5月 08 2016

Vol.05 J3第8節秋田戦マッチレポート

投稿者: at PM 11:31  記事カテゴリー: 試合結果



20160508_MR_J308_012016明治安田生命J3リーグ第8節

2016年5月8日13:00KICK OFF@相模原ギオンスタジアム

SC相模原 2−2 ブラウブリッツ秋田

[得点]

相模原:82分曽我部慶太、88分坂井洋平

秋 田:3分遊馬将也、64分OG

 

|守護神・川口能活初出場も3分に失点

試合開始直後だった。待望の今季初出場を果たした守護神・川口能活がバックパスのトラップをミスしてボールを後逸する。その後、クリアして難を逃れたが、このプレーからSC相模原はブラウブリッツ秋田にFKを与え、失点へとつながった。3分、右サイドのFKからファーへとクロスを挙げられると、秋田のFW遊馬将也にヘディングを叩きつけられてゴールを割られてしまった。

薩川了洋監督も試合後には厳しい言葉を投げかけた。

「あのキックミスからファールになって、普通にコントロールして蹴ればいいのを、ああいうふうになったのはベテランのするミスではない。そこはやはり少し厳しく言いたいね」

絶大なる関係性があるからこそ、指揮官は記者会見の場でここまで強く言い切ったのだろう。薩川監督にとって、川口は清水商業高校時代の後輩であり、指揮官に立場が変わった今は守護神として、精神的支柱として期待を寄せている存在である。だらこそ、である。

「いきなりスカってやるからビックリしたけど。やっぱり緊張していたんでしょうね。(彼にとってはこの試合が)開幕戦だったことを考えると、みんなとは違う思いで試合に入っていったんでしょう」

そして川口である。試合後、この一戦に懸けていた思いを口にした。

「開幕前にケガをして、なんでこのタイミングなんだって思ったし、頭の整理もつかなかったけど、家族や周りの支えがあったからこそピッチに戻りたいというエネルギーにつながった。GKを代えるというのはなかなか難しいことだと思いますが、サツさん(薩川監督)がそういう決断をしてくれたことには感謝の気持ちでいっぱいだし、気負いとかはなかったですけど、起用してくれたサツさんのためにも勝ちたいという思いはあった。それが固さにつながってしまったかもしれない」

確かに開始直後の失点は川口のクリアがきっかけにつながっている。ただし、これまで日本代表や海外含め多くの経験をしてきた猛者である。この試合を糧に、次のピッチではチームを救うはずだ。

20160508_MR_J308_02

|前半は内容で圧倒するもゴールは遠く……

話を試合に戻そう。開始3分で失点し、追い掛ける状況になったSC相模原だが、次第に秋田を圧倒していく。12分にはカウンターから菊岡拓朗が大きく左サイドに展開すると、深井正樹がゴール前に飛び込む。20分にも保﨑淳が相手のパスをインターセプトすると、岩渕良太、深井正樹とつないで相手ゴールに迫っていく。28分にも牧内慶太のクロスに深井、31分には右CKから岩渕が頭で合わせるなど、相手のシュートを2本に抑える反撃を見せた。足りなかったのはゴールだけ。記者席にいた諸先輩方も「内容では相模原のほうが上だった」と、前半の感想を口にしていた。

しかし後半に入ると、徐々に秋田ペースとなる。64分にはSC相模原の右サイドを突破されると、相手のクロスがDFに当たってコースが変わり、オウンゴールになってしまう。58分に服部康平に代えて曽我部慶太を投入していた薩川監督は、0−2になった69分には今季初出場となる天野恒太、加入後初出場となるシンバのふたりをピッチに送り込む。

前線はシンバと曽我部、両サイドに深井と菊岡が並ぶも、ほぼゼロトップ状態。ただ、それでも正直、流れは大きく変わらなかった。

20160508_MR_J308_03

|同点に“追いつかせた”会場の力

ところが、である。82分のワンプレーにより状況は大きく変わる。右サイドから大きく逆サイドへと展開すると、菊岡がヘディングでゴール前へ折り返す。そこに走り込んだ曽我部がシンバとワンツーすると、右足を振り抜き、1点差へと迫った。曽我部は「自分としてはもう点を取りにいかなあかんなって思っていた。点を取ってからは勢いが出ましたね。そういう意味では反撃のきっかけになったのはよかった」と得点を振り返った。

変わったのはチームというよりも会場の雰囲気といったほうが正しいだろう。応援の熱が上がった会場の雰囲気が、反撃ムードをさらに加速させ、SC相模原を同点に“追いつかせた”。岩渕もそれを感じ取っていた。

「2点目は観客の応援が押し込んでくれたもの。1点入って雰囲気変わりましたからね。こんな内容でも追いつけるんだって思った」

88分、左CKの流れからゴール前で粘り、保﨑がシュート。これが坂井洋平に当たって同点に追いついたのである。深井も語る。

「運も含めて、自分たちが上に行くための何かが働いてくれたのかなっていうのは少し感じている。ただゲームの入りも悪かったし、後半、失点してしまうところでもゲーム運びの悪さが引っ掛かる。自滅みたいなところがありますよね。自分たちの悪さで、リズムを悪くしているところもある。自信を持ってやらなきゃいけないところもある」

20160508_MR_J308_04

|物静かな司令塔がチームに訴えたこと

2−2で試合を終え、勝ち点1を拾ったSC相模原だが、正直、後半の戦い方はミスも多く、形すら作れていなかった。それでも追いつくことができたのは、ホームという地の利を選手たちに感じさせた4873人の観客の力だ。だから菊岡は不甲斐ない試合に悔しさを滲ませ、ロッカールームでチーム全員に思いをぶつけた。

「もっと個々が戦わなければ!」

そして、誰よりも早くミックスゾーンに姿を現す彼はこう試合を振り返った。

「前半もミスが多かったし、ちょっと選手間の距離が遠かった。自分自身もあんまりよくなかった。全体的に消極的でしたよね。もっと後ろから気持ちを見せてほしかったというのもある。ちょっと安易に縦に蹴りすぎな気もする。サイドチェンジのボールはいいけど、ただ意図のない縦へのロングボールが多すぎるというか。メッセージ性のない縦へのボールが多すぎるが気になるので、練習から直していきたいなと思います」

取材陣にはいつも物静かに受け答えする司令塔の熱いメッセージはチームに届いたか。前節は2−0からの勝ち点1、今節は0−2からの勝ち点1——失い、拾った勝ち点を、次は3に変えることができるか。