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マッチプレビュー / 北健一郎

「甲府の左」を封鎖して リベンジを果たせ！
J2に残るという強い決意が伝わってくる夏の補強ラッシュだ。すでに試合に出場している選手を含めて、SC相模原に新たに加わったのは5人。兒玉澪王斗、藤原優大、高山薫、澤上竜二、成岡輝瑠が緑のユニフォームをまとった。

8月9日の栃木SC戦、そして8月14日のヴァンフォーレ甲府戦。約3週間の中断期間を挟んでのホーム2連戦は、後半戦に向けて勢いをつけるために極めて重要な意味を持つ。勝ち点6を上積みし、J3降格圏内からの脱出を果たしたいところだ。

伊藤彰監督が率いる甲府の特徴は、攻撃時と守備時にシステムが変わる、いわゆる“可変システム”だ。守備時は5-3-2でブロックを作って守り、攻撃時は4-3-3へと立ち位置を変えてくる。前回の試合では18分にコーナーキックから先制され、22分にはサイドを崩されて失点して0-2。早い時間で2点をリードされてゲームを難しくしてしまった。

勝利のためには「早い時間で先制点を与えないこと」、そして「甲府のストロングポイントを消すこと」の2つが重要になる。甲府のゴールの多くは左サイドから生まれている。スピードに乗ったドリブルが持ち味のFW泉澤仁と、質の高いパスを前線に供給するDF荒木翔のコンビネーションは要注意だ。

5バックで守ってくる甲府に対しては、引かれる前に素早く仕掛けていくことが重要になるだろう。キーマンとなるのは左ウイングバックの兒玉だ。左サイドでボールを持てば1対1で突破を見せて攻撃の起点になるのはもちろん、右からのクロスには長い距離を走り込んでファーで詰めていく。スピードと運動量を併せ持った19歳には大きな期待がかかる。

「アタッキングサードでのクロスの精度や、シュートまでのチームの全体的な考えを整理して中断期間で伝えていきたい」

FC町田ゼルビア戦の試合後、高木監督は中断期間で取り組みたいテーマをこのように話している。上位につける甲府という強敵を相手にチームの進化を見せつけたい。