7月 26 2015

第12回 7月26日「J3第22節vs山口マッチレポート」

投稿者: at PM 10:33  記事カテゴリー: その他



2015明治安田生命J3リーグ第22節

2015年7月26日 13:00KICK OFF@相模原ギオンスタジアム

SC相模原 0−3 レノファ山口FC

[得点]

相模原:

山口 :1分鳥養祐矢、38分、80分岸田和人

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|開始30秒足らずでの失点が大きく響く

「今日の試合、シュート何本だったか分かる?」

インタビュールームに現れた飯田涼に少しだけ意地悪な質問をしてみた。飯田はしばし考えてから「もしかしてゼロですか」と投げ返してきた。

正確には3本——ただ、飯田が「ゼロ」と感じたほど、決定機が作れなかったという印象だったのだろう。

試合前、SC相模原のロッカールームでは、「相手は2列目から選手が飛び出してくるから、その動きに注意するように!」との指示が飛んでいた。だが、試合開始からわずか30秒足らずで、それも警戒した形から失点したことにより、すべてのプランは狂った。

ワンタッチ、ツータッチで軽快にパスをつなぐレノファ山口FCに、左サイドでボールを動かされると、あっさりとDFの裏へと抜け出される。CBを務めるフェアー・モービーがその状況を振り返った。

「(相手のパスワークに対して)安藝(正俊)が前につられたところを落とされて、オレも前の選手についていったら2列目からパスを飛ばされて、オフサイドかなって思ったら違った。(DFが)残っていたことで、やられてしまった。ミーティングで言われていた形からの失点だったので、本当に悔しい」

山口のMF鳥屋八徳のパスに抜け出した鳥養祐矢にドリブルで持ち運ばれると、角度のないところから左足でシュートを決められた。

辛島啓珠監督は「開始早々の失点、相手に先制点を与えたというのが大きかったですし、トータルで考えると山口の質の高いプレーに対して先制点を与えてしまうと、すごく苦しくなると思いました。その分、力を使わなければいけないですし、その立ち上がりの失点がやっぱり大きかったなと思います」と試合を総評した。

開始30秒足らずでの失点に、チームの動揺は色濃くプレーに表れた。GK佐藤は「正直、ばたついていました。1点目がチームの状況を象徴したようなゲームでした。セットプレーもそうですけど、人任せになってしまった。明らかに自滅ですよね」と憤りを隠せなかった。また、飯田も「1失点目は大きかったと思います」と悔しさをにじませた。

9分にショートカウンターから高原直泰、樋口寛規、曽我部慶太が絡み相手ゴールに迫り、20分には飯田の縦パスから樋口が落として、高原直泰がシュートを狙ったが、前半の決定機と呼べるシーンは強いて挙げてもそれくらいだった。38分には、左CKからニアで岸田和人に頭で合わせられ、SC相模原は2点目を献上してしまう。

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|CKから同じ形から失点を喫する

SC相模原は、ハーフタイムには成田恭輔に代えて大森啓生を投入する。辛島監督は「後半の立ち上がりは前から行って1点を奪いにいこう」と、選手たちを送り出す。確かに後半に入ると、森勇介が担う右サイドから好機を見出しかけていたが、その森が75分に負傷交代したことで万事休す。新戦力のタレス、永芳卓磨を送り込んだが、その効果は得られず、逆に80分に今度は右CKからニアで再び岸田に頭で合わせられ、3−0とリードを広げられてしまった。

飯田は結果的に0−3で敗れた試合をこう振り返った

「後半の立ち上がりはうまくボールを動かせていたと思いますけど、その状況で失点して、結果的に自分たちの流れをつかめず、相手のペースになってしまった。フィニッシュまでいけなかったのは事実ですし、その原因としてはやっぱりタカさん(高原)、ヒグくん(樋口)にボールが入ったとき、前に出て行く姿勢だったりというのが失点して、勢いがなくなったというのはある」

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|組織力を見せつけられる展開

振り返れば、組織で戦う山口に対して、SC相模原は個で勝負するしかない展開だった。0−3というスコア以上に、首位を走るチームの強さやしたたかさ、それ以上に、戦術の徹底ぶりを、まざまざと見せつけられる結果となった。

ワンタッチ、ツータッチでパスを回してくる山口に対して、追い掛けるSC相模原は、ボールの奪いどころを明確化することができず、相手にポゼッションを許した。攻撃においては、最終ラインからビルドアップすることで組み立てようとする狙いも見られたが、中盤や前線が顔を出す回数が少なく、相手のプレスに最終ラインが慌ててボールを失うシーンが幾度も見られた。

辛島監督も「我々のDFが不安定で、DF陣が3枚警告をもらったのがすべてを物語っていたかと思います」と話したように、山口に前からプレスをかけられ、パスの出しどころがなかったDFは、追い込まれると何度もミスを犯した。

山口がDFの背後を狙う動きを徹底してきたのに対して、SC相模原はドリブルで仕掛けるなど、パスワークで打開するというよりも個で勝負するしか手立てがなかった。それは、まさに自分たちがやりたいサッカーを相手にやられてしまったような展開だった。

「自分たちのサッカーをすれば勝てる」という言葉を聞くが、現在のSC相模原が掲げるサッカーとは何かを改めて考えさせられるような試合だった。「いい守備から、いい攻撃へ」というテーマこそあるが、チームとしてどこでボールを奪うかの意思統一がされておらず、その守備に連動性は見られなかった。また、攻撃にしても、最終ラインからパスをつなぎ組み立てていくのか、それとも裏を狙ってシンプルに攻めるのかも、チームとして徹底できていなかった。対戦した山口がまるでスペースを埋めるように、次々に選手が顔を出し、ワンタッチで華麗にパスをつないでいく様を見て、それを痛感せずにはいられなかった。GK佐藤の言葉が胸に響く。

「できないなら、できないなりにやらないと。本当に優勝したいんだったら。相手のほうが走れていたし、相手のミスはチャレンジしたなかでのミスだった。早い時間帯に失点して、仕方がなかった部分もあるけど、うちはやろうともしないミスが多かった」

この山口戦で、チームの膿とも言える課題はすべて出し切ったと言えるだろう。中2日と厳しい日程ではあるが、アウェイのAC長野パルセイロ戦に向けて、チームはいかに修正してくのか。改善しなければならないポイントは山積している。それだけに指揮官の手腕、チームの結束力、そのすべてが問われる。

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