5月 30 2016

Vol.06 J3第11節鳥取戦マッチレポート

投稿者: at AM 12:38  記事カテゴリー: 試合結果



20160529_MR_J311_012016明治安田生命J3リーグ第11節

2016年5月29日13:00KICK OFF@相模原ギオンスタジアム

SC相模原 1−0 ガイナーレ鳥取

[得点]

相模原:69分保﨑淳

鳥 取:

 

|練習してきた形から保﨑が決勝弾をマーク

ホームにガイナーレ鳥取を迎えたJ3第11節に、SC相模原は1−0で勝利した。試合が動いたのは、0−0で折り返した69分、右サイドで菊岡拓朗、飯田涼とパスをつなぐと、左サイドの深井正樹へと展開する。そのさらに外側を保﨑淳が駆け上がってくる。深井から保﨑にパスがわたると、運動量豊富な左SBは、逆サイドを目がけて右足を振り抜いた。移籍後初得点であり、今季初得点ともなる決勝弾を叩き出した本人が振り返った。

「ゴールの前に、似たような形で深井にボールが入ったシーンがあったんですよね。そのときに深井に、外側が空いているから、ちょっと気にしておいてくれって言っておいたんです。そうしたら全く同じようにボールが入ってきて、そしたら深井がちゃんとパスを出してくれた。これは外したら、怒られるなって思いましたよね(笑)。コースも空いていたので、流し込めば入るだろうと思って、しっかり、そこを狙って決めました」

練習で繰り返されていた形からの得点だった。一方のサイドでリズムを作り、スペースのある逆サイドへと展開する。チームとして意図していた形からの攻撃が、ようやく結実した。薩川了洋監督も手応えを感じたゴールだった。

「今日、初めて形から得点が取れた。あのシーンというのは今シーズンずっと練習してきていること。その形から(クロスを)入れるといったところも少しずつできてきているのかなと。今日は積み上げてきたものが形になりつつあった」

この勝利により、1試合未消化ながらJ3リーグでは初となる首位に立った。8戦無敗に加えて、3試合連続でのウノゼロ(イタリア語で1−0のこと)による勝利となった。これまでのSC相模原とは何かが違う。そう感じている人も多いのではないだろうか。

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|守護神も感じる粘り強さでありしぶとさ

鳥取戦もピンチがなかったわけではない。前半も24分にはロングボールを折り返されると、フリーで黒津勝にヘディングシュートを打たせる場面があった。37分にも山本蓮のシュートがクロスバーに当たる幸運もあった。さらに43分にも前田俊介に中央をドリブルで突破されると、フィニッシュされる窮地もあった。それでも無失点で切り抜けられているのは、薩川監督が選手たちに課してきた運動量であり、フィジカルの強さの成せる業であろう。指揮官はこう分析する。

「正直、無失点で勝てている理由はオレが聞きたいよね(笑)。でも、基本的にはさ。そこに人がいるってことだよね。なんやかんや、そこに戻ってきている。なんとなく自分たちで守るべきところを分かりつつあるから、そこに戻っているっていうのかな」

初出場となった秋田戦こそ2−2の引き分けだったが、その後、3試合連続無失点を続けるGK川口能活も、試合中に叫び続けたため、少しかすれた声で言及した。

「試合に出ていないときも最後のところで身体を張れているとは思っていたんですよね。それが活きている。僕がそこで助けられるとしたら声。微妙なポジショニングのズレなどを修正すれば、もっと楽に守れるかなって外から見ていて思っていた。みんな、ハードワークしているんですよ。それが結果に現れているんじゃないかな。まだ、逆サイドが見れていないだとか、カバーリングが遅いとかはあるけど、それを補うハードワークであり、しぶとさがある」

事実、61分には右サイドからクロスを上げられ、黒津に近距離でヘディングシュートを打たれた。川口が片手で弾くと、さらにルーカスが頭を打ちながらも懸命にクリアした。その場面に象徴されるように、最後のところで選手たちは身体を投げ出し、相手の攻撃を防いでいる。それが無失点による勝利につながっている。

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|何気ないワンプレーに見えるチームの意識

昨シーズンまでSC相模原でプレーしていた田村仁崇が、現役引退後、初めて相模原ギオンスタジアムを訪れていた。隣で観戦していた彼は、相手GKへのバックパスに対して懸命にプレスを掛ける深井の姿を見て、思わず声を発した。

「一番、年上の選手があんなに懸命に走ってくれていたら、若い選手たちは自分たちもやらなきゃって思いますよね」

何気ないワンプレーに見えるかもしれないが、それが選手たちの意識を変える。

後半終了間際のアディショナルタイムにも川口の声がピッチにこだました。

「戻れ!!!」

昨シーズンまでならば、集中が切れる瞬間が見ているこちらにも分かった。劣勢の時間帯になると、展開どおりに失点する場面も多かった。だが、今シーズンはそこで踏みとどまることができている。川口が言った。

「一人ひとりが危機意識を持っているのがいいことですよね。まだまだ、これに満足せず、サツさん(薩川監督)が求める質を追求していくこと。サツさんが、まだまだ、お前らできてないんだよよって鼓舞してくれるのもありがたいですよね。1−0で勝ってOKってなってしまうと、それで満足しがちですけど、ミスも多いし、そこに目を向けさせてくれる。それで緊張感が持続しているんだとも思います」

事実、追加点が奪えず、課題は残されてもいる。薩川監督も攻撃のキーマンに挙げる菊岡は淡々と語った。

「事故で1点取られる可能性はありますからね。前の人間としては2点目、3点目を取りにいかなければなとは思います。今日も2点目を奪えそうなチャンスは何回かあった。チームとしての一体感は出てきていますけど、この勝ち方を最低限のベースとして続けていければと思います」

試合後、コメントを聞いた誰一人として満足している者はいなかった。それこそが今シーズンの“強さ”なのかもしれない。

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