《試合結果》

SC相模原 1-1 松本山雅FC

【得点】
90' 児玉駿斗（SC相模原）
90＋6' オウンゴール（松本山雅FC）

■Jリーグ公式ホームページ試合結果
https://www.jleague.jp/match/j2/2021/112806/live/#live/

高木琢也監督

－－試合を振り返って。

結果としては追いつかれてしまったということで、勝負の難しさを感じました。内容に関しては立ち上がりこそは相手のペースでゲームが進んでいたところはありましたが、比較的狙いを持ってやれていたシーンがかなりあった。その中でももう一つシュートまでいくというところができれば良かったなと思います。この時期のこういうゲームとかこういう展開というのは、周りのチームも含めて非常に難しいシチュエーションが出てくると思います。我々も同じくそういう状況の中、次の東京ヴェルディ戦を戦わなくてはいけない。しっかり準備をして、何も忘れ物がない、そんな状態で戦えるように、とにかくいい準備をするのみだと思っています。

－－1カ月ぶりに戻ってきた藤本淳吾選手が入ったことで狙いのある攻撃がかなりできていたと思います。彼を1カ月ぶりにも関わらずスタメンで起用した意図と、今日のパフォーマンスの評価はいかがですか？

まだ本調子ではないと思いますけど、本人の状態も良かったのでそこで起用しました。ゲームの中では間違いなくアクセントになるだけでなく、周りを上手く使える選手ですので、彼がいることで右サイドの関わり方とか、彼が持つことで全体の動き出しとか流動的な部分が出せていける。その回数や内容はまだまだではありますけど、そういう部分でもっともっと連係を深めていけばいい流れを作れると思います。

－－DAZNのフラッシュインタビューでは「セカンドボールをうまく拾えなかった」という話がありました。その要因はどこにあったと感じていますか？

今日、伊藤翔選手とルカオ選手が入ってきたところが大きいと思います。2人とも高い選手ですしキープ力がある選手ですし、そこら辺に関しての松本の選手のサポートは幾分関係していると思います。基本的に、セルジーニョ選手を含めた逆三角形の中盤の形になっていたと思いますので、中盤の選手の関わり方も我々の中盤のプレイヤーと比べれば速かったと思います。

－－67分に松橋優安選手に代えて安藤翼選手を送り込んだあと、70分に2枚の交代カードを切りました。スコアを動かすためにどのようなプランを描いていましたか？

松橋や淳吾が代わった中で、形は変わっていくので、そこで前線の3人の距離感をうまく使って、パス交換できる状況にできるのと、スペースへ出ていくというのが一つ必要だった。そこは翼に伝えました。

－－結果的に、梅井大輝選手の折り返しに児玉駿斗選手が詰め、今日も交代選手が大きな仕事をしました。

特徴のある選手たちがいますので、そういう選手たちが力を出していければ、今日でも駿斗が入ることでタメができました。だから周りの選手が動きやすくなった。そのへんは上手な選手だと思いますので、チームに変化をつけるには非常にいいバランスだったと思っています。

－－一方でアディショナルタイムに追いつかれた要因はどのように見ていますか？

クロスに対して下がりすぎずに、簡単に上げさせないということをやっていましたが、ゲームをやっていればああいうこともありますし、それを全部止めることはほぼ無理です。だけど、ああいうところでファウルをしないとか、リスタートのポジショニングを少し変えることでああいう得点シーンに繋がらなかったんじゃないかとか。そういう部分はたくさん見ていればキリがない。「これもサッカーだ」とよく表現されますけど、本当にこれもサッカーですし、先週は選手は違う形で取れましたから。それも誰も予想できないですし止めることもできない。だけどそのリスク管理は最低限やっていかないといけないと思います。

－－今日の結果を受けて降格圏の19位に順位が下がりました。最終節へ向けてはどのように戦っていこうと考えていますか？

終わったばかりで正直言うと答えようがないですけど、ヴェルディの試合はすでに数試合は見ていますがどのようにというゲームプランはまだ具体的には決めていないです。ただ、幅をとってボランチの加藤弘堅がサイドを使いながらインサイドへ縦にボールを入れるというを見ながらヴェルディのディフェンスをどうやったら崩していけるかと言う時間はあると思っています。相手は非常に調子もいいですし、しっかり戦っていかないといけないと思っています。

MF／4 藤本 淳吾

－－約1カ月試合から離れている間、チームの試合をどのように見ていましたか？

ギラヴァンツ北九州戦で（逆転と）いい勝ち方をしたので、なんとか頑張ってくれと思って見ていました。

－－ケガから復帰していきなりのスタメンでした。今日の試合の中での自分自身の役割は？

予定より早く復帰できてよかったなと思いますけど、正直、コンディション的にもまだキツかったですし、まだまだでしたね。プレーの連続性がなかったですしシュートもヘナチョコだった。タッチの感覚もまだまだだなと思いました。

－－監督は「右サイドを起点に狙いのある攻撃ができていた」と話していましたが。

単発にならないようにというのも意識しつつ、相手のウイングバックはウチのウイングバックについて、ダブルボランチの横のスペースが空いていることはわかっていました。そこでいかに相手を引き出すのと、自分がボールを受けて起点を作ってとか、バリエーションを出すことが役割だと思っていました。ただそこからですよね。ゴールに繋げるパスとか、自分でゴールを取るとか、そういうところが今日はできなかったなと思います。

－－試合は90分に先制しながらもアディショナルタイムの6分に追いつかれ、その後も決定的な場面を逃し引き分けました。

結局、今シーズン連勝が一度もできず、あの最後のところで入らないというのが今のチームの力なのかなと思います。でもそれを上げるために毎週毎週努力しています。他会場の結果をあの時点では知らなかったので、勝ち点2をこぼすとツェーゲン金沢戦然り、今日もそうですけど返ってくるものがあるのかなと思います。でも、勝ち点1を拾ってきた数も多い。とりあえず勝つしか選択肢がないので、そこに向けてやっていきたいです。

－－今順位が降格圏内の19位になった中で東京Vとの試合を迎えます。去年もＪ３での最終節は逆転で昇格をしました。その時のような再現をできるイメージはありますか？

わかりません（笑）。去年は去年だし、今年は今年で答えるのが難しいですけど、なんとも言えないですね。そうなればいいなと思いますけど、まずは自分達が勝たなければ意味がないです。周りがどうこうとか同じ状況とかではなく、とりあえず勝たなければいけない。じゃあ同じシチュエーションだから練習しなくても勝てるのかと言われればそうではないので、難しいですね。

－－ですがこの状況だからこそ藤本選手の経験が役に立つところがあると思います。残り1週間、次の最終戦までどのようなトレーニングをして、周りの選手にどのようなアプローチしていきたいですか？

相手のチームのことは監督とスタッフが提示してくれるので、自分たちは自分たちで反省しなければいけないところは反省して、直さなければいけないところを意識しながら、週末に向けてコンディションを作っていきたいです。

MF／40 児玉駿斗

－－先制点を決めた嬉しさと、終盤にGKとの1対1を外してしまい、勝ち越し点を決められず引き分けた悔しさが同居していると思います。今、試合を終えての感想はいかがでしょうか。

点を決めたのは良かったですけど、最後の決定機を決めていれば勝てていた。ヒーローになれなかったという悔しさだけが残っています。

－－FKから梅井大輝選手の折り返しを詰めてのゴールでした。

ウメくんが絶対に競り合いに勝てると思っていたので、ファーに行こうとしましたけど、そこで俺がファーに行っても違うなと思ったのであまり行かないようにしました。そうしたら（自分のところに）こぼれてきて、あとは決めるだけでした。それよりも最後のやつですね……。

－－あの後すぐに試合が終わり、長い間頭を抱えていました。「なぜ決められなかったんだ……」という思いは残っていますか？

あの時は余裕がありすぎて、考えたか分からないですけど、自分らしくなかったなって思います。

－－結果的に引き分けたことで降格圏内の19位になりました。最終節へ臨む上での心境の変化はありますか？

外して引き分けましたけど、負けではないのでそこはポジティブに捉えたいと思います。最終戦にこういうシチュエーションで、勝てば残留できるかもしれないという状況を作ったのも自分。最後、試合に出て自分で結果を出して勝ち切れたら……というか勝ち切ります。それくらい強い気持ちじゃないとダメなので。勝ちます。

－－試合後、選手同士で話し合っていたと思います。どんな話をしたか教えてください。

これと言った話はしてないですけど、点を取ったことをみんな褒めてくれましたけど「ヒーローにはなれたけどスーパーヒーローにはなれなかったね」と。でもあのゴールがなければ負けている可能性もありましたし、サッカー人生、長い目で見たらああいう場面はこれからまたあると思います。今までああいう経験がなかったので、もう切り替えていくしかないです。

－－次は「スーパーヒーロー」になってくれますか？

出たら点を取りにいきます。