4月 19 2015

第4回「J3第6節vs町田戦マッチレポート」

投稿者: at PM 10:45  記事カテゴリー: その他



2015明治安田生命J3リーグ 第6節

2015年4月19日 13:00KICK OFF@相模原ギオンスタジアム

SC相模原 2−1 FC町田ゼルビア

[得点]

相模原:3分井上平、39分高原直泰

町田 :48分久木野聡

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|開始早々3分に井上が頭で決めて試合を動かす

試合開始からわずか3分のことだった。SC相模原は右CKを得ると、キッカーのMF曽我部慶太がニアにボールを入れる。町田ゼルビアのDFがクリアするが、それを再び曽我部が拾うと、再び鋭いクロスをゴール前に供給した。FW井上平が振り返る。

「なぜ、あれほどフリーになっていたのか自分でも分からない。CKが一度、クリアされると、自分の周りにマークが誰もいなくなった」

ニアに走り込んだ井上は曽我部のクロスに合わせると、ヘディングでゴールネットを揺らした。井上は今シーズン3得点目となるが、すべてがヘディングによるゴール。175cmと決して長身ではないが空中戦を制しての得点に、本人は「どの得点もフリーになっているんですよね。ジャンプ力を上げる筋トレの成果なのか、あとはポジショニングなのか。相手の油断もあるかもしれません」と試合後に振り返った。

4862人もの観客が詰めかけたスタジアムが一気に沸く。今シーズン、最初の相武決戦は、早い時間帯に試合が動くこととなった。

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|前半終了間際に待望のエースが追加点

SC相模原は相武決戦を前に、負傷離脱していたMF樋口寛規が復帰を果たし、前節は同じくケガの影響で途中出場だったFW高原直泰がスタメンに戻ってきた。中盤の底にはトロと須藤右介、DFには右から森勇介、フェアー・モービー、工藤祐生、大森啓生と、4−2−3−1システムには現時点でのベストメンバーが並んだ。

先制して精神的にも優位に立ったSC相模原は、その後も積極的に攻撃を仕掛ける。16分には右サイドで縦パスを受けた高原が華麗に反転すると、ゴール前に走り込んだ曽我部へスルーパスを狙う。18分にも曽我部がドリブルで突破し、今度は高原にスルーパスを通そうと試みるが、いずれもわずかに合わず、シュートには持っていけなかった。

先制点を奪った井上が「早く先制したチームは、その後、引いてしまう傾向にある。やっぱり、今日もそういう展開になってしまった。ただ、あそこでうまくボールを回して、逆に取られるのも怖かったので、前半はある程度、仕方がなかったところもある」と、試合展開を振り返ったようにゲームを完全に掌握しきれたわけではなかった。

それでも、CBの工藤とモービーが中心となり、セカンドボールを拾うとFWにロングボールを供給することで、起点を作ろうとする町田の攻撃を跳ね返していた。それは試合後、辛島啓珠監督も「DFラインが安定していたのが勝因だったと思います」と賞賛するほどの出来だった。30分には左サイドで縦パスをつながれると、MF鈴木崇文に裏へと走り込まれたが、これも競り合った工藤が身体を寄せることで阻止した。

そして、先制後、決定機と呼べるシーンを作り出せずにいたチームを救ったのがエースだった。39分、大森の左クロスがDFに当たりこぼれると、須藤が拾い、ゴール前にいた井上へと展開。ゴールに背を向けていた井上は素早くペナルティーエリアの中央にいた高原へつなぐ。高原は「ファーストタッチはミスした」と言うが、そこで終わらないのがエースである。「うまくリカバーしてシュートまでもっていけた」と語ったように、反転すると左足で巻いてコースを狙い、追加点を奪った。

エースの今シーズン初ゴールにスタジアムはさらに沸く。今シーズン初得点を高原はこう振り返った。

「普段から練習していたので、身体が自然と動いた感じですかね」

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|警戒していた後半立ち上がりに失点も2−1で勝利

2−0とリードしたSC相模原だったが、アクシデントが起きる。前半終了間際の43分、トロが負傷し、交代を余儀なくされたのである。辛島監督はここで成田恭輔を投入する。

「ボランチを代えるのであれば、ナリ(成田)で行こうというのは思っていましたし。(曽我部)慶太もトロが抜けたときに、自分もできますという感じはあったんですけれど、それよりもまずはナリで行ったほうがというか、様子を見ようというのはあった」

前半を2−0で終えたハーフタイムに指揮官は「サッカーでは2−0が一番怖いから、立ち上がりには気をつけろ」と指示を送っていたにもかかわらず失点を喫する。

後半開始からわずか3分、クリアが相手に当たりゴール前にこぼれる。町田のFW鈴木孝司のシュートは、GK佐藤健が止めたが、そのボールを後半から途中出場していたFW久木野聡に詰められ、右足で流し込まれた。後半開始早々の失点にチームは多少なりともばたつき、相手に押し込まれる時間帯が続いたが、それでも踏みとどまれたのは今シーズンのチームの強さであろう。

前半終了間際の追加点を挙げただけでなく、この試合に至っては、前線からの守備やセットプレー時の守備などでも奮闘した高原は次のように語る。

「やっぱり、いままでと違うところは、1点返されて、相手が前に出てきても、自分たちがしっかり耐えて、追加点は取れなかったですけど、きっちりそこは1点に抑えて勝ちきったというのはチームの成長した部分ではある。そこはこれからも続けていければと思いますね」

確かに追加点を挙げることはできなかったが、それでも2−1というスコアで試合を終え、SC相模原は勝利した。そこには前線でボールをキープした高原や、運動量を保ち続けた井上、さらには得意の攻撃参加の回数を抑えてでも守備の安定を図ろうとした森ら、経験豊富な選手たちの尽力とゲームコントロールがあった。相武決戦という舞台で、急遽途中出場することとなった成田にしても、守備面には課題は残るものの、さまざまな場面に顔を出し、パスを捌くことで貢献した。

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|勝利を重ねていくことでメンタリティは養われていく

辛島監督は、「去年は1度も勝てなかった町田に、第1戦目で勝利できたことはすごくうれしいですし、みなさんにも喜んでもらえました。チームにとっても自信になったのではないかと思います」と、この勝利の真意を語った。井上も「(サッカーは)メンタルのスポーツだし、町田とか長野といったチームに勝つことで、自分たちの勝利のメンタリティが自信になり、どんどんいいプレーが出てくるようになる。それだけに本当に今日の勝利は大きいと思う」と勝利を噛みしめた。

ただし、まだシーズンは第6節を終えただけに過ぎない。次節からはゴールデンウィークによる連戦の幕開けとなる。“勝って兜の緒を締めよ”ではないが、高原はさらなる飛躍を胸に秘めていた。

「去年と今年では選手も状況も違うので、オレから言わせれば、当然と言えば当然。ただ、その当然の結果を得るためには全員ががんばってやらなければいけない。それではじめて当然の結果を得ることができる。鳥取戦は準備段階からいい形で来てしまっていた。その前の長野に勝ったことで、少し選手たちに気持ち的に油断というか、調子に乗ってしまったところが少しあって、そういうところでやられてしまったところがある。今回は、その前回の教訓を活かしたい。次の試合ではそういうところが出ないようにしていけたらいいなとは思います」

勝った試合の次こそが重要である。現時点で2位とはいえ、今シーズンも連勝は2でストップしている。これを3にできるかどうか。頼もしいチームになったという手応えは、次節のブラウブリッツ秋田戦まで取っておこう。