3月 14 2016

Vol.01 J3第1節FC東京U-23戦マッチレポート

投稿者: at AM 2:58  記事カテゴリー: 試合結果



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2016明治安田生命J3リーグ

2016年3月13日13:00KICK OFF@相模原ギオンスタジアム

SC相模原 1−0 FC東京U-23

[得点]

SC相模原:63分井上平

FC東京U-23:—

 

|選手たちが流動的に動くパスサッカーに期待は高まる

シーズンが開幕したわくわく感は、試合時間が経過するたびに高まっていった。SC相模原の選手たちが、まさに縦横無尽にピッチで躍動していたからだ。

DFラインから1トップを務める服部康平にロングボールが供給されると、そのポストプレーから2列目の菊岡拓朗、深井正樹、井上平が、テンポのいいパスワークで相手ゴールに迫っていく。さらにボランチの曽我部慶太、岩渕良太のどちらかが、ゴール前に飛び込むことで、迫力は増していく。その攻撃は、2016年のチームスローガンに掲げられているような「MOVE」そのもの。薩川了洋監督を指揮官に迎え、新たなるサッカーを見せる選手たちのプレーに、スタジアムが熱を帯びていく様は、記者席にも伝わってきた。

SC相模原は、FC東京U−23を迎えてJ3第1節を戦った。「対戦相手の情報は全くなかった」と薩川監督が話したように、未知なる相手との一戦だったが、終始試合を圧倒した。

開始1分には挨拶とばかりに今季より加入した菊岡がミドルシュートを放つ。ユース年代の選手が加わる若い相手に対して、SC相模原は次々に攻撃を繰り出していった。27分には菊岡のサイドチェンジから右SBの牧内慶太が鋭いクロスを入れる。35分には深井、服部、井上と、テンポのいいパスで繋ぐと、最後は菊岡がシュートを狙った。38分にも服部が右サイドをオーバーラップしてきた牧内を使うと、その折り返しに深井が飛び込んだ。

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|狙いどおり、服部のポストプレーから井上が得点

「立ち上がりから長いボールを多く入れていこうという話はしていた。それがうまくいったこともあって、その形で少し引っ張ってやろうという話をピッチの中ではしていた」と、深井が振り返ったように、1トップの服部が起点となり、ポストプレーから2、3列目の選手たちが絡む攻撃は、相手を凌駕した。

また、前線から追い込むことで、チームとして明確にボールの奪いどころを作り出し、奪ったら中盤の岩渕、曽我部が、DFも使いながらボールを動かしていく。薩川監督も「攻撃はある程度、前線の選手に任せている」と信頼を明かしたように、流動的な2列目の選手たちが攻撃のバリエーションを増やしていた。

前半だけでシュート9本を放つも、結果的に得点を奪えずに折り返すと、63分に待望の瞬間はやってくる。それは、深井が話してくれたように、まさに狙いとしていた形からの得点だった。牧内からのロングボールを服部が落とすと、拾った井上がDFのタイミングを外して、エリア外から左足を振り抜く。これが決まると、ついにFC東京U−23から先制点を奪った。

結果的にゴールは井上の1得点のみだったが、SC相模原は1−0で勝利した。追加点という課題はあるにせよ、試合終盤の83分には、菊岡が斜めに走る深井にパスを通し、その折り返しを飛び込んだ曽我部が狙うなど、まさにコンビネーションといえる攻撃も見せた。これには薩川監督も「あの形、俺、好きだね」と賞賛するほどで、試合を重ねるたびに良くなっていくであろう期待を、さらに感じさせてくれた。

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|課題とされていた守備。ゼロで終えた自信

攻撃もさることながら、無失点で試合を終えたことも大きかった。曽我部も「うちは守備力がそれほど高くないので、守備から入ろうと思っていた」と話し、菊岡も「チームの課題は守備だったので、ゼロで終えられたことは次につながる勝ちだった」と振り返った。

事実、シーズン前の練習試合では、結果も出ていなかったが、無失点で終えた試合がほとんどなかった。それだけに勝利以上に、ゼロで試合を終えられたことは、チームとしてひとつの自信につながったはずだ。

もちろん、この1試合だけで、チームの出来を図るのは難しい。「会場の雰囲気に飲まれたところがあった」と敵将の安間貴義監督が総括したように、若い選手たちの多かったFC東京U−23は、守備のプレッシャーも弱ければ、攻撃への迫力にも欠けていた。

ただ、勝利することで自信は深まっていく。薩川監督も「開幕戦に勝てたことが大きい」と、勝利を噛みしめた。何より、この日のチームは、今シーズンへの期待を抱かせてくれた。記者会見終了後、薩川監督を呼び止めると、指揮官は壁にもたれかかりながら、こう言った。

「まだまだ課題はあるよ。でも、今日スタジアムに来てくれたサポーターに、去年までのSC相模原とは違うという可能性は示せたんじゃないかな」

試合後に選手たちに話を聞けば、深井も菊岡も、それこそ曽我部も誰一人として今日の“内容”に満足していなかった。チームが目指す高みは、もっと、もっと上にある。ただ、このサッカーを続けていけばーー選手入場時にサポーターが歌う「GO WEST」は、きっと試合を重ねるたびに大きな声となり、輪が広がっていくはずだ。

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