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12-02-2019

 お知らせ 

TSUBASA MATCHREPORT Vol.2『夢に向かって、ともに行こう』

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TSUBASA MATCHREPORT Vol.2
vs AC長野パルセイロ
『夢に向かって、ともに行こう』


0-1。

歓喜に湧くアウェイチームに対し、相模原の面々は目線が上がらない。2019年のホーム最終戦。相模原は勝利という形で終えることができなかった。

「今季を象徴していた」。三浦文丈監督が敗戦をそう総括すれば、大石治寿も同じ表現を用いて振り返る。前半からボールを保持することこそできても、決定打が出ない。互いにつば競り合いが続く中、勝負の分かれ目で耐え切れず、「そこまで悪くないけど負けてしまう」(大石)。後半のPKでの失点を最後まで取り返せなかったこの試合は、まさに相模原の今季を物語る結果となった。

1月28日。三浦監督の下、新たな1年がスタートした。スローガンは『変革』。相模原の新たなスタイルを築き上げるべく、「全員が同じベクトルの下で」(大石)歩みを進めてきた。「ボールを保持してアグレッシブにゴールを目指す」(三浦監督)。指揮官が掲げるポゼッションサッカーの定着を図った。

ハッキリと言えば、結果は出なかった。それでも、11月という比較的早いタイミングで来季の体制続投という決定に至ったのは、自分たちが歩む道が信じるに値するという判断からだった。「まだ道半ば」。そう三浦監督は今季の戦いを振り返るが、選手もまた、自分たちが進む方向性に自信を覗かせる。

「結果として出ていなければダメと言われても仕方ないと思います。ただ、やってきたことが間違っていたという感覚ではない。僕たちが今季やってきたことを無駄にしてはいけないと思います」(阿部巧)

「結果が出た、出ないで変わっていってしまうのも良くないと思う。フミさん(三浦監督)はブレずに選手に言い続けてくれましたし、結果は出なかったですけど、これは本当に来年につながる進歩だと思う。この1年というのは無駄にはならない」(梶山幹太)

とはいえ、今季はなかなか結果が出ない苦しい時期も過ごした。5連敗。夏場にはどん底と言っていいほどの負のサイクルに陥った。どんよりとした重たい空気で溢れ、浮上の気配すら掴めない暗い日々が続いた。そんな中でもなぜ、チームは再び上を向けたか。それはどんなときもSC相模原に明るさを与えてくれる“Familia”のおかげだった。大石は言う。

「本当に心強いです。5連敗したときも一切ブーイングすることなく、自分たちを前向きに背中を押してもらいました。『そういう人たちのために』という強い気持ちを選手全員が持ってやっていましたし、もっと勝率を上げてこの相模原を盛り上げられるように頑張っていきたいです」

「あんなに後押ししてもらっているのにな…」

敗戦の試合後、三浦監督がそう苦虫を噛み潰したのは今日だけではない。俗に言う12番目の選手は間違いなく、ピッチに立つ選手たちにエネルギーを与えてくれた。終盤戦、目標を見失いかけてもファイティングポーズを取っていられたのも、“Familia”としてともに戦ってくれる仲間がいたから。スタジアムに溢れる温かさは、ピッチで戦うための原動力であり続けた。

試合後、阿部は「自分は今季からですけど」と前置きをして、こんな言葉を口にした。

「『相模原にとって誇れるものってSC相模原だよね』。皆さんにそう思ってもらえるように」

来季は今まで見られなかった景色を、本気で目指しにいく。今年で創立12年目。物語はまだ始まったばかりだ。喜びも苦しさもともに。これからもみんなで一歩一歩、この歩みを進めていく。



■取材・文
林口 翼(Tsubasa Hayashiguchi)
エルゴラッソSC相模原担当

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