3月 20 2016

Vol.02 J3第2節YS横浜戦マッチレポート

投稿者: at PM 11:21  記事カテゴリー: 試合結果



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2016明治安田生命J3リーグ

2016年3月20日13:00KICK OFF@相模原ギオンスタジアム

SC相模原 0−1 Y.S.C.C.横浜

[得点]

SC相模原:—

YS横浜:90+1分西山峻太

 

|勝敗を分けたワンプレー

ワンプレーが勝敗を分けた。

0−0のままアディショナルタイムに突入した90+1分だった。SC相模原は右サイドでYS横浜にFKを与えてしまう。Y.S.C.C.横浜のMF山﨑正登がゴール前にクロスを放り込む。ゴール前ではSC相模原とYS横浜の選手たちが激しくポジション争いを繰り広げていた。ただ、YS横浜のDF西山峻太のマークだけが、まさに“ぽっかり”と空いていたのだ。DFとDFの間で、フリーになっていた西山は、そのクロスを頭で捉えると、SC相模原のゴールネットを揺らした。

試合後、薩川了洋監督は「あれだけ攻めて、なかなか得点が奪えない。それで最後にFK1本で決められてしまう。まあ、これもサッカーですよね」と振り返った。そして席を立ち、「ちくしょう」と、ひとこと捨て台詞を吐くと、扉から出ていく。その様に敗戦の悔しさがどれほどのものだったかが、容易に想像できた。

結果はセットプレーから1点を奪ったYS横浜が勝利し、SC相模原は開幕2戦目にして早くも今季初黒星を喫することとなった。薩川監督も「圧倒できていた」と話したように、チャンスの数で言えば完全にSC相模原が上回っていた。ただ、SC相模原は、守備的に戦う相手をこじ開けることができず、最後の最後でワンチャンスをものにされ、辛酸を嘗めることになった。

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|いくつも決定機を作り出すもゴールは遠く

開幕戦と同様のメンバーで臨んだSC相模原は、4分にMF菊岡拓朗がFKから直接ゴールを狙い、22分にはMF曽我部慶太の縦パスをFW服部康平が落とすと、MF深井正樹がシュートした。さらに前半終了間際には、ロングボールに抜け出した服部が、飛び出してきたGKを交わして決定機を迎える。肝心のシュートは角度のないところから放ったため枠を捉えられず、0−0で折り返えしたが、SC相模原は後半に入っても主導権を握り続けた。

70分には菊岡の浮き球のパスに、服部がまたしてもDFの裏へと抜け出して、GKと一対一になる。だが、ここでも肝心のシュートはGKにセーブされ、ゴールを奪えない。78分にも自陣からカウンターを仕掛けると、深井が粘ってオーバーラップするDF保﨑淳へ。そこから逆サイドに展開すると、最後は牧内のクロスに保﨑が飛び込んだ。ただ、保﨑のシュートもバーに嫌われ、得点は奪えない。そして結果的に90+1分に、YS横浜にワンチャンスをものにされ、0−1で敗戦した。

|チャンスを決めきれず、もったいないミスで失点

パスセンスを武器にチャンスメイクを担った菊岡が敗因を分析する。

「前半からチャンスがある中で決めきれなかったことがすべて。最後は個人のところになってくる。開幕戦も含めて、その精度が足りなかった」

DFリーダーとして90分までは相手の攻撃をシャットアウトした工藤祐生もこう語る。

「(失点シーンは)映像を見てみないと分からないですけど、うちはセットプレーの守備はマンツーマンなので、自分がつくマークというのははっきりしている。だから、そこでやられれば、その選手の責任になる。マークの受け渡しがうまくいかなかったのか。それとも違う何かが起きたのかは、現時点では分からないですけど、本当につまらないミスでの失点でしたよね」

薩川監督もこう試合を振り返った。

「本当に優勝争いできるチームであったら、ああいうところも普通にクリアして、何ともないような形で守れていて、0−0だとか、0−1とかでも試合をひっくり返して勝てていた。ただ、1本やられましたけど、決して悪い試合をしたわけではない。悪い内容のサッカーをして負けているわけではないので、選手たちも下を向いて家に帰る必要はないと思う。これからまた、もっともっと積み上げていかなければならない部分と、修正していかなければならない部分が、はっきりしたんじゃないかなと」

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|圧倒した試合に見えるが、課題も見えてきた

薩川監督も言及したように、チームの課題が明確になった試合でもあった。シュート数もSC相模原が13本、YS横浜が3本だったように、終始、試合を支配しているように見えたが、前半から決定機を多く作れていたわけではない。CBやボランチからの縦パスが相手に狙われてはひっかかり、セカンドボールを拾って攻撃に打って出ようとしても、また奪われるという悪循環に陥っていた。

さらには、服部のポストプレーから2列目が連動する攻撃という形こそ確立されつつあるが、クロスから決定機を作り出すなど、他のアイデアに欠けるという側面もあった。ようするにゴール前での迫力に欠けたわけだ。

だからこそ、川口能活がケガで離脱している今、キャプテンマークを巻く深井は厳しいコメントを寄せる。

「中でやっている感じとしては圧倒しているとは言えなかった。外から見たら、圧倒した、チャンスを多く作れていたと思うかもしれないけど、中ではそこまで自分たちのリズムでやれていた感じではない。決めきれなかったというのは、それがすべてと言ってしまえば、それで終わってしまうけど、最後のところで、シュートかクロスかの選択のところも含めた質が、まだまだ足りない」

SC相模原はどこを目指しているのか——ここに焦点は尽きる。J3の中位で満足するのであれば、「惜しかった」で済む。ただ、上位を、タイトルを、目指すのであれば、話は違ってくる。「惜しかった」ではなく、確実に「勝たなければならなかった」試合だった。

これまででとは異なるサッカー、スタイルを掲げ、上を目指そうとしているだけに、昨季までと同じような試合終盤での失点による敗戦に「惜しかった」と飲み込むことはできない。内容がよかった試合でこそ勝利し、勝ち点を積み重ねていくことが、栄冠へとつながっていく。

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|負けたときにどう過ごすかがチームの力を図る

ただし、長い目で見れば、開幕2試合目にして課題が露呈したのは、立て直しを図る上ではプラスと考えることもできる。大事なのは、この敗戦をいかに次へとつなげていくかである。それこそが今季のチームを占うことになる。悪しき伝統を語れば、これまでのSC相模原は、敗戦を糧にしてきたとは、決して言えない。

それだけにチームの真価は2週間後に行われる福島ユナイテッドFCとのアウェイゲームで分かる。

開幕前、GK川口能活にインタビューをした際、「勝者のメンタリティ」について聞くと、こう教えてくれた。

「勝っても負けても、一喜一憂しないこと。勝っても、それを日常化していくこと。日常にあることには、誰もが一喜一憂しないじゃないですか」

だからこそ、逆に「負けたときはどうするべきなのか」と聞いてみた——。

——すると彼はこう教えてくれた。

「負けたときこそ、互いを励まし合うんです。勝ったときは厳しく、負けたときは悔しいし、落ち込みはあるので、そういうときこそ、ポジティブな声を掛けることが大切ですよね。長いシーズンなので、勝てなくなる時期もあるし、負けるときもある。でも、それを知ることも大事。その覚悟を持って戦う必要がある」

新たなるサッカー、スタイルを掲げ、今シーズンを進むSC相模原は、この敗戦を受けて、いかなる道を進むのか、楽しみである。