9月 24 2017

11/J3第24節YS横浜戦マッチレポート

投稿者: at PM 11:09  記事カテゴリー: 試合結果



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2017明治安田生命J3リーグ第24節

2017.09.24 13:30KICKOFF@相模原ギオンスタジアム

SC相模原1−2Y.S.C.C.横浜

[得点]相模原:2分呉大陸(PK)、/YS横浜:54分辻正男、65分西山峻太

開始直後に呉大陸がPKを決めて先制するも……

キックオフ直後だった。ダブルボランチを務める千明聖典からの縦パスに、左サイドを抜け出した呉大陸が、得意のドリブルでペナルティーエリア内に侵入する。呉大陸はクイックの利いたフェイントで、相手DFを抜き去ると、さらにゴールへ近づこうと、ドリブルで切り込む。たまらず追うDFに足をかけられ、呉大陸はPKを獲得。「(あの突破は)ちょー気持ち良かった」と振り返った背番号28は、自らPKキッカーを務めると、ゴール右にシュートを決めた。開始2分での先制点——喜ぶSC相模原の選手たちは、ベンチ前に並ぶと、千明の第二子誕生を祝う“ゆりかごダンス”を披露した。

ただし、その勢いも歓喜も、先制点を奪ったこの瞬間までだった。

不動の右SBとしてプレーしてきた辻尾真二を1トップに抜擢し、その右SBに普光院誠を起用したSC相模原は、どこかちぐはぐだった。同じ4−2−3−1システムを採用するYS.横浜に対して、前線からの守備がはまらず、2列目までの前線4枚と、ボランチを含めた守備陣の距離が大きく開いてしまう。これにより、SC相模原と同じくボールを保持しようとするYS横浜に、際どいパスを通されまくる。加えて左右に揺さぶられ、DFの背後を狙われると、これもことごとく通させてしまった。

9分には左から右に展開されると、最後は右SBの西山峻太にボレーシュートを見舞われる。この試合、結果的に計10本のCKを与えたが、12分にはそのCKからピンチを迎えた。SC相模原も15分には、今季初得点をマークした呉大陸がカウンターからシュートまで持ち込んだが、時間が経つにつれて試合の優位性はYS横浜に傾いていった。

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前半の窮地を救ったGK藤吉の好セーブ

21分には後方でのパス回しでミスが生じ、FW辻正男にボールを奪われると、シュートに持ち込まれる。26分にも不慣れな右SBを務める普光院の裏を使われると、クロスから再び辻にフィニッシュされた。

「(シュートを)止めるのが仕事なので」とGK藤吉皆二朗は謙遜したが、小さな守護神はこの2つのとも窮地を防いでみせた。結果的に2失点を許したが、藤吉の好判断がなければ、もっと悲惨な結末になっていたことだろう。

先制点こそ奪うも、とにかくSC相模原は、前半からYS横浜にボールを保持され、まるで相手の意図を実現させてあげるかのごとく、DFの背後を突かれまくった。流れが悪いと見た安永聡太郎監督は、30分すぎに、辻尾を本来の右SBに戻し、普光院を1トップに変更することで修正しようとしたが、DF工藤祐生が「ラッキーでしかなかった」と語ったように、1−0で折り返せたのは、まさに幸運だった。

チームの窮地を再三、救ったGK藤吉は、「1−0でハーフタイムを迎えられたからこそ、後半は息を吹き返せるかと思った」と話したが、「表現が正しいかどうかは分からないですけど、後ろから見ていて、前半からチーム全体の動きがのろいという感じがした」と指摘した。

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キャプテンのMF岡根直哉も自分たちの出来の悪さを素直に認める。

「ボールの取られ方も悪くて、前半は特に前の4人が一気に置いていかれるみたいな感じになって、オレと千明とDFラインの4枚の2列で守っているみたいな感じになっていた。たまたま先制できましたけど、ボールも持たれへんし、前半も決定的なピンチはすごいあったし、攻撃もですけど、良い守備が全くできなかった」

不慣れな1トップで、何とか機能しようと身体を張った辻尾も猛省する。

「前半は僕とタクロー(菊岡拓朗)のところで、もう少しプレッシャーを掛けなければいけなかった。それができないと、サイドハーフのところでプレッシャーにいけないのも分かる。マコ(普光院)とトク(徳永裕大)の(サイドの)連係もうまくいかないのも分かるというか、まさに相手の思う壺でしたよね」

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内容的にも完敗。試合後に響いた工藤の言葉

後半に入り、50分には相手GKにプレスを掛けた菊岡の好プレーからボールを奪い、決定機を迎えた。ただ、肝心の呉大陸のシュートはDFに当たってしまい追加点はならず。ただ、それが決まっていたとしても、結果は変わらなかったのではないだろうか。そう感じるほどに、チームとして積み上げてきたはずだった「良い守備から良い攻撃」というベースに加えて、中断期間中に試みてきた「ボールをつなぐ」というコンセプト、さらには「ペナルティーエリアの角」を取るというチャレンジと、すべての狙いが機能不全に陥っているように見えた。

54分にはハーフライン付近で前を向かれた辻にドリブル突破から同点ゴールを決められ、65分には早いリスタートから後藤京介、奥田晃也とつながれ、SC相模原は逆転を許した。

61分には加入したばかりの新井瑞希と久保裕一を投入。1−2と逆転された後には、再び辻尾を前線に上げるなど、試行錯誤を試みたが、逆転はおろか、追いつくこともできなかった。試合を振り返れば、敗戦という結果は妥当だったと言うしかないだろう。そんな内容だった。指揮官も指摘したように「球際であったり、セカンドボールであったり、走るところであったり、攻守の切り替え」で、根本的なところでも相手に負けていたのだから……。

YS横浜戦では、前線からの連動した守備も機能しなければ、中断明けからトライしてきたボールをつなぐ動きもままならず、チームとして積み上げてきたものが消え失せてしまったように映って虚しくなったが、「4−2−3−1を変えるつもりはない」と明言した指揮官の言葉を信じたい。何より救われたのは、最古参である工藤の言葉だった。

「練習やトレーニングマッチでは良い形ができていたけど、それが公式戦でできないというのは、選手の問題だと思う。僕は。ましてや今日はホームだし、走るとか戦うというのを見せなければ、来てくれている人に失礼だと思う。今日の試合後は、厳しい声も聞こえてきた。選手一人ひとりが、それを感じてやっていかなければいけない。そうじゃないと、何のためにサッカーをやっているのかというところになってしまう。今日の試合はもう終わったこととして切り替えるしかないですけど、そういう思いを踏まえてやっていかなければならないと思います」

今シーズンも残り10試合である。SC相模原は、かつないほど苦しいシーズンを送っている。ただ、もがきながらも、ようやく積み上げてきたものが見えつつある。確かに敗戦は悔しいし、落胆も濃いが、結果がでなかったからといって、ぶれる必要もなければ、大きく変える必要はない。その時期はもう乗り越えたはずだ。それは悔しくも、継続することで復調し、再三、決定機を作り出された対戦相手に見せつけられ、教えられたようにも思える。

継続は力なり——ありきたりな言葉ではあるが、この格言こそが、今のSC相模原に必要なことのように感じられる。1−2という結果以上に、そんな敗戦だった。

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