9月 20 2015

第15回9月20日「J3第29節vsJ-22選抜戦マッチレポート」

投稿者: at PM 10:46  記事カテゴリー: その他



2015明治安田生命J3リーグ第29節

2015年9月20日 13:00KICK OFF@相模原ギオンスタジアム

SC相模原3−2Jリーグ・アンダー22選抜

[得点]

相模原:15分服部康平、58分井上平、80分高原直泰

J−22 :57分大津耀誠、90+1分茂木力也

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|服部の3試合連続ゴールで先制点を奪取

SC相模原はJリーグ・アンダー22選抜(以下J-22選抜)をホームに迎えたJ3リーグ第29節に3−2で勝利し、第19節以来となる連勝を飾った。ただ試合後、ミックスゾーンに姿を現した選手たちの表情は喜びに満ちているというよりも、険しさや厳しさが滲んでいた。

試合の入りは上々だった。8分には左サイドの大森啓生からの縦パスをスペースで受けたタレスが巧みなテクニックでエリア内に切れ込み、ラストパスを送ると曽我部慶太が飛び込む。最初のチャンスを演出したタレスも前線からの守備に貢献し、2トップを組む服部康平も献身的な守備でJ-22選抜を追い込んでいった。

15分にはタレスの落としを左サイドの井上平が拾う。井上は対峙した相手のマークが緩かったこともあり、顔を上げて中を確認すると、ファーサイドに絶好のクロスを供給する。これをDFの後ろ、一番大外から飛び込んだ服部が得意の頭で合わせて、SC相模原は先制点をマークした。「自分の特徴を周囲が理解してくれて、自分に合ったボールを出してくれる」と語った服部は3試合連続ゴール。15分での先制は、まさに幸先のよい立ち上がりだった。

ところが、である。その服部が「守備きつかったですよね」と話したように、SC相模原は徐々に苦しい状況へと追い込まれていく。服部は「前半の途中から相手にボールを回されるようになって、オレら前線がハーフラインより下がらなければいけなかった」と、状況を説明する。辛島啓珠監督も「なかなかボールを奪えない状況が続きました。ボールを取った後も、マイボールでキープできなかったので、前半からかなり消耗させられた」と試合展開を振り返った。

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|相手にボールを回され劣勢に立たされる

戦術や基本に忠実なJ-22選抜の選手たちは、後方でボールを回して、ボランチを経由して前線への縦パスを狙っていた。SC相模原の選手たちの間、間でボールを受けようと走り、スペースでボールを受けて展開する場面が増えていった。これに対してSC相模原は前線のタレス、服部から果敢にボールを奪おうとするが、なかなかチームとしての守備戦術が機能しない。辛島監督も「1点取って折り返せたのは精神的に余裕ができた」と語るほどで、先制後の前半の決定機と言えば、31分に曽我部のFKに井上がヘディングシュートした場面と、前半アディショナルタイムに曽我部のパスからタレスが抜け出したシーンくらいだった。

そのため記者に配られるハーフタイムコメントには、「ディフェンスに入る守る時間を作るように」との辛島監督からの指示が記されていた。

前半の流れを断ち切れず、57分には望月嶺臣からのパスに、途中出場した大津耀誠が反応すると、SC相模原の守備陣はあっさりと裏を取られてしまう。そのままゴール前に抜け出した大津に決められ、同点にされてしまったのだ。

GK佐藤健は「CBの前に人がいなくて、パスが出た瞬間に行くのか、それとも引くのかで判断が遅れた。あれも声をかけあって瞬時にコミュニケーションを取れば改善できること」と失点シーンを振り返る。その後も似たような縦パスから窮地に陥る場面はあった。相手のシミュレーションやGK佐藤の好判断もあり失点にはならなかったが、縦パス1本で裏に抜け出された守備はこの試合でも課題を残した。

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|失点後に井上が逆転弾、さらに高原の圧巻ゴール

ただし、この試合のSC相模原は、失点した1分後にすぐさま逆転に成功してみせる。58分、FKを得ると、曽我部のクロスに井上がヘディングで合わせて再びリードを奪ったのである。その直前に服部に代えて樋口寛規を投入していたSC相模原は、さらに75分にタレスに代えて高原直泰をピッチに送り込む。曽我部を前線に上げ、高原の近くに配置すると、これが奏功する。

80分に高原が決めたシュートは圧巻だった。トロがボールを奪ったことでカウンターに出たSC相模原は、前線で曽我部がキープして高原の上がりを待つ。エースの動き出しに合わせて曽我部がスルーパスを通すと、ボールを受けた高原はDFと対峙しながらもコースを正確に狙ったシュートを放つ。そのボールは緩やかな弧を描いてゴール左スミへ。まさに高いシュート技術の成せる業だった。起点となった曽我部は「タカさんは何をしようとしているか分かってくれる。あの得点はタカさんの動き出しと技術があってのゴール」と絶賛した。

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|試合内容に満足していないからこそ先がある

アディショナルタイムにはJ-22選抜に中央から左サイドへ展開され、そのクロスから失点したことを考えると、この高原のゴールがなければ3−2での勝利はなかった。同点に追いつかれた後にすぐさま得点を返して再びリードしたこと、さらに試合終盤に駄目を押す追加点を奪えた攻撃は復調の兆しと言えるだろう。

ただし、である。やはり、辛島監督も試合後に「課題はあるにせよ、勝つことがいまは大事」と話したように、決して試合内容は満足できるものではなかった。曽我部も「ロングボールを蹴って自分たちで収められたり、勢いがあるときはいいけど、劣勢のときに、後ろからつないで崩したというような得点は奪えていない。3点目もボールを奪ってからのカウンター的な形でしたしね」と、厳しいコメントを残した。

服部にしても、佐藤にしても、曽我部にしても、その他の選手たちにしても険しい表情を見せたのは、それだけ自分たちの戦い方に納得していないからである。ただ、この連勝に喜んでいなかったことにチームの未来を見た。まだまだ、精度を高められる。さらに攻守ともに機能させたいという強い意思を感じることができた。勝利は最低限の結果である。シーズンも終盤である。その先のステージへ、さらなる高みへチームは到達することができるか——。