になりますけど、「セカンドタッチでちょっと前に出した瞬間に止めよう」と1対1になる前から思っていて、そうなった瞬間に自分の持ち味であるスピードとかフィジカルを生かした詰めができました。そこは当たり前のようにセーブしないといけないと思います。
もちろん、ファーストタッチが大きくなったらいいですけど、相手はしっかりと顔を上げて完全になんでもできるような状態でしたけど、セカンドタッチが大きくなったので、そこで一気に詰めて間合いに入るようにしました。
--ファーストタッチのタイミングでしっかりと構えて止まっておくことで、相手としては「もう少し運べる」となって、運ばせてから詰めていくイメージだった。
そうですね。距離は遠かったので、遠いのに無理に詰めても、タイミングがあるので、そこは自分のタイミングで出ていけました。
--中途半端な距離になると止められる範囲がかなり限られてしまうので、もう一つ運ばせるイメージは事前に持った上で対策をして、タッチが小さければそのまま詰めずに残っていた。
小さければディフェンスも戻ってこれるので、そこは駆け引きですね。
--止めたのは左肩か、左手あたりだったでしょうか?
左手ですね。
--脇を閉めていなければ失点だったというシュートだったのでは?
あそこは名古屋グランパスのGKコーチのナラさん(楢﨑正剛)とか(佐々木)理さんから結構指導を受けていて、ドイツ式のブロッキングで、フットサルとかでもよく見られるんですけど、あそこまで詰められていたら、肩口は難しいですけど、逆手を上げれば止められるので、練習の成果が出たなと思います。
--面で止めにいったけど、打たれる瞬間は見て反応していた。
そうですね。あそこで流れが変わって、PK獲得までいけたので、いい流れにもっていけたかなと思います。
--終盤も嫌なクロスを何度も入れられたように見えました。どういうことを意識して対応していましたか?
自分的には積極的に出ることを心がけています。ただ全部が全部出られないので、そこは見つつ、仲間と協力してどれだけ中の状況管理をできるか。本当に些細なことで、それができたらかといって止められるボールが格段に増えるわけではないですけど、少しでも確率を上げるためのプレーをもっともっとしていきたいです。
--加入から2カ月ほどが経過して、味方との間合いもわかるようになってきたのでは?
そうですね。だいたいわかります。仲間の特徴もそうですし、チームとしての守備の仕方とかゴール前での対応はだいたいわかってきたので、そこに自分が合わせるのと、自分の持ち味をみんなに理解してもらって合わせてもらうことの調整をもっと磨いていきたいです。
--ここからシーズンは終盤戦へと入っていきますが、残りの試合に向けた豊富を教えてください。
まず、絶対的な目標は残留ですけど、少しでも順位を上げて自分の価値を高めて、チームの価値も高めて、できれば中位かそれ以上の順位に上げていきたいです。自分も含めて“これからの選手”もたくさんいますし、絶対に未来につながるシーズンだと思うので、一勝でも多くして、一回でも多くサポーターを喜ばせるよう頑張りたいです。