4月 10 2016

Vol.03 J3第4節盛岡戦マッチレポート

投稿者: at PM 10:24  記事カテゴリー: 試合結果



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2016明治安田生命J3リーグ第4節

2016年4月10日13:00KICK OFF@相模原ギオンスタジアム

SC相模原 0−0 グルージャ盛岡

[得点]

相模原:—

盛 岡:—

 

|“奇跡の勝ち点1”を拾ったゲーム

「今日はもう反省しかない。反省して帰ります」(薩川了洋監督)

「ただ、それでも守り切れた。それだけですけど……」(岩渕良太)

「押し込まれている感覚はあった。後半は特に」(佐藤健)

「引き分けられたというところしか、いいところはない」(工藤祐生)

 

監督、選手たちのコメントがすべてを物語っている。前半こそ4本だったが、後半は18本ものシュートを浴びせられた。薩川監督は「奇跡の勝ち点1」と表現したが、まさに引き分けられたのが幸運で、SC相模原の良さを見出すのが難しいゲームだった。

試合を終えて、思い起こされるのは相手のいいところばかりである。ショートパスを多用するグルージャ盛岡は、徹底的にパスをつなぎ、SC相模原を攻略した。シンプルな4−4−2システムを採用する盛岡は、選手の距離感が非常に良く、ボランチとCBの間のスペースをうまく活用していた。前線にボールが入れば、タイミングを合わせてサイドMFやSBも攻撃参加する。その圧力がセカンドボールを拾う動きにもつながっており、高い位置でボールを奪うことで波状攻撃を可能にしていた。とてもじゃないが、3試合を終えて未勝利、しかも最下位に位置するチームとは感じられず、まさにSC相模原が「やりたいことを相手にやられた」(岩渕)展開だった。

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|ミスによりボールを奪われ、再び攻撃される

深井正樹、曽我部慶太をケガで欠くSC相模原は、2列目に飯田涼、ボランチに坂井洋平が起用された。そのふたり以外は開幕から不変。1トップを務める服部康平にボールを当て、2列目やサイドが連動することで攻撃を試みようとした。ボランチの岩渕が「今までの試合に比べれば、いい形で服部にボールは入っていた」と振り返ったように、前線のターゲットマンにロングボールやグラウンダーの縦パスは確かに通っていた。実際、ミスもあったが、服部も身体を張ってDFを背負い、2列目へとボールを落とすプレーを繰り返した。ただし、その後が続かない。ミスによりボールを奪われると、パスをつながれて再び押し込まれる。

うまくスペースでボールを受け、ゴール前に運んでくる盛岡が、主導権を握れば握るほど、SC相模原の重心は後ろに下がり、互いの距離感が遠くなる悪循環に陥った。押し込まれているため岩渕、坂井のダブルボランチは、CBのほぼ前にポジションを取り、最終ラインでボールを奪っても、前線の服部にロングボールを蹴ることしか選択肢がなくなる。苦しみながらも相手ゴールまでボールを運んでクロスを入れても、走る距離が長いからか、ゴール前に人数を掛けられない。

 

|苦しい状況を打開する二手、三手をどうするか

後半に入っても、その流れを断ち切ることはできなかった。むしろ、盛岡の攻撃はさらに威力を増していく。47分の牛之濱拓のシュートに始まり、49分には谷口堅三に反転からシュートを見舞われる。SC相模原は飯田に代えて普光院誠を投入したが、それでも流れは変わらず……72分にも、81分にも盛岡に決定機を作られ、何度もヒヤッとする瞬間は訪れた。

SC相模原は、後半開始直後の48分に、坂井からのパスに井上平がゴール前でシュート、試合終了直前のラストプレーでも右サイドからのパスに走り込んだ岩渕がシュートしたが、チャンスと呼べるものはそれくらい。盛岡に限っては、数え切れないほど、書ききれないほどの決定機を作り出した。

試合を終えて懸念されるのは、攻撃の形が一辺倒なことだ。最前線を務める服部にボールを当て、その落としを2列目が拾うことで、攻撃を組み立てていこうとする意図は十二分に理解できる。ただ、それがうまくはまらなかったときに、他の手立てがあまりにも皆無だった。これまではもうひとつの武器となっていたショートカウンターも、この試合では重心が後ろにありすぎたため、途中で息切れ、もしくはミスに終わり、フィニッシュまで到達することができなかった。服部や井上、さらには菊岡拓朗ら攻撃的な選手たちが背後でボールをもらう動きも少なく、あったとしてもCBから供給されるロングボールのため、あまりにも“賭け”の要素が強すぎた。

意図している攻撃が機能しなかったときの二手目であり、三手目を構築していく必要がある。主導権を握られ続けた盛岡戦は、まさにそれを痛感させられる試合だった。

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|チームを支える堅守。待たれるのは攻撃の覚醒

ただし、完全なる負け試合を引き分けられたのはプラスである。

「勝たなければならない試合でこういう内容に終わってしまったのは重く受け止めている」と話ながらも、キャプテンマークを巻いた工藤は「相手の質が高ければ4、5点取られていてもおかしくはなかった。よく身体張って守れたと思う」と振り返った。

GK佐藤も「4試合で1失点という数字はチームとして評価してもいい」と語り、「プラスを探すとしたら、やられてはいたけど、勝ち点1を拾えたってポジティブに考えるしかない」と、負けなかったことを前向きに捉えていた。

まだ浅くも、過去の歴史を振り返れば、劣勢に立たされた試合では必ずと言っていいほどやられてきた。劣勢ではなかったが、それこそ第2節のYS横浜戦のように最後の最後で失点する試合も多かった。

だが、今シーズンは違う。そこで踏みとどまれる、堪えられる力がついてきた。薩川監督も「ゴール前で、みんながスライディングして、スライディングして、なんとか身体に当てていた。それだけは良かったと思う。今までにない相模原というかね」と好材料を探し、噛みしめた。

今、チームは、間違いなく堅守が支えている。待たれるのは攻撃の覚醒である。