3月 16 2015

第一回「J3第1節vsJ−22戦マッチレポート」

投稿者: at PM 1:27  記事カテゴリー: その他



第一回 「2015明治安田生命J3リーグ 第1節」

2015年3月15日 13:00KICK OFF@相模原ギオンスタジアム

SC相模原 3−0 Jリーグアンダー22選抜

[得点]35分井上平、56分工藤祐生、86分樋口寛規

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|昨季3戦全敗の相手に3−0の快勝

最高のスタートと言っていいだろう。

SC相模原はホームで迎えた明治安田生命J3リーグの開幕戦で、Jリーグアンダー22選抜(以下J−22)を相手に3−0の快勝を収めた。今シーズンより指揮官に就任した辛島啓珠監督も、試合後の記者会見では、「開幕戦でしたし、去年、3試合というか一度も勝てなかったチームに3-0という結果で勝利できたことは大変うれしく思います。そういう点では選手が非常によくがんばってくれた」と胸を撫で下ろした。

昨シーズンより創設されたJ3リーグにおいて、SC相模原は3度、J−22と対戦して、いずれも敗戦。特に最後の対戦となった第28節では1−5と大敗を喫していた。それだけに昨シーズン、苦い経験した選手たちにとって、この勝利は格別だったはずだ。DF工藤祐生は言う。

「J-22選抜は、昨シーズン3連敗した相手。先にこちらが仕掛けて、失点をしなければ、負けることはないと思っていた。そこを意識してプレーした。同じ相手に4回も負ければ、サポーターをがっかりさせてしまう。それだけに結果にこだわって試合に入りました」

今シーズンも守護神として開幕戦のピッチに立ったGK佐藤健も頷く。

「昨シーズン、3回やって3回負けていた相手。それに昨年、一昨年とホームの開幕戦では大敗していただけに、何が何でも勝つことを目標としていた。その思いが結果になって表れたと思う」

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|いい守備からいい攻撃につなげた試合運び

3061人の観客が見守る中、ベールを脱いだ新生SC相模原は、キックオフと同時に主導権を握った。4−2−3−1システムの頂点に位置するキャプテンであり10番を背負うFW高原直泰を中心に、トップ下の井上平、両サイドの樋口寛規、曽我部慶太ら前線が連動したプレスで相手を追い込んでいった。

J-22にはアルビレックス新潟のFW鈴木武蔵やFC東京のMF中島翔哉とU-22日本代表が名を連ねたため、辛島監督も「メンバーを見たときにはやってみないと分からないというところがあった」と語ったが、彼らから自由を奪うことに成功していた。

いい守備からいい攻撃へ——これが今シーズンのSC相模原のテーマであろう。辛島監督も工藤も、そして前線の高原も試合後には同様のコメントを残している。連動した守備をチームとして行うことで、高い位置でボールを奪う。ボールをポゼッションするにしても、闇雲にパスをつなぐのではなく、シンプルにゴールを目指す。中盤の底を担うMFトロやMF須藤右介からDFの裏に走る井上や樋口にロングパスが供給されたのも特徴の一つだ。

もう一つ、今シーズンの特徴と成り得るのがサイド攻撃だ。15分には井上が右サイドに展開すると、オーバーラップした森勇介がドリブル突破からゴール前にクロスを入れる。シュートには至らなかったが高原だけでなく、樋口もゴール前に飛び込み、迫力ある攻撃を見せた。また、21分にも右クロスから須藤が惜しいボレーシュートを放った。

高原は「森が突破してくれるものと思って、中は動き出せている。準備をして入れるので、サイドの突破力というのは武器になる」と語り、辛島監督も「チームとしてはサイドをうまく使うというのは、シーズン始まってから言い続けてきたことではあります」と、自信を覗かせた。

22分にはJ−22のFW鈴木に、バー直撃のヘディングシュートを見舞われたが、それをしのいだSC相模原は35分に待望の今シーズン初ゴールを記録する。高原から右サイドを走るトロにパスがわたると、ゴール前にクロス。井上は「当たってしまったという感じだった」と笑ったが、頭で合わせるとゴールネットを揺らした。

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|すべての得点がヘディングで生まれた

後半の立ち上がりに追加点を奪えたのもよかった。56分、右サイドでFKを得ると、曽我部がゴール前に絶妙なクロスを入れる。これに工藤が打点の高いヘディングで合わせて2−0。その後も攻撃の手を休めなかったSC相模原は、ゴールにはならなかったが、64分に高原が左クロスからボレーを放ち会場を沸かせると、67分には井上がミドルレンジからゴールを狙った。

80分にJ−22のMF橋本拳人が2枚目のイエローカードを受けて退場すると、その6分後の86分には左SB大森啓生のクロスに、樋口がやはり頭で合わせて、勝利を決定付けるゴールを決めた。

交代に関して触れれば、77分のMF鈴木健太に続き、85分にはFWレオジーニョ、88分には服部康平がピッチに投入された。そして91分にはDF小谷祐喜が出場し、しっかりゼロのまま試合を終わらせることに成功した。キャプテンの高原は言う。

「どっちかというと開幕までに守備を意識してきた。危ない場面は作られましたけど、90分の中では相手にチャンスを作られてしまうところはどうしてもある。そういうところは今後の課題ですが、守備が安定しているというのは攻撃にもいい影響が出ている。後ろだけでなくチーム全体として守る意識ができていた」

勝因はまさに、掲げているテーマを選手たちがピッチで体現したことだろう。前線は効果的なプレスを掛け、中盤は相手の攻撃の芽を摘んだ。最終ラインも身体能力の高い選手を封じ、それぞれ攻撃につなげた。

何より独特の雰囲気がある開幕戦で、イージーミスがほとんどなかったことがチームの完成度を示している。新戦力が先発に4人いながら落ち着いたゲーム運びを見せたのは、チームとしてのクオリティーが上がっている証拠だ。

ただし、まだ開幕戦に勝利したに過ぎない。J-22は言わば急造チームである。今シーズンのSC相模原の真価を問うのはやはり次節、昨シーズン2位のAC長野パルセイロ戦になる。